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<「Inter BEE 2019(国際放送機器展)」リポート>HF帯リニアアンプから72時間連続稼働する発電機、デジ簡レンタルまで“気になる展示”を一挙紹介 (2019/11/18 12:05:30)
今回で55回を数える、放送事業者や通信事業者、メディア関係者向けの音と映像と通信のプロフェッショナル展「Inter BEE 2019(第55回 2019年国際放送機器展)」。2019年11月13日(水)から15日(金)までの3日間にわたり、千葉県千葉市の「幕張メッセ」で開催された。最新の放送機器が展示される業界の一大イベントだが、無線家の目線でhamlife.jpスタッフが会場を歩き回ったので紹介しよう。
※小さい画像はクリックすると拡大します。
来年はオリンピックイヤーということもあり、スポーツをテーマに国内外から過去最多の1,158社(うち海外37か国・地域から632社/団体)が出展。プロユースの最新機器が一堂に展示された。主催者によると3日間で登録来場者数は40,375名だった。
会場で、アマチュア無線家にお馴染みのメーカー、第一電波工業やJVCケンウッド、アツデン、電波新聞社のブースを発見! そのほか、無線家憧れの伸縮ポールをはじめ、72時間稼働するLPガス&ガソリン兼用の発電機、資格がいらずに利用できる簡易デジタル無線機が1台からレンタルしている業者まで、気になるモノが目白押し。
まず第一電波工業は放送局の連絡用無線などに使える、さまざまな業務用アンテナシステムを展示した。今年の目玉は広帯域をカバーするフォールテッドダイポールアンテナ(138~174MHzをカバーするFDV-11と405~512MHzをカバーするFDU-31)の参考出品だった。来場者が持参したNanoVNAで展示品を測定したところ、FDV-11はスペックを超える120~175MHzで非常にフラットなSWR特性を示していた。また来場したコミュニティ放送局の関係者から「送信所が被災したときなどに仮設で使うための、FM放送バンド用フォールテッドダイポールアンテナも開発して欲しい」という声が多数聞かれたという。
このほかUHF帯で1/2λ、5/8λ2段、3エレ八木として使える3種複合型空中線(TK-3413)や、1.2GHz帯ラジオマイク受信用のパッチアンテナ(TK-3411)なども参考出品されていた。またデジタル小電力コミュニティ無線用アンテナや安定化電源、SWRメーターなども展示されていた。
NHKの8K中継システム。サッカー、ラグビーや陸上競技など、フィールドでカメラ映像を中継するシステム。
会場にはアツデン株式会社も出展。業務用のマイクロホンやインカムなどが中心に展示していた中、ブースの一番奥にはアマチュア無線用のHF帯1kWリニアアンプの新製品「AZR-1000」も並んでいた。
国際放送機器展(InterBEE)でアマチュア無線機器が見られるのは極めて珍しい。ちなみに説明には「参考価格:450,000円(税抜)」という価格も書かれていた。ハムフェア2019の会場や同社WebサイトではAZR-1000の価格は発表されておらず、これが初めての公式な価格表記となるかもしれない。
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「SEIKO」ブランドでお馴染み。グループ会社のセイコーソリューションズ株式会社は、ネットワーク型のアナログ/デジタル時計「NTPクロック」を展示。社内LANをつなげることで、パソコンやサーバーを多様な出力で同期させ、正確で同じ時を刻むシステムである。
アマチュア無線の世界でも、昔から“時刻”には何かと敏感だ。しかも、最近話題のデジタル文字通信「FT8」などでは、正確な時刻合わせが重要となるだけに思わず目が止まってしまった。
伸縮ポールで有名なユアサ工機株式会社ブースには、さまざまな伸縮ポールが展示されていた。長さはもちろんだが、伸縮させる方法も電動の油圧式からフットポンプによる空圧式、手巻き式まで、用途に応じた仕様を用意。
アマチュア無線家にはひと目でわかる、タイヤ踏みつけスタンドまであった。
株式会社JVCケンウッドのブースには、先日発売されたばかりの高出力&大容量のポータブル(AC100V/DC12V/USB)電源が置かれ、屋外での利用を提案していた。
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株式会社電波新聞社ブースでは、増刷されたばかりの「令和版 BCLマニュアル」や「電子工作マガジン」を販売。
「連続72時間動く発電機!」とアピールしていたのは株式会社ジェーピージェネレーターズのブース。
ポータブル発電機では不可能だった長時間化と静音化を同時に実現したという。市販の発電機にガソリンタンクやオイル補給機能を増設するなど改造を加えたモデル。
用途に応じでホンダ製やヤマハ製などがあり、なかには燃料がガソリンとLPガスのハイブリッド仕様の発電機もあった。また、IOTで遠隔自動起動させるタイプもあり、リモートシャックの非常電源としても役立ちそうだ。
無線機のレンタルを行っていたのは株式会社テレコム。デジタル簡易無線機をはじめデュアルSIMのIP無線機を1日、1台からの貸し出しを行っている。
ライセンスフリー無線愛好家の皆さん、機種によっては1日数百円レベルからということなので、一斉オンエアデーなどの交信イベントなどで利用してみてはどうだろうか。
会場ではモトローラ製のIP無線機を用意して、プロモーターを行っていた。
Catch Me株式会社のブースでは、1200MHz帯を利用したデジタルワイヤレスシステムのサポート機器を紹介。国の方針で移行が求められている700MHz帯のワイヤレスマイク(特定ラジオマイク)の周波数に代わるものとして、1200MHz(1240~1260MHz)帯が新たに割り当てられる。
カメラを吊るすクレーンも目を引いた。そのアームはグラスファイバー製のものが多いが、炭素繊維製で耐久性と軽量化を叶えた新しいタイプも…。持ってみるととても軽く、移動運用のマストに使えそうだった。
●関連リンク:
・Inter BEE 2019
・第一電波工業株式会社
・株式会社JVCケンウッド
・アツデン株式会社
・株式会社ジェーピージェネレーターズ
・Catch Me株式会社
・株式会社テレコム
・セイコーソリューションズ株式会社
・加藤電気工業所