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feed デュアル八木の改良 (2021/8/29 9:52:25)

 

 

 昨日、大年寺山にて3エレ/4エレデュアル八木を使ってみました。 145MHzに関しては2エレで51の信号が3エレでは54~55に上がり、耳Sでも利得の違いがはっきりわかります。一方、430MHzは4エレのわりに今一つな印象がありました。前作の小型デュアル八木(2エレ/3エレ)よりもほんの少し劣る感じがあります。試しに第二導波器を外して第一導波器のみにすると大幅に信号が悪化。反射器については外しても変化なし。反射器の意味をなしていない? ということで、帰宅後、反射器の配置と長さを見直してみました。

 

 

 製作時はIC-705のSWRプロット機能を使い、共振点とSWRグラフを見ながら最適と思われる個所にエレメントを配置しました。今回は実際に固定局からの弱い信号(41~51ほど)をベランダで受信しながら、良く聞こえる位置を探っていくことにしました。第一導波器と第二導波器はいじらず、反射器のみいつものセロテープ貼り付け法で探ったところ、どの位置も大きな変化はありません。それでもこれまでの取り付け位置よりも放射器の後方2.0cmで信号が安定するのがわかりました。エレメント長も少し調整しました。第一導波器にしても反射器にしても放射器から近すぎ、これがベストではないようも思います。オープンスリーブの挙動、よくわかりません。この状態でSWRをプロットしたのが下の写真です。

 

 

修正後の寸法

 

 変更前と比べ上の周波数で少し悪化しているものの問題なし。アナログレピーターに接続したところ、これまでよりSメーターで1~2個上がります。いくらか耳Sの向上も感じられるのでこれで良しとしました。SWRがバンド内ベタ落ち、それで性能を発揮するかというとそうでもなく、かえってSWRのみにこだわると肝心の性能を犠牲にしてしまっている、ということがあるのかもしれません。放射器の寸法も野外での測定に沿って少し修正しました。145MHzの性能は3エレとしては十分手ごたえがあり、使い勝手は悪くありません。防水などさらに手直しが必要かもしれませんが、山ではこれをメインに使おうかと考えています。

 

 

 

 

 


feed 145 MHz 3エレ/430 MHz 4エレ デュアル八木 (2021/8/23 11:06:24)

 

 

 この間、オープンスリーブによるデュアル化を実験的に試してきました。共振という現象の深層に分け入るような面白さがあり、興味深く感じています。製品化もされており、自分が知らなかっただけで以前から普通に使われていた技術なのだろうと思います。比較的容易にデュアル化できる方法にも関わらず、ネットの製作記事やアンテナ製作本にもあまり見当たらないのが不思議です。

 

 さて、いくつかのメーカーから3エレ/5エレタイプのVUデュアル八木が製品化されていますが、どれもブームはけっこう長いです。同様のものでザックにすっぽり入るようなものが作れないかと考え、ブームを50cm程に抑えた145MHz3エレ、430MHz4エレ(放射器共用)のデュアル八木を製作してみました。

 

<製作>

 今回もブームに角材を使いました。軽く、精度が保ちやすく加工もしやすい、間違っても修正がきく、という点でとても重宝しています。固定用には向かないものの移動用なら強度も問題なし。塗装を施せば耐候性も悪くないと思います。製作は先に145MHzの3エレを作り、その上で430MHz用のオープンスリーブエレメントを追加します。145の3エレはネットに公開されていたデータを参考にしました。利得よりも小型化重視です。430用エレメントの反射器と第一導波器はモクソンデュアル化で使ったものを活用し、第二導波器のみ追加。5エレも考えましたがこのブームでは無理があり4エレとしました。ブーム長51cm、重さ175g。エレメント寸法、間隔は調整後に下記のようになりました。

給電部作製

前作(左)と今回のデュアル八木

収納状態

 

<調整>

 145 MHzは上記の寸法がほぼ無調整の状態です。メイン付近でSWRベタ落ち。帯域は広くバンド内1.2以内。430MHz用エレメントは反射器と第一導波器をはじめに取り付け、その上で第二導波器を追加。モクソンデュアル化の経験から放射器からのおおよその間隔の見当をつけ、例によってセロテープで貼り付けて測定を繰り返し位置決めしました。放射器と第一導波器の間隔はわずか1.3cm。追加の第二導波器も33cmの銅パイプを同様に位置決めし1mmずつ切り詰めSWRの良好な寸法となったところで確定としました。オープンスリーブの特性なのか、1mmカットでも変化が大きくクリティカルです。調整の結果、バンド内SWRベタ落ちとなりました。かなり帯域が広いです。

 

 

 なお、第一導波器1本のみでもマッチングしますが、帯域が狭くなりSWRも少し悪化します。430用エレメント3本を取り付けた状態で再度145 MHzを測定したところまったく影響は見られず、これで調整終了としました。

 

 

 

 ベランダおよび室内で受信してみました。弱めの信号で前作の小型デュアル八木(2エレ/3エレ)と比較したところ145 MHz についてはS1ほど強くなり、3エレなりの利得が出ているようです。430MHzは明確な違いというほどのものは感じられず、といったところです。オープンスリーブによるデュアル化、感覚的にだいぶ慣れてきました。エレメント寸法、配置ともほぼ想定したスケッチ通り製作を進めることができました。期待した性能が出るのかどうはこれから。近いうち野外で試してみます。

 

 

 

 

 


feed 小型デュアル八木のモクソン化 (2021/8/16 17:37:26)

 

 

 製作したデュアル八木の145MHzエレメント間隔が28cmで、定型的なモクソンアンテナの寸法に近いということに後で気づきました。これならさほど手間なく2エレ部分をモクソン化でき、大きさも2/3ほどに抑えることができるのでは? ただ、放射器のサイズも変わってしまうことになり、オープンスリーブで作動している430MHzのマッチングはどうなるのか? そんなことを考えながら試してみることにしました。

 

 145MHzエレメント部材はロッドアンテナなので、縮めるのみです。横エレメントはモクソンの定型サイズに切った銅パイプとミノムシクリップをハンダ付け。隙間部分には今回もaitendoの4cm樹脂ナットを使いました。隙間1.7cmを確保し固定します。あとはロッドエレメントの上下に挟むだけです。ほぼ定型的な寸法なので145MHzのマッチングは問題なく、微調整しデフォルト以上にベストな状態になりました。一方430MHzは予想通りまったくマッチングが取れなくなってしまいました。下記のような試行錯誤でなんとか事なきを得ましたが、オープンスリーブの難しさも実感しました。

 

横エレメント

前作(左)と今回のデュアルモクソン

 

<430MHzの調整>

 430用導波器2本の長さを変えればなんとかなるのでは?と安易に考えていたのですが、ほとんど変化ありません。前作と同じように放射エレメントの後ろに反射器を付けてはどうかと思い、32cm程の銅線をセロテープで貼り付け、位置を変え、銅線の長さも変えて測定を繰り返しましたが、はやり同調する気配がありません。何を試してもバンド内SWR3以上。少し甘く考えすぎていたかもしれません。万事休すと思いましたが、ダメもとで導波器を追加してみることしに、放射エレメントと第一導波器の間に銅線を入れてみたところ、ストンとSWRが下がってくれました。放射エレメントとの間隔は1.3cmしかありません。他の導波器2本はこれまでどうりで変更なし。こんなに放射エレメントの近くに導波器を入れて、145MHzの方は大丈夫なのかと再度測定したところ、何の影響も見られません。オープンスリーブの振る舞いというのは一筋縄ではないようです。

 

        導波器3本状態でのSWR ↑↓

 

<使用感>

 本日、大年寺山にてJP7IEL局にお相手いただき、デュアル八木の状態とモクソン化した状態で使ってみました。結論を先に書くと145MHz、430MHzとも性能的な違いは感じられませんでした。RH770およびナテックの3エレ(430MHz)と比較したところ430はRH770で41、デュアル八木およびモクソン化状態で52となり、明らかに信号が上がり変調も力強さが増しました。ナテック3エレとは同等の感触です。145ではRH770よりも少し変調が強くなった感じはあるものの信号自体は変わらずといったところでした。JP7IEL局からのレポートも同様です。手間なく設営できるのはデュアル八木、コンパクトさではモクソン。

 

デュアル八木

モクソン化

 

 今回もっとも興味があったのはオープンスリーブの430でうまく電波が飛んでくれるのかという点ですが、直接給電したアンテナと同様に送信、受信とも問題なく、何か違和感のようなものもありませんでした。145はいずれも2エレなりの性能、むしろ430の方が期待以上という感じでした。オープンスリーブ、なかなかです。どこか捉えどころのない手ごわさはあるものの、短いブームで多エレメント化するなどいろいろ考えられそうな気がしています。

 

 

 

 

 


feed 小型デュアル八木(145MHz・430MHz) (2021/8/14 15:28:42)

 

 

 モクソンアンテナのデュアル化でふと脳裏に浮かんだのがCQオームのOHM-2243VBという小型八木です。145MHz2エレ、430MHz3エレとして機能するベランダ用アンテナで、以前に購入を考えたこともあります。ナガラ製とのことで重さが1.2kgあり、とても山に持って行けそうになく躊躇しました。ホームページに掲載されている略図をみると430用エレメントへの給電はなく、オープンスリーブとなっているようで、モクソンデュアルと同じ原理と考えてよさそうです。実際どのように動作するのか、モクソンデュアルとの違いは? そんなことに興味が涌いて略図を参考に自分なりに自作してみることにしました。いつものことながら山で手軽に使えればよい、そんな考え方なので耐久性は考慮せず、軽量化優先で作りました。 

 

 

<材料>

ロッドアンテナ60cm  4本

直径4mmおよび3mm銅パイプ

BNCコネクター

角材1cm×1cm×46cm

樹脂板、丸端子ほか

 

 

 すべてあり合わせの材料です。寸法はOHM-2243VBを参考にほぼ同じに作りましたが、エレメント材質や太さに違いがあり、最終的に調整し下図のようになりました。

 

 

<製作>

 2エレ、3エレであっても八木の場合エレメント間の歪みが出やすいので、今回もブームは角材です。給電部は同軸ケーブルの引き回しを考慮し直結でなくBNCコネクターとしました。前回同様430エレメントは上から差し込むだけの銅パイプ差し込み式を採用。軽量化できる上に手間がかからず気に入っています。給電部(放射器)、反射器、差し込み用銅パイプ(4mm)を所定の位置に取り付けたら補強のため接着材で固定。あとは乾いてしっかり固定されるのを待つのみ。工作は以上です。ブーム長46cm、重さ125g。コンパクトさではモクソンに分があるものの、山に持っていく気持ちになるくらいの軽さには仕上がったと思います。

 

 

 

 

<調整>

 はじめOHM-2243VBと同じ寸法にしたところ、145MHzは問題ないものの430MHzは上の方に共振点がありました。この状態でも悪くはないですが、放射器および430第一導波器の長さを少し調整しました。その結果、145はバンド内SWR1.2フラット、430はメイン付近で1.2~1.3、430.000~436.000まで1.5以下。両バンドとも帯域が広く、モクソンよりも性格が素直というか使いやすそうなアンテナといったところです。なお、430の第一導波器のみでもマッチングするのはモクソンデュアルと同じです。また430エレメント2本は取り付けても外しても145MHzのマッチングに影響はないようです。

 

 

 

 

 

 モクソンデュアルは導波器1本と反射器、このアンテナは導波器2本、ならば反射器を追加して4エレ? にしてみるとか・・・。まあ、暇を見て追々試してみます。直接給電せず、エレメントの寸法と配置のみで別の周波数帯の電波を乗せてしまう。オープンスリーブによる八木のデュアル化、なかなか興味深く、面白いです。

 

 

 

 

 

 


feed モクソンアンテナ (144/430MHzデュアル化) (2021/8/9 14:16:01)

 

 

 FBニュース7月15日号に145MHzモクソンアンテナにエレメントを追加し430MHzにもマッチングさせる方法が掲載されており、興味深く読みました。自分が作った145MHzモクソンアンテナは定型的な寸法ではなく、記事の通りに430用エレメントを追加したとしてもうまくいかないだろうと思いましたが、いつものカットアンドトライで試してみることにしました。

 

 2本の430用エレメントは直接給電するわけでなくオープンスリーブとなっており、給電部まわりや元のアンテナ本体の変更はありません。なので追加するエレメントの寸法や位置決めさえできればよいわけです。はじめ、記事にあった通りの寸法(前方315mm、後方313mm)の銅線をセロテープで貼り付け、位置を変えながら試してみましたが、案の定、同調する気配はありません。前後2本のエレメント寸法を少しづつ変更し、位置(間隔)を変えながら測定を繰り返したところなんとか手ごたえらしきものが得られました。ベストかどうかわかりませんが、備忘録として手書き略図を載せておきます。

 

 

 取付け方法は、角材ブームに溝を付けて4mm銅パイプを接着、上から3mm銅パイプ(エレメント)を差し込む方式としました。ところが、組み上がってみるとなぜかマッチングが取れません。もう一度、銅線で試したところ問題なし・・・??? オープンスリーブの難しさなのか、エレメントの長さや位置だけでなく、太さ(金属の体積)も影響するようです。前方エレメントのみ2mmの細い銅パイプに換え、再度慎重にカットアンドトライを繰り返し、マッチングを追い込みました。調整は1mm 単位、クリティカルです。

 

下の2本が430用エレメント

 

<マッチング>

 意外にも前方エレメントのみでも430MHzにマッチングします。共振点はメイン付近にありバンド内SWR1.5以内、この状態でも悪くありません。後方エレメントを追加すると下の周波数からメインあたりまでベタ落ちとなり、上に行くと悪化していきます。145MHzは?というと、ほとんど影響を受けないようです。430用エレメントを外して測定しても同じです。

前方エレメントのみ取付け ↑↓

 

前後エレメント取付け ↑↓

 

145MHz(430用エレメント2本を取付けた状態)

 

 

 

 ということで一応モクソンアンテナのデュアル化できました。簡単そうに見えてそうでもないだろうと予想はしていましたが、その通りでした。430の前方エレメントが後方エレメントより長いのが腑に落ちないところではあります。2エレとして動作しているのか、あるいは145MHz用リフレクターがなんらか作用を及ぼしているのか不明。複数のアナログレピーターにアクセスしたところ送受信とも問題はなさそうです。前回作製した430MHzシングルバンドのモクソンアンテナとの比較などもしてみたいと考えています。

 

 

 

 

 


feed 430MHzモクソンアンテナ (2021/8/2 14:51:58)

 

 

 FBニュース(7/15号)に145MHz用モクソンアンテナに2本のパラスティックエレメント(給電なし)を追加し430MHzとデュアルで使えるようにする方法が紹介されていました。興味が涌きましたが、それは後回しにして、まずは試しに430MHzモクソンアンテナを作ってみることにしました。ネットで紹介されていたいくつかの製作例を参考にさせていただきました。

 

 このアンテナは2エレ八木のエレメントを内側に折り曲げた構造で、見た目は1ループのような形状となります。とてもコンパクトでFB比にも優れるのが利点とされています。10年以上前に145MHz用は作りましたが、今回430 MHz用を作ってみてあらためて再現性と安定性の高いアンテナと思いました。

 

<材料>

エレメント 3mm銅パイプ 146mm×2本(放射器)、336mm×1本(反射器)

角材(ブーム)10mm×10mm×110mm

プラスチック仕切り板(ダイソー)2個

プラスチック六角ナット40mm×2(aitendo)

塩ビパイプ(三脚固定用)

同軸ケーブル(BNC)3m(秋月電子)

結束バンド

 

 

 すべてあり合わせの材料。エレメントの取り付けに精度が求められるのでブーム素材はパイプではなく角材を使いました。ネットの製作例の通りの寸法ですが、備忘録として手書きの図面を載せておきます。

 

 

<製作>

 エレメントを切り出したらそれぞれ寸法通りに直角に折り曲げ、前後が揃うよう整形しておきます。プラスチック板にエレメントを固定するための穴を開け、角材に接着。ねじ止めの予定でしたが木ネジが邪魔になるのと強度が確保できることがわかり、接着のみとしました。エレメントの隙間部分はこのアンテナの唯一の調整点であり、2cm前後に間隔を保つ必要もあるため何らかの固定が必要となります。つまようじを銅パイプに差し込んで固定してみたものの、強度がいま一つ。なにか良い方法はないかと思いついたのがaitendoから購入していた長さが4cmもあるプラスチックナットで、ドリルで穴を広げて使うことにしました。銅パイプがきつめに入り調整にも具合がいいです。給電部をハンダ付けし、あとはエレメントを結束バンドで固定するのみ。三脚設置用の塩ビパイプを角材に取り付け完成。本体50g、ケーブル(3m)込みで170g。

 

aitendoの六角ナット(4cm)

給電部取付け

 

 

<調整>

 いつものことですが、組み上がって調整に入る時がもっとも楽しみでもあり、緊張の瞬間でもあります。うまく共振してくれるのか、とんでもない周波数に合っているのではないか、SWRは? フラットなのかシャープなのか? おおよそアンテナの性質が判明するわけです。この過程で急にやる気を失ったり、あるいはさらに興味が涌いてきたりすることも多いです。

 

 430用アナライザーの持ち合わせがないので 今回もIC-705のSWRプロット機能で測定しました。その結果、無調整の状態でもまずまずのSWRグラフを描いてくれました。バンドの下の方に共振点があるようで、上にいくほど悪化するものの1.5以内。433.000メインで1.2ほど。マッチング自体は取れているようです。上下のエレメント間隔(2cm)を狭めたり広げたりしてみましたが、あまり変わりません。

 ふと、ケーブルの引き回しはどうなんだろう?と気になり、反射器からそのまま垂れ下げるのではなく、後方に離してループを描くようにポールに留めてみました。結果はバンド内ベタ落ちとなりました。だらりと垂れ下げた状態ではエレメントに干渉するようです。ケーブル引き回しは影響大ですね。この点さえ留意すれば帯域が広く扱いやすいアンテナかと思います。

 

ケーブルを垂れ下げた状態↑↓

 

ケーブルを離した状態↑↓

 

 

 

 ベランダでスイスクワッドと聞き比べてみました。信号によってスイスクワッドが良かったり、逆にモクソンが上回ったりで、さほど遜色ありません。送信はまだで数局をワッチしたのみなので何とも言えませんが、悪くはない感触です。手軽に設置することを優先したため強度的な不安はあります。数回使ってみて難点があればリペアを考えてみます。

 

 

 

 

 

 

 


feed PDモバイルバッテリーの容量 (2021/7/31 10:55:57)

 

 

 USB Type-C・PDバッテリーの登場で山岳移動時の電源問題はほとんどなくなり、大小2つのPDを必要に応じて使い分けています。容量は10000mAhと20000mAh。小さい方は大きさ重さ運用可能時間とも半分ほどで、これはこれで使い勝手は悪くありません。

 

 さて、モバイルバッテリーの容量はどんどん大きくなって20000mAh程度は普通並みといったところです。容量ばかり大きくて12V~15Vで3Aを出せないものも多いです。無線機で使うには容量にかかわらず45Wh以上必要ですが、意外に少ないのです。それにしてもこの容量って実際のところどれほどのものなんでしょうか。

 

 

 ハンディ機やIC-705に付属するバッテリーは2000mAh前後。とすると10000mAhのPDは5倍もの容量?と思ってしまいますが、重量から考えてもそんなはずはありません。

 

 IC-705の付属バッテリーBP-272 7.4V  1880mAh

 PDモバイルバッテリー(小)   3.7V 10000mAh

 

 リチウム単体セルはおおよそ3.7Vなので、BP-272はセル2個直列で7.4V。一方のPDバッテリーはセル複数を並列にし5V~20Vに昇圧していると考えられ、並列なので3.7V(もしくは3.6V)で容量表記されています。これを7.4V換算にすると、3.7×10000/7.4=5000mAhとなりBP-272の約2.5倍の容量となります。付属バッテリーと比較してどの程度の容量なのか、わかりやすくなるという話です。BP-272の重さ100g、PDは200g、エネルギー密度はなかなかのものです。

 

 ハンディ機に外部給電する場合は12V、IC-705の場合も12Vまたは15V給電となるので、実際の運用では

 

12V 3.7×10000/12=3083mAh

15V  3.7×10000/15=2466mAh

 

 20000mAhのPDであればこの倍。あくまで目安にすぎませんが、これまでの運用からみてもこんなところかと思います。

 20000mAhのPDバッテリーの場合、IC-705に15V給電しFM10W出力(3A弱)で4時間ほど持ちそうな感触です。蔵王熊野岳で4時間近く運用しましたが、SSB中心だったため半分の消費で済みました。猿鼻山では10000mAhのPDを使いFM10Wで2時間運用し(FTM10S)、6割の消費で余裕でした。大小どちらもシャットダウンするまで使ったことはありません。通常の登山の際は10000mAh、無線運用を目的に登る場合は20000mAhを持っていけば十分、そんなおおまかな理解で使っています。

 

 

 

 

 


feed モクソンアンテナ(145MHz)を使ってみる (2021/7/25 17:34:50)

 

 

 記録を見るとこのアンテナを作ったのは2009年10月ですから、かれこれ12年近く前ということになります。形は2/3λヘンテナのように見えますが、ループではなく変形2エレです。2本のエレメントを内側に折り曲げた形状でありFB比に優れるとされています。コンパクトなことから4~5回山で使いました。「FBニュース」にこのアンテナのことが掲載されており、興味が涌いて物置から取り出してみました。

 

 自作したものはデフォルトのモクソンアンテナよりも縦エレメントを短く、横エレメント(折り曲げ部分)を長くしています。あらためて室内でSWRを測ってみるとメインより下に共振点があり、上は1.5~1.6あたり。作った頃はメインを中心にきれいなグラフを描いていたと思うのですが、多少ズレてしまっているようです。

 

 

   使用には問題はないということで、本日、野外での測定を兼ねて大年寺山で使ってみました。IC-705のSWRプロット機能で測ってみると1.3あたりでフラット。「FBニュース」の記事によるとこのアンテナはこのままで430MHzにも共振するような記述があり、測定したところ2.2~2.3ほど。メイン付近がわずかに下がっておりSWRは高いものの共振自体はしているのかもしれません。そのうち再調整することにして、とりあえずこのまま使いました。 

 

 

 今日は熱対策のためIC-705に12V給電、7W運用としました。2mSSBをワッチすると岩手各局が聞こえてきました。花巻市、遠野市移動と盛岡市固定。山梨県の局と交信の最中で、こちらには相手局はまったく入りません。盛岡固定局もなかなか了解できないようで何度かやりとりしている様子が見て取れました。徐々にコンディションが上がって交信成立となったのですが、その際、こちらにも山梨局の信号がほんの数秒浮いてくるのがわかり、変調を捉えることができました。大年寺山は標高100mあるかないかの公園で、これには驚きました。今日はコンディションの変化が大きかったのかもしれません。山梨局との交信終了を待って各局と交信。盛岡固定局とは泉ヶ岳方向にアンテナを向けたところ信号が上がり51-52。たぶんビッグなアンテナを向けていただいたと思いますが弱い信号を取っていただき無事交信成立。

 

 

 その後、JP7IEL局と本日もロングにお付き合いいただきました。IEL局は移動運用中で45cmほどのハンディホイップ(距離約40km)。途中、隣接周波数のFM局からの抑圧でケロケロになる場面があったもののDVで良好に交信を続けることができました。

 

 10数年ぶりのモクソンアンテナ、ちょっとした手ごたえが感じられました。もう少しマッチングを追い込んでみます。今日は気温30度近く、そこそこ風があったことと12V給電によりTEMPメーターがレッドゾーンまで上がることはありませんでした。最大パワーは低下しますが、リグのためにも真夏は15Vでなく12Vがよろしいようです。

 

 

 

 


feed 猿鼻山(標高1216m)7/24 (2021/7/24 18:29:01)

 

 

 今シーズン初の奥山登山、南面白山と猿鼻山に登ってきました。往復5時間ほどの行程ではありますが、気温が上がりバテバテになってしまいました。

 面白山高原駅前

旧ゲレンデ前(登山口)

南面白山(コスモスベルグより)

 

 仙山線始発に乗車。朝方、宮城県側がどんよりしていたこともあってか面白山高原駅下車は5人のみ。トンネルを抜けると山形県側は青空が広がっていました。皆さん、北面白山に向かったようで、南面白山は自分のみでした。旧スキー場を登りきるとブナの美林。

 

 一気に急登となり、尾根に着いたかと思うともうそこが山頂。山頂までまったく眺望がないものの見事なブナ林には圧倒されます。駅から2時間ほどで南面白山山頂着。大東岳、北面白山は雲の中。めざす猿鼻山も薄いガスが流れていましたが、休憩している間に小東岳への稜線も見えてきました。

 

南面白山山頂

猿鼻山と小東岳(右奥)

 

 いつもこの山頂でやめておこうか、猿鼻山に足を延ばそうか迷いつつ、隣の山へと続く細い縦走路を眺めていると、つい登りたくなってしまいます。標高差100mほどをいったん下降、鞍部からほぼ同じ高さを登り返す。今シーズンの刈り払いはまだのようで、登山道は藪状態でした。約40分で猿鼻山山頂着。空気が澄んでいれば熊野岳に続く蔵王の山々、朝日、飯豊連峰とパノラマですが今日はいづれも雲の中。相変わらず山頂標識もありません。縦走路の通過点で、この山を目的に登る人はたぶん皆無と思います。でも自分的には山深さ、眺望、静かさを併せ持つ、名山に数えたい山の一つです。

 

猿鼻山山頂

大東岳 

 

 誰もいない広々とした笹原でさっそく無線運用。

 

 <本日の装備>

リグ FTM10S(145MHz 10W設定)

アンテナ 1λループ(ガンママッチ)

電源 小型バッテリーMB-F100PD(12V給電)

 

 PDバッテリーから12V給電、10Wでどの程度持つか試してみました。また久しぶりに1λループアンテナを使ってみました。約2時間の運用、終了時の残量は39%。FTM10Sの場合10Wでも3時間以上持ちそうな感触でした。12V給電なのでさほど熱くなりません。夏場はこの軽量PDバッテリーとFTM10Sの出番が増えそうです。交信の方は山形、宮城、福島、岩手、新潟各局に呼んでいただきました。1λループはほぼ方角を変えずに使いました。さほど飛んでいる感じはなく、途中でRH770に換えてみたものの、どちらも信号の伸びは特段感じられませんでした。

 

 

 下山は同じルートを戻りました。いったん下って南面白山に登り返し。ちょうど日差しが当たってきついです。これでバテてしまいした。南面白山からは下るのみですが、息も絶え絶えで、早く駅前の山荘でビールを飲みたい一心でした。途中、この暑さの中、北面白山から縦走してきたというランニング登山の方々が軽々と追い越していきました。

 

 

 

 

 

 


feed スクエアロー? GRA-YG-1443 (2021/7/19 18:10:51)

 

 

 アマゾンや楽天で扱っているGRA-YG-1443という台湾製のスクエアロー風アンテナに興味が涌いて購入してみました。このタイプはその昔、6mバンドでよく使われたそうですが、今はあまり見かけません。1/2λのエレメントを四角に折り曲げた形状なのでとてもコンパクトで水平偏波の6mでは好都合だったようです。RA-YG-1443は145MHzと430MHzのデュアルで、大小2つのループ状エレメントが付いており、大きい方は一辺27cm。ザックに収納可能で山でも使えるのでは?と考えた次第です。

 

仕様

周波数:140-150MHz/400-470MHz

ゲイン: 4dB/5dB

重さ: 0.36kg

コネクタ:MJ

 

 箱でなくビニール袋に入って送られてきました。本体、取り付け金具、簡単な取説が付属。145MHz用エレメントは直径6~7mmの硬いアルミ棒(パイプでない)が使われており、思っていたより丈夫なつくりと思いました。

 

<取り付け>

 水平偏波で使う前提で金具が付属しています。自分は三脚に設置して垂直偏波で使うのでいつもの塩ビパイプ連結式で簡易的に取り付けてみました。軽くコンパクトなので三脚のバランスが崩れることはなさそうです。

430MHz用エレメント

 

<調整>

 通常のスクエアローは折り曲げた1/4λエレメント2本に真ん中から給電する(ダイポールと同じ)わけですが、このアンテナは1本ものアルミ棒(1/2λ)に給電します。見た目はスクエアローのようでも別のアンテナなのかもしれません。マッチング回路としてガンママッチ様のものが採用されています(145MHz)。取説では調整バーの位置は動かさず、エレメントを可動させて調整するように書いてあります。でも、なかなか調整がうまくいかず、調整棒(アルミパイプ)にかぶせてあるプラスティックカバーを取り外してみたところ、中に絶縁された導線が仕込まれていました。芯線側はコンデンサー結合とみられます。初めてお目にかかる給電法で興味深く思いました。エレメント側を固定しておき、調整バーをかなり下に持ってきたところ、一気にSWRが下がり、あとは1mm単位で微調整し145.000付近に共振点を合わせることができました。クリティカルです。ただ、調整バーが下に来すぎているため構造的に疑問な感じがあり、本当にこれで良いのかどうか。考えてみると出荷状態で使えるようにしてあるのが普通なわけで、いじり過ぎてしまったような気がしないでもありません。

 

ガンママッチ部

 

 

 続いて430MHz。さきほどのガンママッチが430にも影響するのかどうかや芯線側がどのように接続されているのか不明です。エレメントの長さなどは調整できるようにはなっています。430用アナライザーがないのでIC-705のプロット機能で測定したところ、SWR1.5以下になっているので良しとしました。一辺6cm×4とかなり小さいです。1/4λでも1/2λでもなく、どういう動作なのか???この小ささでは性能的には期待薄ではあります。

 

 

 

 ベランダで受信してみました。回すと信号の強弱があり、ブロードな指向性が感じられます。145MHzではRH770と比較し同等な感じを受けました。430ではS1~2ほど低下します。もっと良くないかと予想したのですが、そうでもないです。

 

 ただ、ベランダでは430のSWRが2.0以上に悪化していました。145にしても430にしても調整しきれていないような気がしています。調整できる箇所(六角ねじ)がいくつもあり、それらを動かすことでどのように変化するのか? いまひとつ挙動のわからないアンテナです。これから いろいろ試してみます。

 

 

 

 

 


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