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JO7TCX アマチュア無線局 (2024/3/29 3:05:20)
現在データベースには 384 件のデータが登録されています。
数年前から定点運用ということで年数回この山に登っては無線運用してきましたが、2月に膝を痛めてから山歩き自体気が乗らず無線も休止状態となり、夏には再開しようと思っていたものの猛暑続き、しかしこのままでは気力も体力も衰えるのみ、というわけで、気分転換を兼ね10ヵ月ぶりに登ってみることにしました。
学校登山で小学生も登る仙台市民には最も身近な山で、軽く登れると考えている方も多いようなのですが、登山口から標高差600mあり、それなりにきつく、やっと山頂に着いても、その山頂自体が地味で眺望もなく、がっかり感は否めない、そんな山です。地元の人間なので少しは自慢もしたいのですが、アクセスの良さくらいで、自分的には無線運用およびトレーニングの山と割り切っています。伝搬の方も過大な期待はせず、隣県やまれにエリアを超えた交信が楽しめる、そんなスタンスです。
今日は曇天。少しは登りやすいかと楽観していたのですが、湿気が多く、蒸し暑さは半端ありません。いつもの水神コースから入山。バスを降りた数人が同じコースで登り、抜いたり抜かれたりしながら、全身汗まみれになりながらも快調に登り水神へ。ここまではよかったもののこの後の急登で膝の痛みがぶり返し、後から登ってくる登山者に次々追い抜かれ、いつもの1.5倍、2時間ほどかかり山頂に到着。
眺望の得られるガレ場まで行ってみましたが、薄いガスで何も見えず、無線運用しながら様子をみることにしました。
無線も8ヵ月ぶり。FTM10sとアローライン(145MHz)。アナライザーで測定したところ、湿っているためかメイン付近でSWR1.6と高めな感じですが、この状態でCQを出したり、聞こえてきた局に応答したりで、約1時間、宮城、岩手、福島の10局に交信いただきました。盛岡市の天峰山移動局。姫神山の南にある眺望の良い山とのことで59-59。距離162km。本日の最遠方交信でした。
再度ガレ場に行ってみたところ、北泉ヶ岳と後白髭山のガスが取れ、少し視界が開けてきつつありました。船形山や蔵王は雲の中。例年ならひんやりとして秋の気配が感じられてもおかしくはないのですが、相変わらず湿気が多く、風もなし。今年はホント夏が長い。
膝の痛みを考え、滑降コースをゆっくり下山。下山中も何人かの方に追い抜かれ、こんなことはこれまでなかったことで、衰えは足から来る、などというけれど、本当だな、などとちょっと苦笑してしまいました。
7度くらいまで気温が上がるとのことで、亘理丘陵の鷹討山周辺を散策しました。駅から歩いて登り、また駅まで戻る。いろんなルートがあって時間を気にせず、その時々の体調や気分で自在に選べるのは気分的に楽です。
JR常磐線山下駅下車。昨年11月と同じ的場地区から入山し、南端の尾根に取り付きました。何度も歩いているコースですが、なぜか人に出合ったことがありません。雑木林の明るい尾根で、途中の崖地から山下集落や太平洋が見渡せ、自分的には気に入っています。50分ほどで馬船峠の分岐。峠側に少し下ったところに金津展望台があり、寄り道してみました。
登山口付近
尾根に取り付く
尾根途中の展望地
馬船峠分岐
分岐に戻り、10分ほどで鷹討山山頂着。西側に樹木があって風を遮るためか、他のピークに比べ暖かく、伝搬的に良いわけではないものの、ここで無線運用することが多いです。山頂標識から少し離れたところにアンテナを設置。430MHz5エレ八木+ID-51。
鷹討山山頂 ↑↓
D-starレピーターのアクセスを確認してみたところ、福島430、福島伊達430不可。郡山鶴見坦および南相馬430可、仙台青葉、仙台430も可。福島430からはゲート越えの変調が明瞭に聞こえてきました。レピーターからの信号(10W)はこちらに届きますが、こちらの信号(5W)はレピーターまで届かないようです。一方、郡山鶴見坦430にアクセスできたのは意外でした。福島中通り地区との間にはこの山域より高い山があって、思いのほか複雑な伝搬なのかもしれません。
CQを出し、仙台市内および相馬市移動局の2局に交信いただきましたが、後が続きません。430MHzはホント少ないです。デジコミにQSYし福島県相馬市モービル局、川俣町・女神山移動の2局と交信。女神山は37km、はじめとぎれとぎれに入感したものの位置決めして安定交信となりました。距離的には近いのですが、相性は良くないようです。430MHzに再度QSYし、ロングにお付き合いいただきました。
下山は陽当たりの良い東斜面の展望地を経由し、笹尾根コースを下りることにしました。
東斜面展望地
笹尾根コース ↑↓
展望地からすぐY字型の分岐点があり、右に進むといつもの沢コースとなります。今回は左へ。勝手に「笹尾根コース」と名付けています。背丈ほどある笹藪の中に細々した道が続く展望もない地味なルートで、ほとんど歩く人はいないようです。下山に使ったのは今回が初めてで、踏み跡は一部不明瞭ではありますが、今は下草もなく特に迷うことはありませんでした。
笹尾根コース下山口(合流点)
小さな里山では不明瞭なルートを探索してみるのも愉しみの一つかな、と思ったりもします。無線はあまり期待できませんが、また出かけてみます。
鷹討山周辺を振り返る
MMANAで設計し作ってみたところ、ほぼその通りのものが出来上がった、ということを前回書きました。QSOパーティで実際使ってみて、利得、指向性、帯域とMMANA解析と違和感ない印象を受けました。ただ、たまたま偶然うまくいっただけなのでは?との思いがなくもありません。今回は5エレ八木で設計・製作し、シミュレーション通りとなるのかどうか再度試してみることにしました。
山で使うことを考え、次の点を目標としました。
・ブーム長は50cm程(併せて軽量化と収納を考慮)
・ゲイン10.5~11dBi
・D-starレピーター周波数を含むバンド全域でSWR2.0以下
前回の4エレ八木のデータをベースに第3導波器を追加し「最適化」。ブーム長を考慮しなければ11 dBiを超えるものができますが、50cmでは難しいようです。利得を追い求めるとメイン付近はSWRが下がるものの439MHzが跳ね上がってよろしくありません。エレメント間隔を固定する設定にし、エレメント長のみ変更しながら何度か「最適化」していったところ求めに近いものが示され、あとはカット&トライおよび間隔を微調整しました。リアルと異なり、カット&トライにしても同じようなことを何度も繰り返したりして切りがなく、目標の範囲ということで妥協点としました。
反射器から第3導波器までの長さがちょうど50cm。利得10.68 dBi 。メイン付近でSWR 1.02、バンド全域2.0以下。
<製作>
シミュレーションによるとエレメント寸法および間隔はかなりクリティカルです。データ通り1mm単位で正確にカットおよび配置。これまでよりブームはより細い角材を使い、放射器はロッドアンテナを4mmアルミパイプに変更し軽量化を図りました。
(材料)
・ブーム 9mm×9mm×51cm
・アルミパイプ 直径3mm(反射器、導波器) 4mm(放射器)
・六角銅スペーサー 4個(給電部、放射器用)
・六角樹脂スペーサー4個(反射器、導波器差し込み固定用)
・BNCコネクター 樹脂板 片支持ブーム取付け用塩ビパイプ ボルト等
放射器エレメントの収納に少し悩みましたが、給電部との連結は六角スペーサーによるネジ込み式にしました。給電部側は丸端子にスペーサーをはんだ付けで固定、エレメント側はネジ部分がちょうど4mmパイプ穴に入り、接着剤で固定しました。初めて作る方式で加工に若干てこずり、見た目スマートとはいきません。この部分はさらに工夫のしどころがありそうな気がします。
反射器、導波器はこれまで同様、接着固定した樹脂ナットに上から差し込む簡易方式。今回も製作自体は半日ほどで完成しました。
ブーム長51cm、重さ53g。5エレとしてのゲインを確保しつつ、かなり軽量にはできたかな、と思います。このくらいの軽さであれば山でも全然苦になりません。組み立ては給電部に放射器上下をねじ込み、他のエレメントを上から差し込むのみです。
収納状態
さて、MMANAの解析通り共振してくれるのか?さっそく各エレメントを取り付け、IC-705のプロット機能で測定してみました。この瞬間がいつも楽しみでもあり、不安も交錯するわけですが、その結果は下の通りです。
シミュレーションそのままと言ってよいかと思います。共振点、帯域とも無調整で問題なし。このような小型八木であれば、解析データとの誤差はほとんどなさそうで、前回、今回と実際製作してみて、MMANA-GALの秀逸さを再認識できたように思います。むしろデータ通り1mm違わず製作できるかどうか、その精度の方が問題となるのかもしれません。アナログなアンテナ作りは変わらないものの、あらかじめ様々解析、検討できるというのはホントありがたいです。
寒くて山歩きも躊躇しておりますが、近いうち4エレと比較しながら使ってみます。
今回はMMANAを使って得られたデータをもとに製作を試みました。前回同様4エレとし、小型ザックにも入るようブーム長40cm以内で、より高ゲインのものをめざしました。
軽量4エレ八木のデータをMMANAに入力し、これをベースに「ゲイン」「FB比」「SWR」等のパラメーターを変えながら何度か「最適化」を実行。4エレであっても10dbiを超える組み合わせが示されるものの、長さがどれも50cmを超えてしまいます。エレメント間隔が狭いと利得は上がらず、あるいは利得はそこそこ得られてもSWRが高過ぎ・・・。エレメントの間隔と寸法の組み合わせは無限にあって、八木というのはつくづく妥協の産物では?と思えてきます。
ベースとなる数値を変え、さらに「最適化」を続けたところ、反射器から第2導波器までの長さが36cmほど、ゲイン9.5dbi、SWR1.5以内という求めに近い組み合わせにたどり着きました。さらに追い込むため、間隔は変えず、エレメント寸法のみを増減。いわばシュミレーター上でカット&トライを繰り返すといった風で、何とかSWR1.05まで落ちてくれました。偶然にも4本ともキリのよい寸法。不満なところがないわけではありませんが、ここで自分に折り合いをつけ、妥協点としました。参考まで、データ下記の通り。
さて、MMANAで得られたデータと製作したアンテナとの間に乖離がみられることはままあるようです。データ通りに作って本当に大丈夫なのか?という不安がよぎらないでもないです。そこで、カットしたエレメントを仮止めして事前にSWRを測定したところ、1.0とはいかないものの、ほぼデータ通りという結果になりました。シュミレーションソフトなのでこうなって当たり前ではありますが、MMANA、なかなかのものです。安堵して作り込みを進めることにしました。
エレメント差し込み式(六角スペーサーに変更)
製作は前回とほぼ同じですが、エレメントを差し込む中空丸パイプを樹脂製六角スペーサー(長さ2cm)に変更しました。丸パイプと異なり六角スペーサーは角材に平面で合わせられるため、精度が高まります。また放射器のロッドアンテナは太めのものしかなく、少し重くなってしまいました。ロッドアンテナを使うと調整が楽ではありますが、無駄に重くなってコストもかかるため、何か良い方法がないか、考え中です。
今回も製作自体は半日ほどで完成。ブーム長38cm、重さ80g。ほとんど調整不要で、放射器のロッドをほんの少し短くしたのみでSWRベタ落ちになってくれました。IC-705のプロット測定でまったくバーが立たず、帯域も広そうです。
固定局からの弱めの信号。前作との比較で今回の4エレの方がS1~2上がってくれました。変調もいくらかパワフルになり、前作で了解できない信号がぎりぎりで了解できるケースもあり、悪くない感触です。ゲインの向上という目標は一応クリアできたように思います。取り回しも問題なし。もっと良いものができるのかもしれませんが、自分的には御の字で、次の山歩きはこれを持って行こうかと思います。
前作(左)と今回(右)
求めるアンテナをMMANAで設計し、得られたデータに基づき作ってみると、ほぼその通りのものが出来上がる、ということ自体、新鮮な感じがありました。「最適化」を繰り返していると「おやッ」と思えるような計算結果もあるし、一歩づつ目標とするものに分け入るような、あるいは見えない何かを探り当てるようなアナログな面白さもあり、MMANAを使ったアンテナ作り、あらためて興味をそそられました。
大年寺山(仙台市太白区)にて430MHz 4エレ八木を試してみました。相手局は岩手県一関市の石蔵山移動局。デジコミで交信後430MHzにQSY、アンテナを変えながらの交信実験にお付き合いいただきました。石蔵山は一関市の東にある標高356mの里山。距離83km。
はじめにVUデュアル八木(430MHz 3エレ)。方角を合わせ双方10Wにて59-59。これでは比較にならないということでパワーを5Wに落とし、それでも59-59。さらに相手局1W、当局0.5Wで52-55となり、かすかなノイズも感じられるこの状態で比較することにしました。
デュアル八木(430MHz 3エレ オープンスリーブ)
さっそく4エレ八木に換えたところ55変わらず、わずかなノイズの感じもほぼ同じ。相手局からも52変わらずのレポートでした。モノバンドの4エレなのでデュアル八木より少し勝ってくれるのではと期待したのですが、同等の結果でした。逆にデュアル八木の方はオープンスリーブにもかかわらず、まずまずの利得、ということになるのかもしれません。
ちなみに以前に作ってほとんど使っていなかった2エレの「プリンテナ」も試してみました。51-53に低下。ノイズが増え、信号強度も下がりました。相手局からもノイズが増えたとのレポート。プリンテナはバラン付きの基板にエレメントを付けた超軽量で面白いアンテナですが、3エレ、4エレとの違いは明らかなようです。
プリンテナ(右)
今回製作の4エレ八木はカット&トライでマッチングを追い込んだものの、MMANAでの計算結果とは合わず(原因不明)、利得的には3エレ並みのようです。ただ、送受信とも悪くはなく、十分使えることはわかりました。もう少しブームが長くとも許容範囲ではあるので、利得重視の設計でもう一本作ってみてもよいかな、と考えています。
里山での無線運用はもともと遠方との交信というロケもでもなく、145MHzに比べるとノイズのほとんどない430MHzの方が良さそうな気がしています。ここ数回の運用では粘りのある伝搬も見せてくれて、少し見直しています。あまり430MHz用アンテナは作ってこなかったのですが、オープンスリーブのVUデュアル八木と比較もしたいと考えシングルバンドの4エレ八木を製作してみることにしました。いつもの通り、山で使える程度の耐久性を考慮しつつ、軽量化優先です。
430MHz用八木はネットに製作例がたくさんアップされており、作られる方は多いようです。いろいろと参考にさせていただきました。ザックに入るブーム長を考えると5エレでも良いのですが、寒い中で少しでも手間なく組み立てられるもの、ということで4エレとしました。
<材料>
・ブーム 角材 10mm×10mm×31cm
・ロッドアンテナ 30cm×2本
・アルミパイプ 外径3mm 長さ1mを切り分け
・ベークライト中空パイプ(内径3.5mm)長さ20mm×3
・BNCコネクター
・給電部用プラスチック板、ボルト等
<製作>
ブームは精度を出すのが容易なように今回も角材を使いました。導波器、反射器はアルミパイプ、調整できるよう放射器のみロッドアンテナとしました。導波器、反射器エレメントは角材に固定した中空パイプに上から差し込むだけの簡便な方式です。角材に直接穴を開けて差し込むことも考えましたが、精度を確保するのが難しいと判断し、この方法にしました。角材に溝を付けて中空パイプを仮止めし、エレメントがきれいに並ぶよう調整した上で接着固定しました。
給電部はBNCコネクターにて直接給電、バランなし。最後に片支持ブーム取り付け用の塩ビパイプをバランスの良い個所に取り付けて完成。2m用八木と違ってエレメントの2分割等、面倒なところもなく製作自体は半日ほどで済みました。
中空パイプ差し込み式
給電部
収納状態
<調整>
430MHzに対応するアナライザーがないので、IC-705のSWRプロット機能で測定したところ、バンド全域SWR3.0。共振点が上にあるのか下にあるのかの見当もつかず、想定外な結果に一瞬途方に暮れてしまいました。ネットデータの寸法を参考に作ったのですが、エレメントの太さ・材質など様々な条件が異なるのかもしれません。エレメント間隔は変えず、試しに第1および第2導波器を短いものに差し替えたところ、改善の兆しが見られたため、両エレメントをカット&トライで切りつめ、最終的に放射器寸法を調整してベタ落ちとなり、何とか事なきを得ました。
調整後
調整後のデータをMMANAに計算させたところメイン付近でSWR2.0ほどとなり、実際の測定結果とだいぶ開きがあります。この状態で所定の性能が出るのか?は疑問ですが、一応、これで調整終了としました。アルミパイプの差し替えは簡単で、放射器もロッドエレメントなので長さや間隔を変えて、追々また試してみたいと思います。調整後の寸法図を残しておきます(自分の備忘録。当てになりません)。
受信およびアナログレピーターにアクセスしてみたところでは良くもなく悪くもなし、サイドはそれなりに切れ、前方利得でVUデュアル八木(430MHz3エレ)、スイスクワッドと同等な感触です。信号によって4エレが良い場合もあるし、逆もあります。
長さ31cm、重さ65g。コンパクトかつ軽量には仕上がったと思います。ハンディ機とこのアンテナを持って430MHzのみ運用、軽身で里山を歩き回る、そういうのも悪くないかな、などと考えています。とりあえず次の山歩きの際に持っていくつもりです。
この山は疣石山、大沢山、物見山の3つの山名を持ち、山元町側、角田市側でそれぞれ呼び名が異なるようです。馬船林道や登山道の様子も気になり登ってみました。
浅生原溜池
JR常磐線山下駅下車。東街道から馬船峠への入り口に浅生原溜池があり、それを左手に見て最奥の民家を過ぎると旧林道となります。とてもこの先に道があるとは思えないような藪状態のところをかまわず直進すると、道幅が広くなり、古いコンクリートの道路壁などが現れます。かつて車道だったことが偲ばれるのはそのくらいで、途中まで下草が刈られた様子がみられたものの、林道上部は崩落個所も放置され、もはや人工的な気配さえなく、植物の繁殖に委ねたまま自然な状態に戻りつつあるかのようです。
馬船林道入口
馬船峠
林道入口から約40分で馬船峠着。南側の尾根に取り付き疣石山へ。登山道は明瞭ですが、笹に覆われたところもあり、一部藪化が進んでいるようにも感じられました。30分ほどで山頂着。標高314m。以前は樹木でなんの眺望もない地味な山頂で、数年前に崖地斜面が大きく伐採され南西の展望が得られるようになりました。それもあって、登山者も増えたように感じていたのですが、今日は一人すれ違ったのみ、静かな山頂でした。
疣石山へ ↑↓
山頂 ↑↓
山頂より
IC-705にVUデュアル八木(145MHz2エレ、430MHz3エレ)。2mSSBでCQを出したものの応答なく、FMで一関市、仙台市、相馬市の3局と交信。続いてD-star仙台青葉レピーターにて連絡をとり、今回もJP7IEL局(距離約70km)にお相手いただきました。430MHzシンプレックスに移行し51-53。はじめノイズが多めながら方角、偏波面など調整しFMおよびDVにて安定交信となりました。145MHzを試してみたところ、今回も双方まったく入感せず。変調はもとより信号のかけらも感じられず、前回の鴻巣峠に続き予想外な結果に唖然としてしまいました。双方の設備にもよると思いますが、似たような標高と地形が連なる里山では145MHz よりも430MHzが意外な強みを見せてくれるのでは?などとつい考えてしまいました。別の山でまた試してみたいと思います。
一瞬雨がぱらついてきました。西の雲行きも怪しくなってきたようです。交信を終了し撤収。いったん馬船峠に下山し、鷹討山方向に登り返しました。金津展望台、東街道への分岐を経て東斜面の展望地へ。
金津展望台 蔵王は雲の中
東斜面展望地より松川浦方向
疣石山を振り返る(山下駅より)
東斜面の展望地よりデジコミでCQを出したものの応答なし。そのまま沢コースで的場地区に下山、心配した天候は大きく崩れることなく山下駅まで戻りました。
八木アンテナを垂直偏波で使う場合、マストや同軸ケーブル引き回しによるエレメントへの干渉が起きやすく、以前、送受信性能を大きく損なうということを経験し簡易的な片支持ブームを自作しました。
ケーブルの引き回しでどのように影響するのか? 実際に引き回し方を変えながらあるいはケーブルをブラつかせながら受信してみると一目瞭然です。送信の影響は電界強度計で測ったり相手局からレポートをいただくことになりますが、明瞭に変化します。信号が低下したり了解度が悪化するような良くない引き回し方であってもSWR的には良好だったりするのでかえってやっかいで、八木アンテナの落とし穴と言えるかもしれません。
ケーブルはエレメントに対し真横に引き出してからマストに沿って下すのがベストで、メーカーなどからも八木をシングルで使う場合は片支持ブームの使用が推奨されている通りかと思います。
ということで山岳移動用に作った簡易的な片支持ブームを使い続けてきたのですが、1)形がT型で収納に難がある、2)クリップ2個使用で寒い時期は意外に手間取る、など使いにくい点がありました。
今回はブーム長を前作より10cm短くして15cmとし、自重と応力を抑えてクリップ1個で固定することにしました。写真の通り前作以上に簡便なものです。重さ40g、I型形状で取り付けやすさと収納も良くなりました。応力が加わるクリップ部分はボルトと接着剤で面的に固定。アンテナとの接続はこれまで同様塩ビパイプ差し込み式としました。
前作(上)と今作
重さ120gのVUデュアル八木(145MHz2エレ、430MHz3エレ)を取り付けてみたところ、クリップ1個でも問題なさそうで、ブームを短くしたこともあってもう少し重さのある自作八木でも耐えられるようです。不安がまったくないわけではありませんが、手元での短時間の運用なのでこれで良しとします。
ただ、アンテナとの間隔はわずか15cm、エレメントへの干渉を打ち消すのに十分なのか、というのはまだよくわかりません。一応、電界強度計で測ってみて、この間隔でも大丈夫そう、という感触はあります。
里山は標高が低い上にさほど眺望に恵まれているわけでもなく、ホイップ系では厳しい場面があって、やはり小型八木が有利なようです。さっそく次回、使ってみたいと思います。
四方山から北の尾根沿いに山道が続いており、黒森山、閑居山などの小ピークを経て割山峠に至ります。鴻ノ巣峠はその途中にあり、無線運用してみようと出かけてみました。
慶月院の墓入り口
常磐線亘理駅下車。「慶月院の墓」より入山。雑木林の明るい尾根を15分ほど登り「令法の丘」、さらに小さなアップダウンを経て、ほどなく主尾根の登山道に合流しました。
鴻ノ巣峠へは閑居山を経て北に進みますが、その前に、まだ訪れたことのなかった「森の見晴らし台」まで行ってみることにしました。合流点から黒森山方向に20分ほどで「夜討坂」。「山神」の碑があり、戦国時代、伊達氏がここを通って相馬氏に夜襲をかけた言い伝えでこのような名称が付いたようです。標識に沿って東側に左折、緩く5分ほど下ったところに「森の見晴らし台」がありました。亘理の町や鳥の海、太平洋が一望。さほど期待もしていなかったのですが、高度感のある大展望にちょっと感激してしまいました。
黒森山方向へ
夜討坂
森の見晴らし台↑↓
往路を戻り閑居山へ。標高204m。杉林に囲まれた薄暗い山頂で眺望なし。さらに北に進むと石切り場の真上に出て崖に沿って少し下ると、鴻ノ巣峠。西側が採石場になってしまい、峠の面影はなく、古い石碑にかつての往来を忍ぶのみのようです。
閑居山山頂
崖沿いを進む
峠の石碑
さっそく峠のすぐ上、狭い台地状になっているところに移動。標高が180mほどに過ぎず無線的には?ではありますが、眼下に阿武隈川、西に蔵王、吾妻、安達太良、北東に仙台市街地も遠望でき、自分的には気に入っている場所の一つです。
高台より峠方向
運用地
ポールにRH770を設置。リグはIC-705。D-starレピーターにてJP7IEL局(距離約60km)と連絡を取り145MHzへQSYしたものの、まったく入感なしとのこと。こちらには41程で一瞬のみ入感。昨年同じ場所で良好に交信できており、?・・・な状態となってしまいました。
430MHzならどうなの?ということでQSY。ノイズ多めながら入感ポイントを微妙に合わせたところ、変調が浮いてきました。信号不安定ながらも何とかつながり安堵。長話モードに入り、マックスパワーにて2時間近く交信を続けていたところ、今度は送信中断症状が出てしまいました。IC-705は熱くなるとパワーダウンを通り越して、送信自体を中断してしまうようです(プロテクション)。バッテリースペースに取り付けたヒートシンクを触ってみたところ熱したフライパン状態で、とても触っていられません。TEMPはレッドゾーンを行ったり来たり。1分ほど送信し続けると強制的に中断し、少し待って再度送信可、そんな状態。145MHzでここまで陥ったことはなく、はやり電力消費量の高い430MHzは要注意といったところです(PDにて15V給電)。
受信時
帰宅後、この移動地での前回記録を確認したところ、3エレVUデュアル八木での交信だったようです。RH770で十分交信可能と思っていたのですが過信は禁物。アンテナにしてもリグにしても、里山で近場だからとか寒くなったので熱も大丈夫だろうとか、今回はいろいろ課題が見えて少し反省しました。
デジコミはCQを出したり応答したりで四方山、岩手県金ヶ崎町の駒ヶ岳、泉ヶ岳の3局に交信いただきました。駒ヶ岳は標高1129m山頂とのこと。距離130km。今回もデジコミ交信距離、更新となりました。
割山峠へ下山。昨年、道に迷った鉄塔付近をよく確認したところ、鉄塔の先の尾根沿いに細々とした道が続いていることに気づきました。標識も赤布もなく、分かりにくいようです。
最寄り駅まで電車で行ける亘理丘陵は早朝の天候をみて気軽に出かけられることから、冬場の山歩きはたいていこのエリアになります。標高300m前後の小さな山ばかりですが、北から南まで十数キロにわたって尾根道が続き、特に山元町側は枝尾根ルートも多くあります。この数年幾度となく歩いているものの、登りに使っても下ったことはないとかその逆もあり、飽きるということもないです。一つピークに到着して短時間無線運用、また次のピークへ。里山なので遠方との交信は期待できませんが、あまり飛びそうもない地味な山から運用するのも悪くないかな、と考えています。
鷹討山(たかぶつさん)にはいくつか枝尾根があって、そのすべてに細々とした登山道が拓かれ、なかには藪っぽかったり、枝道が行き止まりのものもあります。今回は南端の尾根を登ってみることにしました。的場地区の登山口から入山。雑木林の明るい尾根道でわずかに紅葉も残っていました。
登山口
小さな沢を渡り尾根に取り付く
ほどなく主尾根に合流(馬船峠分岐)。近くに地元の方が切り開いたと思われる「カオルの見晴らし台」という展望地があり、山下の集落と太平洋が見渡せました。登山口から1時間ほどで鷹討山山頂着。標高310m。眺望もほとんどない山頂。たんなる通過点という感じなので休憩する登山者もおらず、ときどきここで無線運用します。
馬船峠分岐
見晴らし台より
鷹討山山頂
さっそくアンテナを設置。本日もd-ROD100。念のため測定してみたところ、泉ヶ岳での測定結果とほぼ同じ。やはりケーブル接続の場合は3.3cmほど縮めることでベストマッチングとなるようです(アマチュア帯)。なお、黒いプラスティック部分(給電部)の上部に触れると激しくグラフが乱れマッチングが取れなくなります(下部は大丈夫)。要注意。
リグはIC-705+PDバッテリーで15V給電。2mSSBにてCQを出し、ぽつりぽつりという感じで宮城、福島の5局に応答いただきました。しばらくぶりのSSB交信。FMほどではありませんが、ワッチされている局はそこそこおられるようです。
続いてデジコミ。d-ROD100をリグ直付けにして全チャンネルワッチしてみましたが、なんの信号も入らず。呼び出しチャンネルで断続的にCQを出したところ、福島県二本松局に応答いただきました。標高900mの安達太良高原スキー場とのこと。51-52。距離59km。信号がときどき不安定になり、動き回って入感ポイント探りながらの交信でした。その後は続かずいったんCL。
鷹討山を後に北に進み、深山山頂を過ぎ、「国見台展望台」に向かいました。展望台といっても樹木で展望はなく、およそ無線には向きそうにない場所ですが、伝搬的には鷹討山よりも良好なケースがこれまで何度かあり、自分的な運用地の一つになっています。
深山山頂付近
国見台展望台
デジコミで再度CQを出したところ、岩手県平泉町の束稲山移動局より応答いただき、57-57。距離120kmを表示。さらに同じ山域のすぐ北にある四方山移動局と59-59。距離3.3km。福島県川俣町の口太山移動局と57-57。距離45km。運用場所というより単にタイミングが良かったのかもしれません。100km越えも叶い、少し手ごたえが感じられたかな、といったところです。今後、アマチュア無線の方は軽量アンテナをポール設置、デジコミはd-ROD100直付けで呼び出しチャンネルをワッチ、そんな運用かな、と考えています。
下山は山寺生活センター側へ。閑散とした長い車道歩きで常磐線山下駅まで戻りました。
鷹討山と深山を振り返る
冬場の里山散策、デジコミも加わって今シーズンも愉しみたいと思います。