無線ブログ集
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FT-900 周波数アンロック (2023/8/7 14:04:40)
FT-900 24Mhz以上で周波数アンロックとのことでお預かりしました。
リセットをかけます。
UP、DOWNキーを同時に押しながら電源ONです。
リセット後も回復せず、アンロック症状のままです。
表示が点滅(フリッカー)します。
PLL回路を点検します。
ケースはハンダで封がされています。
吸取ります。
ケースの蓋が持ち上がってこないのでおかしいと思ったところ、ボンドがベッタリ付いていました。
蓋に付いたボンドをカッターで剥がします。
PLLの制御は4分割されており、24Mhz以上はTC1005と記載された区画になります。
トリマコンデンサーがボンドで回せないためカッターで剥がします。
必要なところだけですが、ボンドを剥がしました。
トリマコンデンサーを回してもVCO電圧の変化がありません。
トリマコンデンサーを外すため、基板を取り外し。
裏返し。
トリマコンデンサーを点検するも、容量の変化が認められました。
トリマコンデンサーの異状ではないようです。
パターン、ハンダ不良を点検。
追いハンダをしました。
FETとデジタルトランジスタを交換します。
FET 2SK210 交換。
デジタルトランジスタ交換。
アンロックは解消せず、どうやらVCOの異状ではないようです。
テストポイントからの測定。
PLLの発振状態。
アンロック発振停止の状態。
ロック制御の信号が来ていない状態です。
ロジックICを交換します。
74LS145 取り外し。
交換用のロジックIC。
ロジックICを交換しました。
無線機が冷えているときにはロックすることがありますが、時間が経つとアンロックが再発します。
PLL ローカルバンドパスフィルター以前の回路に問題があるものと思われますが、このころの無線機はマイコンにより制御されており、複雑な構成です。
周波数4分割の切替え信号の出力問題かも知れません。
オシロスコープで追いかけている様子です。
オシロスコープで追いかけている様子です。
動作しているところを調整してゆきます。
2nd Lo 70Mhzの発振。
送信周波数。
7,10Mhz
出力 希望により50Wから100Wに変更しました。
スプリアスの状態。
受信感度。
7,10Mhz SSB ー124,0dBm
アンロックの原因は多岐にわたり、ハンダ不良の手直しで治ることもあれば、CPUや水晶発振子の異状ということもあります。
高い信号を低い信号にわざわざ変換するカラクリもあって、制御が複雑なところ全てを理解するのは設計した方でないとわかないのが実情です。サービスマニュアルにもチャートの記載はありません。
他の機種につて本機と同様の制御方法をとっている症例も調べるなど、時間もかかりましたが、残念ながら追い切れませんでした。
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