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<強風と豪雪による被害発生>サウスサンドイッチ諸島DXペディション(VP8STI)、運用を切り上げ“撤収”も (2016/1/26 11:15:38)
現在、アメリカのIntrepid DX Groupが「地球上で一番遠隔な土地」と言われる、南大西洋のサウスサンドイッチ諸島から「VP8STI」のコールサインでDXペディションを行っているが、強風と豪雪による悪天候に見舞われ、運用を中止し撤収する可能性を現地から伝えてきている。
以下、ARRLニュースからの抄訳で紹介しよう。
今週の週末ブリザードで苦しめられたのは米国東部だけではなかった。現在サウスサンドイッチ諸島の南テューレ島にいるVP8 DXペディションチームは、冬の深刻な悪天候に襲われ、チームの滞在を短縮することになると伝えられている。
これは南大西洋特有の強い嵐による悪天候によるもの。「我々は今朝早くから強風と豪雪を伴う、まるでブリザードのような天候を経験していた」と、同DXペディション副代表のポール・ユーイング氏(N6PSE)が1月24日に伝えてきた。「アンテナのうち数本は強風によって破損した。降雪が激しくそれらの補修と利用は非常に難しい。発電機に燃料を補給することも、ますます難しくなっている」。
VP8STIのオペレーターは、逆境に直面しても運用を続けているが、一番問題なのは彼らと機材を収納している4つのテントであると、ユーイング氏は説明している。そのうち1つは、すでに強風による被害を被っている。「我々は安全のため、DXペディションを中止するか短縮する“非常事態計画”を検討している」。しかし、ペディションのメンバーが乗船してきたBraveheart号は、悪天候でその投錨位置を維持できなくなり、沖合に移動している。
VP8STIは3局体制で現在も運用が行われているが、ユーイング氏は「我々がこの活動を維持できる可能性はだんだん少なくなってきている」と述べている。「我々はこの運用を継続できることを望む、しかしチームとBraveheart号の乗組員の安全のため、この運用が急に終わる可能性があることを、皆さんに知らせておきたい」。
「VP8STIのチームは運用を続けるため、極限状況の中で最善を尽くしている。このDXペディションは、身体的にも精神的にも、メンバーを完全に試している」とユーイング氏は言う。VP8STIは今週運用を終え、ペディション後半の運用地であるサウスジョージア島(VP8SGI)へ移る予定であった。
なおVP8STIチームは、1月17日からサウスサンドイッチ諸島の南テューレ島からオンエアを開始し、予想通りの猛烈なパイルアップとなった。現在までに同DXペディションでは48,000局以上の交信を記録している。(ARRLニュース 1月24日 ※許可を得て抄訳転載/(C)ARRL )
<ARRLニュースによる、1月25日15:16UTCの最新情報>
VP8STI/VP8SGIのチーフパイロットであるゴンザレス氏(EA5RM)によると、現地の最悪状態の嵐は脱し、DXペディションチームは全員無事であるという。同氏は「彼らはアンテナを修理し、明朝まで4局体制で運用を続けるだろう」と述べた。
●関連リンク:
・South Sandwich DXpedition May Need to Go Off Air“Abruptly”Due to Weather(ARRL NEWS)
・VP8
South Sandwich & South Georgia Project 2016