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<3年ぶりに報道各社との“新年記者懇談会”を開催>髙尾JARL会長(JG1KTC)「2023年の抱負」を語る (2023/1/30 14:30:02)
一般社団法人 日本アマチュア無線連盟(JARL)は2022年1月20日、報道各社(新聞、放送、出版、Webメディアなど計8社)との「新年記者懇談会」を3年ぶりに東京・大塚で開催した。同懇談会において発表された髙尾義則会長(JG1KTC)による「2023年の抱負」を掲載する。
2023年の抱負を語った髙尾義則JARL会長(JARL提供写真)
JARLは2018年1月に報道各社との意見交換の場となる「記者懇談会」を17年ぶりに復活させたが、2021年と2022年はコロナ禍のため開催が見送られた。今年は3年ぶりとなる懇談会が1月20日に東京・大塚で開催され、新聞、放送、出版、Webメディアの計8社から10名の担当者が出席。髙尾JARL会長と意見交換を行った。
席上、JARLから発表された「2023年の抱負」を原文のまま掲載する。
◆2022年のアマチュア無線界・JARLの総括並びに2023年の抱負
昨年6月に引き続き4期目の会長職を拝命いたしました。2016年の就任以来、会員皆様ファーストを念頭に会員サービスの向上、次世代の育成、会員数の増加に向けての取り組みを行い会員皆様主役の組織運営に努めて参りました。
引き続き責任ある運営はもとより会員皆様の満足向上に積極的に取り組んで参ります。
さて、アマチュア無線局数は残念ながら減少が続いておりますがJARLの会員数は2021年から2年連続で増加という喜ばしい結果となりました。
これまで会員の増強と組織基盤の強化を図るべく、会員拡充の取組みとして各種の会員サービスならびにキャンペーンを継続して行うとともに、アマチュア無線界にとって重要な青少年層の育成について積極的に取り組んで参りました。
新たにアマチュア無線の免許を取得した22歳以下の方を対象とした「ニューカマーキャンペーン」の実施継続、2022年はコロナの感染拡大防止のため開催は控えましたが青少年に特化した「WAKAMONOアマチュア無線イベント」、これに代わって11月にはアマチュア無線技士の免許は取得したものの交信経験や交信の仕方がわからない次世代を担う方々にアマチュア無線の楽しさを知っていただく機会として「ニューカマーセミナー」を開講したいへん好評でした。
2023年度は入会者や現会員、青少年に向けたこれらのキャンペーンを企画継続し、さらに関係団体・企業などとの連携をさらに深め、会員の満足度を高めながら、組織の活性化と会員拡充のための施策を行い、27年ぶりに転じた会員数の増加傾向をより確かなものとし強固な基盤を築いて参りたいと考えております。
総務省は昨年1月から、ワイヤレス人材やデジタル人材の育成、無線技術の実験・研究開発の促進といった観点から、アマチュア無線を活用しやすい制度・環境の実現に向けて有識者からの助言・提言を得ることを目的に「ワイヤレス人材育成のためのアマチュア無線アドバイザリーボード」を開催いただきました。
小職も構成員として参画し、アマチュア無線に触れる機会の促進、開設・運用までの手続きの迅速化などワイヤレス人材育成のための意見はもとより今後のアマチュア無線の振興・発展、会員皆様が快適にアマチュア無線を愛好いただけるような意見や要望を行い幅広い議論が進められ、昨年8月には議論を踏まえ「ワイヤレス人材育成のためのアマチュア無線の活用に関する提言」が総務省より公表され、この提言に基づいた制度の見直し検討などが進められ、11月にアマチュア無線の体験や活用機会の拡大及び免許手続きの迅速化・制度の簡素合理化等を含めた大幅な制度改正案が公表され意見募集が行われました。
JARLとしましても、このアマチュア無線界にとってとてもインパクトのある制度改正によるアマチュア無線の体験機会のより一層の拡大、アマチュア無線の教育・研究活動での活用などを広く周知し、アマチュア無線の一層の地位向上を図るとともに、次世代を担うアマチュア無線家の育成のためにアマチュア無線の普及・啓蒙活動を推進して参ります。
◆アマチュア無線フェスティバル「ハムフェア」はじめ2023年度開催予定の行事等について
昨年の8月には、これまでコロナ禍により開催できなかったアマチュア無線フェスティバル「ハムフェア」を、多くの関係の皆々様ご協力をいただき3年ぶりに『CQCQアマチュア無線!世代を超えてコミュニケーション』のキャッチフレーズに、万全な新型コロナの感染拡大防止対策を施し8月20日21日に、多くの皆様にご来場いただき開催することができました。
開催初日のオープニングセレモニーには、7K1KJK泉田裕彦衆議院議員、E25KAB Bun Vichitcheep
第18回IARU第3地域総会議長を来賓としてお迎えしました。
テープカットの後に、ハムフェア特別記念局8J1HAMは小職の第一声によって始まりハムフェア2022の幕が切って落とされました。FMぱるるん様の協力によりRadioJARL.comの公開放送や公開収録も行われました。会場には開催期間中35,000名の来場者、皆様の後援、協賛をいただき充実した2日間となりました。
2023年のアマチュア無線フェスティバル
ハムフェア2023は『さあ行こう!アマチュア無線の新時代』をキャッチフレーズに、8月19日20日に東京ビッグサイト南3・4ホールにて、アマチュア無線の健全な発展と技術の向上を図ると共に関係する展示や催事を行い一般の方々にアマチュア無線を広く紹介するとともに、アマチュア無線家の情報交換と友好を深めることを目的に開催いたします。
会期中はアマチュア無線を様々な角度から取り上げ、時代や世代を経ても変わらない
アマチュア無線、近年新たに誕生した無線のスタイルなどを楽しみながら正しい運用についての理解が得られるように各種催事を行いますので皆様のご協力・ご支援をよろしくお願いいたします。
コロナ禍により、2019年の開催以降は開催を控えておりますアイボールミーティングですが、アマチュア無線並びに当連盟に関係のある方々が一堂に会し、親睦を深め、情報交換を行う場を持つことは大変重要であり、今年は、ハムフェアのアイボールパーティと併せまして開催させていただく予定でございます。
◆2023年のJARL会員増強と組織基盤の強化を図るためのキャンペーン・青少年育成など広報活動について
地方本部・支部が取り組んできた会員増強企画の実施や、入会者や現会員に向けた各種キャンペーンの継続、さらにアマチュア無線やJARLの活動についての積極的な広報活動などにより、各種催事がコロナ禍により中止や延期となったにもかかわらず、2年連続で会員数が増加となりました。この増加傾向を強固なものとするために、今年も一層の会員拡充に取り組みます。
アマチュア無線の楽しさや魅力、JARLの役割・活動を、会員や一般の方々へより広くアピールして参ります。制度改正によるアマチュア無線の体験機会のより一層の拡大、アマチュア無線の教育・研究活動での活用などを広く周知し、アマチュア無線の一層の地位向上を図るとともに、次世代を担うアマチュア無線家の育成のためにアマチュア無線の普及・啓蒙活動を引き続き推進して参ります。
ハムフェアや各地方本部で開催される地方広域ハムフェア、各支部で開催される支部大会・ハムの集いなどの催事をとおして、アマチュア無線の楽しさや魅力、JARLの役割・活動、さらには体験機会のより一層の拡大やアマチュア無線の教育・研究活動での活用などのあらたな制度について周知・広報を行って参ります。
ハムフェア2023においては、将来を担う若年層、22歳未満の青少年向けにアマチュア無線への強い関心を引き出すこと、基礎的な楽しみ方の紹介など、特別催事なども準備して行きたいと考えております。
各地方本部・支部が主体となって、各地域での活動の活性化と会員増強を目的として実施する会員増強企画を推進し、全国各地で行われる増強企画とキャンペーンとの連動により、より多くの方々にアマチュア無線の楽しさを広め、JARLへの入会や会員継続を呼びかけます。
また、青少年やニューカマー、カムバックハムに向けた入会キャンペーンを継続し、幅広い年齢層への入会勧誘を進めるとともに、現会員を対象とした各種キャンペーンや会員特典によって、会員として末永く活躍していただけるよう取り組みます。さらに、JARL会費受付業務代行店(JARLフレンドリーショップ)と無線機器関連メーカーとの連携により実現し、たいへん好評を博している「会員ありがとうキャンペーン」を引き続き実施し、会員に向けたサービスをより充実させるとともに、アマチュア無線界全体を活性化に努めて参ります。
JARLの事業活動やアマチュア無線の魅力・話題や制度改正などについて、機関誌であるJARL NEWSをはじめ、JARL
Webやメールマガジン、YouTubeの動画配信などによるPR活動を推進します。さらに、ラジオ情報番組「Radio
JARL.com」をとおしてJARLの話題やアマチュア無線の最新情報を一般の方々にもわかりやすく紹介してまいります。また、業界紙・専門雑誌等の紙媒体への情報提供を積極的に推し進めて参ります。インターネット・電波・紙媒体を通じての多角的なPR活動を行ってまいります。加えて、近年のアマチュア無線への注目の高まりを受け、マスメディアに対してもアマチュア無線やJARLに関するトピックを発信するなど、一般の方々やかつてアマチュア無線を楽しんでいた方々に向けての広報活動を行います。
併せて、ニューカマー向けの冊子「スタートハムライフ」「アマチュア無線を始めたら読む本」などを活用し、JARLの会員特典やキャンペーンなどのリーフレットとともに、イベントや各地の催事、関連行事において積極的に配布を行います。
2023年は制度改正により大きく変わるアマチュア無線制度、広く周知、積極的な広報活動に取り組んで参ります。
◆JARLの中・長期的な事業活動について
当連盟は、1926年の創立からまもなく100周年を迎える長い歴史と伝統を有しています。日本におけるアマチュア無線の健全な発展、併せて内外の無線科学、文化の向上と発展に寄与することを目的に、国内のアマチュア無線家の方々により組織されている一般社団法人です。その歴史の中で、アマチュア無線の健全な発展と、電波利用による科学技術の振興、非常災害時の社会貢献、会員相互の親睦などを掲げて活動して参りました。
約100年のアマチュア無線連盟の歴史の中で様々な変化がありましたが、昨今ではICTの発展の一方で少子高齢化が進む中、日本においては若い世代の理系離れが進みその影響でアマチュア無線人口が減少し、アマチュア無線界の次世代を担う若い世代の減少をもたらしております。
このような社会状況の中、総務省がワイヤレス人材育成のためのアマチュア無線の活用に関する提言が行われました。この制度を最大限に活用して、特に女性や青少年により一層のアマチュア無線の周知・普及に努めアマチュア無線の楽しさを体験していただき、ワイヤレスIoT人材育成の一役を担うことができる機会を提供して参ります。各種キャンペーンの継続など青少年に対する施策や推し進め次世代への継承の基礎を構築するとともに会員の皆様が快適にアマチュア無線をお楽しみいただけるよう会員皆様の満足度の向上と組織基盤強化を目指し運営に努めて参ります。
また、JARLは日本のアマチュア無線界を代表する団体として、国際アマチュア無線連合(IARU)に加盟して世界のアマチュア無線団体と連携しております。IARUの第3地域(アジア・オセアニアの国や地域)に所属し、第3地域のリーダー的役割を担って、各国に対してアマチュア無線の普及を図るための支援・協力を行っております。近年、アマチュア無線局数の減少が大きくなっておりますが、その中でアマチュア無線を愛好される会員の皆様が、末永くご活躍いただけるように連盟としてサポートを行っていきたいと考えます。
最後に、連盟創立100周年を見据えて、組織の存続並びに活性化、今後ますます積極的な取り組みを行い、スピード感をもって対応したいと考えております。
引き続き組織一丸となり、引き続いて会員皆様ファースト、会員皆様の満足度の向上に向けた連盟運営にさらに尽力いたします。
●関連リンク: JARL Web