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鉱石接合検波を試す (2021/3/13 17:03:59)
検波とは変調の乗った信号から元の信号を取り出し復調することですが、既成のデバイスに頼らず天然あるいは準天然石のみでその作用が得られること自体、驚きがあります。鉱物にそんな力が内在していることに自然界の妙というものをいつも感じてしまいます。異なる鉱石同士を接合させることでより安定して検波することは、以前にも実験したことがあります。鉱石検波の面白いところはいろいろな石を組み合わせて試せるところで、それによって検波が安定したり、音量や音質が変わったりします。
先日製作した鉱石ラジオを使ってあらためて試してみました。はじめカートリッジ方式の鉱石の上に別の鉱石を載せてみましたが安定感がなく、途中からアクリルパイプを使うことにしました。
<2種類の接合検波>
ゲルマニウム単結晶と班銅鉱
ゲルマニウム単結晶と紅亜鉛鉱
ゲルマニウム単結晶と方鉛鉱
紅亜鉛鉱と班銅鉱
ゲルマニウム単結晶と組み合わせた接合検波は初めてです。どの組み合わせも音量が大きくなるわけではないものの落ち着いた音質に変化する感じがありました。特に班銅鉱との接合では検波ポイントが探しやすく、一度探り当てると安定した状態が続くようです。方鉛鉱との組み合わせは検波しにくくいま一つでした。紅亜鉛鉱と班銅鉱の組み合わせは定評どおり良く聞こえます。
続いて3種類の鉱石の接合検波を試してみました。
紅亜鉛鉱と班銅鉱と方鉛鉱
ゲルマニウム単結晶と紅亜鉛鉱と班銅鉱
アクリルパイプに3種類の鉱石を入れ、上から少し強めに針を当てると、意外にも探るまでもなく音声が聞こえてきました。ただし、聞こえることは聞こえますが2種接合に比べ音量は小さめです。3種接合してもかえって損失が大きくなって効果が得られないのかもしれません。
3種接合
紅亜鉛鉱は班銅鉱と接合することで音量、音質ともさらに良くなることが今回も実感できました。特に音質はすばらしいです。ゲルマニウム単結晶についてはあえて接合検波にするメリットはあまり感じませんでした。今回の組み合わせだけで言えば単体で十分かな、といったところです。
前作と今回の鉱石ラジオ
全盛期、先人たちもさまざまな鉱石を組み合わせて試しただろうと想像されますが、接合検波自体は効率やコストなどから十分その優位性が検証されることなく消えていったようです。今更ながらではありますが、まだ未解明な部分があり、鉱石同士の相性によっては思いもよらぬ検波に出会う、なんてこともなくはないのでは?と思ったりもします。
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