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Pocke Decokeyer Ⅱの検討 (2023/6/17 19:43:15)
K3NGキーヤーにOZ1JHM OMのデコーダーを組み合わせた、 Pocke DecoKeyer は思った以上に人気があり、頒布は出せば即売り切れの状態でしたが、昨年後半以降、マイコンの調達先である秋月さんで、使用している マイコンが入荷せず 、準備できない状態が続いていました。
Aliでは販売されてはいるのですが、足元を見ているのかかなり高い値段になっている上に、送料までかかります。調達も考えましたが、高価なのに偽物だと大きな損害になるのでできないままに。
一方で、もう頒布はないのか?と問い合せがちらほら来るようになっていました。
このままだとずっとできない状態なので、若干高いけれど信頼できるところからのマイコン調達をして、価格はできるだけ上げないで頒布継続できないか、検討してみました。
マイコンを変えることは一からの開発となるので、そこまでの気力もないし、基本機能はそのままに、仕様を見直してみることにしました。
初代DecoKeyerは、キー出力を2出力としたことで、2台のリグが同時接続となり、またマイクをつけたとは言えCW解読(デコード)のためのオーディオ信号の接続もあることから、キー出力にはフォトカプラを、オーディオ信号にはトランスを入れて、アーズを分離していました。
コストを下げるためには部品を減らすことが一番近道であり、まず、キー出力は1系統として、アース分離をやめることにしました。
これにより、基板も小さくすることができます。
また、使用している表示器(LCD:秋月調達)も40%程値上がりしています。
基板が小さくなるということは表示器も小さくしないと、小型化にはつながりません。
たまたまですが、今年初めに128x32ドットの小型OLEDを使用してフリスクサイズで表示付きのK3NGキーヤーを試作していたので、このOLED(消費電流が若干大きいのがネックなのですが)を使用することにしました。
この表示付きは試作品を作った時、デコード機能はないのか?という質問もちらほらありました。
こうした流れから、OLED表示付きK3NGキーヤー基板をベースにデコーダー機能の追加を検討してみました。
結論:フリスクフットプリントサイズ、
充電式Lipo電池内蔵のデコーダーキーヤーが実現
【機能・仕様比較】
初代 今回
① キーヤー K3NG 〇 〇
② CW解読 OZ1JHM 〇 〇
③ アース分離 〇 ×
④ キー出力 2 1
⑤ 表示 LCD OLED
⑥ 内蔵マイク 〇 〇
⑦ 内蔵電池 単4 2本 250mAhLipo
⑧ サイズ 名刺 フリスク面積
上が従来機 下が今回機
歴代キーヤー(フリスクフットプリントサイズ)
一番上: 表示付き単4電池版 2番目:今回のデコーダーキーヤー
3番目:ロングランのKeyerⅡ 4番目:Keyer mini
厚み比較(表示付き単4版、今回デコーダーキーヤー、KeyerⅡ)
生基板と部品実装後
基板をドッキングした様子
基板をそれぞれケーシングした様子
【試作結果】
アース分離がなく、キー出力が1系統のみという点を除いては、機能的には初代と同じものを作ることができました。
大きさ的にはロングランの Pocke Keyer Ⅱと同じフットプリントサイズで、表示とデコーダー機能、充電機能付きLipo電池搭載と 多機能で小型化ができました。
小型化ゆえに、電池のサイズが250mAhで電池寿命が心配でしたが、一応 連続使用で約10時間 といったところでした。充電機能付きですので何とか実用には耐える時間かと思います。
充電時間は、安全のために充電電流を1C以下としたので、空から満充電まで約4時間半かかりました。
副産物として、絶縁トランスがなくなった分マイクからのゲインが上がり、 マイク入力でのデコードが比較的小さい音でも出来るようになりました 。
ケーシングも、基板が上下ドッキングのため構造的に悩みましたが、ケースそのものも二段構造にすることでうまくドッキングできる構造となりました。
トップカバーなどはこれからの手配になりますが、何とか使えるものに仕上がったと思ってます。
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