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QRPな自作の日記
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QRPな自作の日記
(2023/12/28 18:35:38)
アンテナアナライザー リメイク その後!
(2023/12/28 12:43:22)
【注】セキュリティの関係か、Microsoft Edge、Google Chromeでは、サムネイル画面(小さい写真)の拡大表示ができないようです。
アドレスバーに表示されているURLのhttps://~をhttp://~にする ことで表示される場合もあります。
リメイク版のご報告を行ったのが10/17だったのですが、もう今年も終わる時期になってしまいました。
途中何もやっていなかったわけではなく、カラー液晶を載せるようにした基板を発注、その基板をベースに性能確認と少しずつ検討は継続していました。
まずは、カラー液晶の搭載した基板です。
10月末に到着
通常なら、この基板を組み立てて動作/性能確認をするのですが、プログラムは既に満杯で基本機能さえも詰め込むことができなさそうな状態になっており、もっとプログラムメモリの大きいマイコンで使えるものがないかと検討を始めました。
これまで愛用してきたATMEL ATMega328シリーズでメモリ容量拡大版があればよいのですが、ありません。
最近は、ESP32やRP2040など32bit版が数多く出始めておりメモリ容量もとても大きくなっています。
これらはArduinoIDEでの開発にも対応しており、価格もそこそこ使えそうなレベルです。
問題は、機能的に「帯に短したすきに長し」で、内蔵EEPROMがないとか、これまで使ってきたライブラリが使えないとか、マイコン自体のハードウェア構造に絡むところを別の方法で検討しなければならなくなり、当局の実力で使いこなせるかどうか、不安もありました。
しかし、悩んでいてもしょうがないので、新しく到着した基板はそのまま組むのではなく、マイコンを入れ替えて検討を始めました。
使用するマイコンは、Rasberry Pi Picoに使用されているRP2040を搭載した RP2040-zeroというモジュールにしました。ほぼ切手サイズの基板にI/FとしてUSB-Cコネクタが搭載されています。プログラムの書き込みにライターは必要ありません。デバッグ用にシリアル通信もできます。
問題は、内蔵EEPROM搭載されていないこと、実際に動かしてみてこれまで使っていたタイマー割り込みライブラリーが使えないことが、一番大きなものでした。
このチップは比較的新しいため、また特にArduinoIDEでの使用事例が少なく難儀しましたが、結果として、サイト検索で代わりになるものを探し、一つずつ動かしてて試してみながら、使えそうなレベルのものが決まりました。
検討基板として、10月末に到着した基板に変換基板を手配線で製作し、ATMega328の代わりに動かせる状態として基板の動作性能確認、プログラムの開発を始めました。
ATMega328の端子に接続できる変換基板搭載
プログラムの移植をやり続けて、やっとのことで10月のリメイク報告時点と同じレベルまで仕上げることができました。
ここまで仕上げての驚きは、プログラムメモリの使用量です。ATMega328の時、99%以上だったのが、何と4%しか使用していません。
そうなると、他にもいろいろな機能の追加をしたくなります。
当局的には、これまでのアナライザーで色々なアンテナの製作をやってきましたが、欲しい機能もいくつかあり、これらを搭載できないかと検討を始めました。
まずは、カーソル機能です。
測定したVSWRグラフにおいて、例えばVSWR2.0以下の周波数範囲がどうなっているのか?ということなど測定値の確認ができるようになります。
右側のロータリーエンコーダを回すことによって青色のカーソルが左右に移動し、カーソル位置での周波数とVSWR値が表示されます。
次は、画面メモリー機能です。
実際に屋外で測定調整を繰り返している時には、パラメーターを変えていくつもの測定を行いますが、後で使いたいデータは写真を撮るしか方法がありませんでした。
そこで欲しいのが画面メモリー機能です。
苦労したのは、一画面あたりのメモリー量です。一画面100点以上のデータとなるので、単純記録にすると一画面800byteほどになり、ソフトウェアで実現しているEEPROM機能が2Kbyteしかないので2枚しか記録できません。
結果として、データの圧縮と表示の間引きを組み合わせてなんとか画面10枚分の記録が可能となりました。
SAVE画面で、右側のロータリーエンコーダーを回して記録する画面番号選択し記録させます。
CALL画面で、同様に右側ノロータリーエンコーダーを回して呼び出す画面番号を選択し、表示させます。
3番目が、画面データのパソコンへの転送です。
マイコンモジュールにUSB-C端子がついて、シリアル通信も可能なので、周波数データとVSWRデータを送信するのは比較的簡単にできると思ったのですが、問題は、パソコン側のソフトです。
これまでパソコン側のソフトはローテーター用の衛星位置情報データの転送プログラムしか作ったことがなく、パソコン側でどのようにグラフ化するかなど悩みは尽きませんでした。
どの言語が一番つくり易いのかなどサイト検索し、最近話題のPythonを使ってみることにしました。
勿論これまで一度も使ったことがありません。
ただ色々なライブラリーがありそれを組み合わせれば!とやってみました。
まずシリアル通信データの読み込みです。数行でできました。
次に、グラフ表示です。これもグラフ化ライブラリーを使って10行ほどでできました。
と言っても、検索サイトの事例ではやりたいことがそのままできるわけではなく、そのためにはライブラリーのコマンドなど使い方を知る必要があるのですが、意外とそうしたサイトはあまり見つかりません。
事例から、あ~でもないこ~でもないと試しながら試行錯誤しなんとか、目的の表示ができるようになりました。
これでめでたしめでたしかというと、残念ながらそうではなく、このアプリはこれを作ったパソコンでしか動作しません。おなじPython環境をインストールしたパソコンでしか動かないのです。
どのパソコンでも動くようにできる配布形式のアプリに変換が必要なのですが、これも意外と情報が少ないのです。
あっても、それをやってもエラーが出ます。別のをやっても別のエラーが出ます。エラーの対策なども記載されていたりするのですが、それでも別のエラーが出ます。
何をやってもうまく行かないので、本を入手することにしました。
専門書も売っている近所の本屋に行き、棚にあったPython関連の本を端から端まで30冊ほど目を通し、配布形式について記載された本は4冊ほどしかなく、それはいずれも訳本、そこに記載されている内容を見ても、どうもはPythonは配布形式で配布するのは向いていないようにも思えました(そうした記載があるのも)。
記載ページは、1,2ページか数ページ程度。その中で一番高かったのですが記載ページの一番多い本を買ってきました。訳本です。
購入した本です。
結論から言うとまだ配布形式に変換できていません。
この本に記載されている内容を実行してもエラーが出ます。そのエラーを検索して対策してもエラーがなくなりません。暗礁に乗り上げた状態のままです。
難しいアプリではなく、データを受信してグラフ化するだけなのですが、アプリ本体ではなくPythonの使い方の問題です。知らない使ったことがないものにチャレンジして深みにはまっているという状態です。
時間が解決してくれればいいのですが。
RP2040を搭載する基板は、10月入手のものを改訂して、先日入手できました。まだ組立は行っていません。もしかしたら、マイコン変更の修正で間違いがあるかもしれません。
ソフトの方も、やりたい基本機能が動き始めただけなので実動作品としてはまだまだ詰めが必要です。
表 左:新基板 右:旧基板 裏
以上、今年年初に何とか今年完成させたいと思っていた一つであるアンテナアナライザーのリメイクですが、残念ながら完成までは到達できませんでした。
来年の早い時期に完成させたいと思ってます。
IC-705 軽量ジャケット
(2023/12/18 13:12:05)
先日、IC-705用の外部キーパッド、それに組み合わせるエレキーパドルを試作しましたが、その後じっと眺めていたら、本体全体を覆うケースができないかな?!と思い始めました。
サイトでは、金属で作成された格好いいケースが販売されているのが散見されていました。
あらためて検索すると、いくつかあって、一番目にするのはWINDCAMPのものです。おそらく、アルミの削りもので作られており非常にしっかりしています。しかし、値段は結構高いです。
出所は同じではないと記載されていますが、それらを研究して作られた某〇Qオームさんからも販売されるようです。しかし、値段はさらに高くなっています。重量も、530gとなっています。
非常に参考になり、ヘビーデューティとしては良いものの、当局的には、せっかくコンパクトで軽量である本体がもったいなく思えてきました。
もっとスリムで、軽量な物が作れないかと検討してみました。もちろん、3Dプリンタを使用してです。
残念ながら、当局保有の3Dプリンタでは、IC-705本体を覆うような大きさのものは製作できません。
分割しての組み合わせになります。
一方で、日本サイトではほとんど見かけませんが、3Dプリンタのサンプルサイトにはきっとあるだろうと思って探してみました。
やはりあります。ケースやスタンドなど多くが投稿されています。
https://www.yeggi.com/q/icom+ic+705/
残念ながら、一体で出力されているものが殆どで、そのまま使えるものは見つけられなかったのと、今一つスリムでないものばかりなので、これらを参考に、自分で作ってみることにしました。
ICOMのサイトには、カスタムパーツの製作が可能なように、IC-705本体の3Dデータが公開されていますが、それをどう活用できるのかよくわかっていないため、現物をノギスで計測しながら試行錯誤で作ってみました。
それでとりあえず出来あがったのが上記の写真のものです。
試作に当たり、考えたコンセプトは以下の通りです。
1) 3Dプリンタで製作
2) 本体ごと落下させて壊れないものではなく、本体の傷防止などが目的
3) 本体にできるだけフィットしたスリムな物
4) できるだけ軽量
5) 接続端子、電池交換には影響しない
6) 本体のネジ穴は使用しない
7) できるだけ格好良いもの
試行錯誤はありましたが、何とか使えそうなものが出来上がりました。
試行錯誤の残骸
出来上がったもの
1) 重量:約113g
2) パーツ数:10(ネジ除く)
3) プリント時間:約14時間
プリント時間が14時間と全部品を作るとなると時間がかかりますが、まずは満足いくものができたと喜んでいます。
先日作ったスタンドともうまくマッチしています。
外部キーパッドとのI/Fはもう一度やり直しになりますが。
横から見た様子
上からと下から(下側はスタンド取付あり)
本体込重量(約1.293Kg)
ケースのみ重量(約113g)
ケースのみ外観
左右ハンドルを取り外した時
IC-705 スタンド&外部キーパッド
(2023/12/10 18:13:02)
いつもお世話になっているOMさんに、IC-705の周辺であったら便利なものって何ですか?と、お聞きしたら、本体のスタンドは欲しいね!と言われました。
確かに、本体だけだと机上に置いたらベタっとなってしまって使いにくいです。
ICOMさんから、純正のスタンドも販売されているようなので、必要な物なのかもしれません。
そうなると、作ってみたくなり、固定方法など調べてみると、底に雲台用のインチネジ穴と、4mmのネジ穴が4つ空いています。
更に、サイト検索するとこの雲台用のネジを使った、カメラ用のZ型雲台をスタンドの代わりに使用されている方も多いようです。
しかし、どちらも結構いい値段するので、いつものように3Dプリンタで作ってみました。
本体後方の底面が斜めになっており、これが水平になるようにスタンドの高さを決めました。
結構いい感じで、座ってくれてます。
また、持ち運びなどではスタンドが立っていると邪魔なので、折りたためるようにしました。
折りたたんでも出っ張ってはいるのですが、立てたままよりだいぶましです。
これで、一次試作は終わりなのですが、スタンドをつけてみていると、底面の隙間に外部キーパッドが付けられるのではないかと思い始めました。
外部キーパッドは、CWのメッセージメモリーやボイスメモリーを8ch分メモリーして呼び出すことができる機能を一発で呼び出せるようにした外部スイッチです。
本体でも呼び出せるのですが、メニューを開いて呼び出さないといけないので、実運用上は手間がかかります。
取扱説明書には、回路図が載っており(スイッチと抵抗だけですが)、自分で用意するように記載されています。
確かに、タカチのケースなどで自作され使われておられる方も時々見かけます。
ただ別体型になるので、場所も取りますし、接続のリード線も邪魔になります。
そこでスタンドに固定できるようにすれば本体の底面になるので邪魔になりませんし、接続のリード線も全面には出てきません。
出来上がったのが、下の写真です。
パドルや電鍵用のミニジャックも搭載し、前面から接続できるようにしました。
これで8ch分のCWやボイスメッセージが一発でダイレクトに呼び出せます。
またまた眺めていると、このミニジャックにパドルがドッキング出来ないかと検討してみました。
それでできたパドルが下の写真です。ほとんどの構造は、これまでに作ったPocke Paddle Keyer miniを流用しました。
実際にドッキングした様子が、下の写真です。
これではパドル部の高さが低すぎてとても使いにくいことがわかり、スタンドの高さを検討してパドル位置を高くしてみました。
丁度いい感じの高さになりました。本体のスラントもいい感じです。
この外部キーパッドは、簡単に取り外せるようにしました。これ用のスタンドも折りたたみ式です。
思いついて試作してみましたが、案外いい感じのものができたと喜んでいます。
QPM-01の無電源化
(2023/12/4 16:02:46)
Xで呟きましたが、JL1VNQ ぶんきゅうさんが頒布されている、QRP用デジタル通過型電力・VSWR計の無電源化ができないかやってみました。
この電力・VSWR計は小型で消費電流も少なくコイン電池(CR2032)で動作するようになっています。
一方、今年のハムフェアで、同じAKCメンバーであるJM1VQBさんが、BlinkySWR(電源不要SWR/パワーメータ)キットを頒布され無電源であることに興味を持ち、QPM-01に適用すればうまくいくのかとずっと思っていました。
やっと試してみて、それなりに動作しましたので備忘録として纏めました(内容は希薄ですが)。
条件としては、本体の回路やソフトを変えずにやれる方法を検討しました。
<回路図>
<実装写真>
10W時
0.4W時
5W時
<結果>
小出力から、QMP-01の測定範囲である10Wまで、電池動作時と同じ明るさで測定表示できることが確認できました。
当然のことですが、送信機からの出力がなくなれば同時に表示は消えます。
なんとなく不自由な感じがしますが、元々、出力がなくなれば表示はあるものの、出力やVSWRの表示はされていません。またアナログメーターでの装置でも出力がなくなれば、メーターの振れはなくなりますので、動作としてはこれでよいのではないかと思いました。
出力が大きいと、整流電圧が大きくなりすぎるので、ツエナーダイオードで電圧制限しています。
回路図上30Vのものが入っていますが、20V~30Vで問題ないかと思います(未確認ですが)
挿入損失は、この整流回路があるものとないものでは、約8%の電力ロスが発生していました。
移動運用などで、VSWR確認用として使用して、運用時は外してしまえばよいかと思います。
<注意>
手軽に実装できるのでやって見られたら良いかと思いますが、あくまでも自己責任でお願いいたします。
実装・使用によって発生した、故障等一切の障害も責任持てません。
QMP-01の頒布者であるJL1VNQさんへの質問などはなされないようにお願いします。
QRPクラブ全国集会(ミニ)
(2023/11/19 18:53:21)
11月18日、19日に、
4年ぶりのQRPクラブ全国集会
(残念ながら参加者が少なかった)が開催されました。
当局的には、コロナ前の、伊豆多賀、淡路島、に続く参加となりました。
今回は、前々回と同じ伊豆多賀 いざわ荘。
ここは部屋の前にアンテナ設置に最適なベランダがあります。
勿論、オーナーからアンテナ設置を快諾いただいております。(アンテナ立て放題)
ロケーション的には、相模湾が一望でき関東方面、北米、南米方面は開けています。
残念ながら、西方向は山手となり期待はできません。
19日(日)には、近隣の
滝知山(664m)での運用
も計画されており、現在検討中の
アンテナアナライザー
、
新VDP
、
VDPの移動運用用のポール設置スタンド
などの
テスト評価
も兼ねて、機材を持ち込みました。
滝知山からの富士山(目の前に見える)
新アンテナアナライザー
新VDP(今回は、7/10/18/21/28のコイルを持参)
VDP用ポールスタンド
持参のリグは、検討中のFT8トランシーバーが間に合わず、FT-817にPocke IF817を接続したものとしました。
旅館での新VDPの設置
(持参の同軸ケーブルが10mで端まで届かず手前に設置)
旅館のベランダでの設置は、ポールスタンドは使わずベランダの手すりに直接ひもで括りつけました。
運用は、時間帯から7MHzと28MHz選び、それぞれアナライザーを使用して調整しました。
VDPそのものは、バンド毎に粗調整されているので、使用する周波数に調整します。
アナライザーを使用しての調整なので、簡単に終わりました。
旅館での成果は、7MHzで国内局、28MHzでオーストラリアとQSOができました。
夕食は、残念ながらコロナ以降旅館では提供されていなかったため、外に出て刺身など海産物を堪能。
その後は、温泉につかり、事前に調達していた酒類、おつまみで、深夜まで色々な話題で盛り上がりました。
翌朝は、また温泉につかり、アンテナなどを撤収して滝知山へ!
風もない、雲一つない、穏やかな天気になりました。
ここでは、ポールスタンドを使用してアンテナを設置。
前日と違い、風もないので問題なく自立設置が可能でした。
周波数は50MHz(フルサイズ)と21MHzを選択しました。
50MHzは、休日の午前中に移動局が多く運用しているので期待したのですが、残念ながら運用局が見つからず Pocke6 を使用したSSBでのQSOは成立しませんでした。
自作 6m SSB/CWトランシーバー Pocke6(1.5W)
そこで、リグをFT-817に変更して50MHzでのFT8運用を行い、数局のQSOができました。
次にアンテナを21MHzに変更し、DXを狙ってみました。
結果としては、
ウルグアイ(南米)
、サモア、中国などとQSOができました。
短い時間ではありましたが、
新VDPと5Wで海外
ともQSOができ、また、アナライザーを使用した調整、VDPのポールスタンドも問題なく機能してくれ、それらの確認と検証ができたことは有意義な集会運用であったと感じております。
実際に現地で使ってみて確認することは重要であり、今後も繰り返しながらブラッシュアップしていきたいと思います。
※旅館の近くの網代温泉の名物(?)だという、
イカメンチ
を初日のお昼に今回初めて食べてみました。
メンチというと肉で作ったメンチカツをイメージしてしまいますが、イカの入ったふわふわのさつま揚げといった印象でした。とてもおいしかったです。30分近く並んだ価値はありました。
アンテナアナライザー リメイク!
(2023/10/17 14:46:10)
思えば、アンテナアナライザーの
検討を始めたのが2010年
(
http://blog.toshnet.com/article/34801969.html
)、カラーグラフィック液晶を使って
何とか形になったのが2016年
(
http://blog.toshnet.com/article/175736831.html)
、表示をOLEDにして小型化した現行のものを
頒布品として投入したのが2019年
(
http://blog.toshnet.com/article/186014752.html
)
10年以上もアンテナアナライザーを色々チマチマ
とやっているなあと自分ながら驚いています。
現行(既にこの2年頒布は殆どしていない)のアンテナアナライザーの頒布を始めたのが2019年でしたから、それから既に4年も経過してしまいました。
このアナライザーは、一応99MHzまで測定可能(実質50MHz帯まで)としていましたが、144MHzや430MHzのアンテナも作ったりしているので、
430MHzが測れるものを作ってみたい
と思っていました。
一方で、GHzまで測れるnanoVNAも販売されたりし始めていたので、もう需要もないかなと思いつつ、検討が延び延びになってしまっていました。
しかし、nanoVNAは優れものではあるのですが、アンテナの共振などを測るだけには操作が面倒であるのも事実です。
個人的技術的興味からも430MHz対応は作ってみたいと思い、検討して最初のプロト基板を作ったのが2022年4月でした。
プロト基板で試作してみたものの、144MHzは何とかレベルではあったのですが、430MHzは全くダメで、モチベーションが下がって、ほったらかしになってしまいました。
そうした中で、2022年(昨年)のハムフェア、関ハムにおいて、以前に現行モデルを購入いただいた何人かの局長さんから、次のは出ないの?というご要望をいただき、やっぱり頑張ってみようという気になり、次の基板を試作したのが今年(2023年)4月でした。1年もほおってた(汗;
しかし、これも少しは良くなったものの430MHzは今一つで、イベントに追われてこれも中途半端になっていました。
今年のハムフェアでは、昨年にも増して、
多くの局長さんから次のモデルはまだ出ないの?!
というご要望をいただき、何とか今年こそはと、今年の最終イベント(北海道ハムフェア)が終わってから、
再度検討を開始
しました。
集中してやったかいもあり、何とか430MHzでもアンテナの共振周波数、SWRが見えるようになりました。
ここまでのデータの整理と備忘録として纏めてみました。
基板は、4月バージョンを手改造しながらです。
左から、現行基板、2022/4基板、2023/4月基板
現行のOLEDでの検討状況
何とか、430MHzが見てきたので、今回モデルは表示をOLEDから
カラー液晶
にしようと手配線で接続して、検討を続けてきました。
現行モデルは、バンド切り替え、センター周波数可変、スイープ幅可変をアップ/ダウンボタンでやっていましたが、操作性として今一つの所もあったので、
アップ/ダウンは、ロータリースイッチで選択
できるようにして、ボタンには、
バンド切替
、
センター周波数
、
バンド幅
の
専用ボタン
として、それらを押して選んで、ロータリーエンコーダーで変えるという直感的に使えるように変更しました。
右のつまみがロータリーエンコーダー
電源立ち上げで、バンド選択画面になります。
ロータリエンコーダーを回してバンドを選択し、つまみを押すとスキャンします。
スキャンした測定値は、グラフィカルに表示されます。
144MHzと430MHzのの測定性能を、ダイヤモンド製の親指アンテナを接続して測った様子です。
144MHz 430MHz
本当にちゃんと測れているのか、中華製ですが違うアンテナを測ってみました。
長さが長いので帯域が広く測定されています。144MHzは普通ですが、430MHzは広帯域を狙っているのか、歪な形になっています。
違いが測定できているので、何とか使えるだろうと判断しました。
元々、現行モデルも簡易型アンテナアナライザーとしているのですが、今回のも同様な考え方で、
簡単に共振周波数やSWRの目安を測れるもの
と考えています。
特に、
430MHz
は、リターンロスの測定が-20dB程度が限界となったので、VSWR値だと
1.2以下は測れません
。
(測定値として1.1とか出ることはありますが、不正確)
また表示は、現行モデルで
SWR3以下をもっと拡大して見れるようにして欲しいという要望
が比較的多くあったので、3以下と3以上でグラフの傾きを変えて、3以下を拡大しています。
逆に、3の所から急に変化して折れ線グラフになり歪な感じもしているのですが。
HF帯はどうなのかということで、自作のGAWANT(7~50MHz)もどきを接続して測定してみました。
7MHz 測定帯域を広げて測定
14MHz 50MHz
各バンドでのダミーロードでの測定が正しく行われ、表示されているかの確認も実施しました。
使用したダミーロード
50Ω 既製品 2GHzまでの性能確認済
75Ω 自作品 500MHzまでの性能確認済
100Ω 自作品 500MHzまでの性能確認済
150Ω 自作品 500MHzまでの性能確認済
<430MHz>
50Ω:性能限界で1.2が最低 75Ω:ほぼ1.5
100Ω:ほぼ2.0 150Ω:ほぼ3.0
<144MHz>
50Ω:1.0 75Ω:ほぼ1.5
150Ω:ほぼ2.0 150Ω:ほぼ3.0
<1.9MHz>
50Ω:ほぼ1.0(でこぼこ有) 75Ω:ほぼ1.5
100Ω:ほぼ2.0 150Ω:ほぼ3.0
ダミーロードでの測定は、各バンド共に帯域1MHzで測定しています。
本機は、自動校正モード(校正スタートで校正)を搭載しており、バンド毎に校正値で補正をかけていますが、HFは大きな問題はないものの、144と430では、中心から外れた周波数では誤差が発生します。
<144MHz 帯域±50MHz>
75Ω時 ±0.1程度 100Ω時 ±0.2程度
<430MHz 帯域±50MHz>
75Ω時 ±0.2程度 100Ω時 ±0.3程度
周波数が高いほうが、VSWR値としてよくなる傾向です。
測りたい周波数から50MHz離れた周波数であり、市販のSWR計でも機器を変えればこのくらいの差が出ることはありますので、実用上問題はないと判断しました。
目的は、ハムバンドでのVSWRの最低点の周波数と値ですので!(値も目安ですが)
あと、本機は、測定目的周波数を10.7MHzに変換して測定していますので、10.7MHz付近(約±100KHz)の測定はできません。10MHz帯は低い方なので、何とか測定可能でした。
こんな感じですが、一応
1MHz~480MHzまでの帯域で各ハムバンド最大±50MHzの幅
までの共振周波数、VSWRの値をグラフィカルに測定することができる簡易型アンテナアナライザーの
目途が立ちました
。
現状をベースに、基板の改定、ソフトウェアの詰めが残っていますが、また少しずつピッチを上げて進めたいと思います。
組立毎のバラツキも、次以降の基板で確認することになります(汗;
1.2G 13エレビームの評価!
(2023/6/25 17:44:18)
右は430 8エレ
昨日(6/24)、AKCの懇親会があり秋葉原に集まったのですが、その時に、いつもアンテナでお世話になっている JK1LSE OMがお土産を持ってきてくれました。
1.2GHz用 13エレ ヤギウダアンテナの試作品です。
何とかマッチングできたので、評価してほしいと!
1.2G用は、アンテナを一緒にやり始めた頃からの課題で、なかなか上手くいかずほってありました。
先日、Tマッチでうまく行きそうなので、その部分を基板化したいので発注してくれないかと依頼があり、ポンチ絵から基板を書いて、発注しできたものを送ってあったのですが、ついにうまく行ったようです。
ラジエーターには真鍮棒を使用し基板にはんだ付けされている。
評価と言っても比較になる基準アンテナは保有していないので、どうしたものかと思いつつ、SWRの測定から始めました。
若干のうねりはありますが、帯域内1.15以内です。
使用ケーブルがRG-58 10m SWR計はSX1000です。
ケーブルが細くて長いので、見た目のVSWRは良くなっているかと思います。
次にどのくらい飛ぶのか?ですが、レピーターをお借りして比較してみました。
(お邪魔しました:ありがとうございます)
5か所のレピーターに対し、左が13エレ直接、真中がSWRを入れた状態、右はSG9500です。
(SG9500は1.2Gでカタログ上9.7dBiあることになっています)
今までつながらなかったところがつながったり、ぎりぎりだったところのSが上がっていて13エレの効果が出ているようです。
また、1.2GともなるとSWR計挿入のままではロスがあるようです。
ここまで評価すると、パターンと利得が気になります。
144と430は自作ローテーターを使った簡易自動パターン測定器を作っているので良かったのですが、使用しているデバイスの関係で、500MHzまでしか測れません。
そこで面倒ですが、受信信号をスペアナに入力して、手動で10度ずつ回転させて値を読んでパターン図作成しました。
若干メインロープが歪ですが、430 8エレと比較すると、サイドロープがこじんまりしているようです。
メインロープも、430 8エレをスタックにした時のような半値角になっています。
LSE OMはビームになっているか心配だと言われていましたが、しっかりと八木宇田アンテナになっていると感じました。
次は、利得です。
レピーターへのアクセスではそれなりの効果が出ているので、適当なゲインはあるかと思われますが、いったいいくらくらいのゲインがあるのか?
残念ながら、144や430の時のようにメーカー製の比較になるものを持ち合わせていません。
そこで、ダイポール相当ということでGPを作ってみました。
これがどの程度正確にダイポール相当なのか評価しえませんが目安にはなるかと!
13エレと取り換えて比較すると、パターン図に記載していますが、GPは、-12dBとなっています。
つまり、ダイポール比 12dBの利得のあるアンテナということになります。
一般的にメーカーさんのカタログで記載されている表記だと,14.15dBiということになります。
この値はどうなのか?
LSE OMの元々の設計結果を教えていただきました。(MMANA)
利得:16.19dBi 半値角:約30度 でした。
約2dBの利得不足です。この値をどう見るかですが、10dBを超える利得が得られていますので十分なのか、まだ追い込む必要があるのか?です。
半値角は、実測30度強ですのでほぼほぼかと思います。
LSE OMのお話では、エレメント長もノギスで測りながら0.1mm単位で詰められたそうで、自作で作ったものとして十分な性能が得られているのではないでしょうか?!
実は手元に、7K1CRZさんからお分けいただいたアストラルプレーンアンテナと、JH4VAJさんが頒布されたツインデルタループアンテナ、それとそれを模して銅箔テープで作った銅箔テープバージョンツインデルタループアンテナがあります。
これらも、どのくらいの利得があるのか測ってみました。
結論は、以下です。(GP比)
アストラルプレーン 0dB
ツインデルタ 3.5dB
ツインデルタ(銅箔) 2dB
正しい値かどうかわかりませんが、目安にはなるかと思います。
実際にJH4VAJさん頒布のデルタツインループは、ハンディにつないで使用して、標準ホイップとは明らかに違った利得を感じていましたが、納得です。
さて、1.2GHz 13エレヤギウダアンテナですが、製作の再現性がどうなのか? LSE OMに聞いてみないとわからないのですが、素子感度が高く調整がシビアだと言われていましたので、もう少し検討が必要なのかもしれません。
144、430含めてブーム長1mをコンセプトに小型軽量を目指していて、この13エレも約260gと軽くは作れているのですが.........
スタックケーブル検討Ⅱ
(2023/6/23 17:10:36)
雨も降らないので、昨日、430MHzで利得的にスタック効果が出なかったので検討を継続しました。
スタックケーブルとして、最初に検討したのが5C2Vケーブルのもので、波長短縮率を67%と勝手に思い込み短く切ってしまったものと、昨日の検討で最初に計算値で切って、短くなったものの2種類が余っていました。
そこで、144/430の兼用ではなく、430専用ケーブルとして長さを検討し、性能評価をすることにしました。
まず、5C2Vケーブルで計算値で1/4λ*0.8*3 = 41.8cmとして SWRを測ったらVSWR値は帯域内で1.5~2と全くよくありません。
次に、3C2Vケーブルで、計算値で1/4λ*0.67*5 = 58.4cmとして SWR値を測ったらVSWR値は1.25以内で昨日とよく合っています。
5Cと3Cで倍率が違うのは、波長短縮率が違い、スタックにした時の必要長を満たすためです。
3C2VでのVSWR特性です。シングル、昨日の分と遜色ありません。
この長さでのパターン特性です。
左がスペース1λ、真中0.5λ、右シングル
残念ながら、ケーブル長は片側40cmほど短くなっているのですが、シングルと比較して利得の上昇は見られませんでした。
この時のケーブルの共振点は以下の図になります。
400MHzと低い値になっています。昨日の測定では、この値はあまり問題にならなかったのですが、5C2VでSWRが悪いのは、この共振点を合わせたらよくなるのではと、5C2Vも低い値になっていたので、ケーブルを段階的に切り詰めて使用する周波数に合わせてみました。
435MHzになっています。
この状態で、測ったSWRが次の図になります。
両バンドエッジが少し高いですが概ね良好です。
この状態でパターンを測ってみました。
なんと1dBですが利得が得られています。
3C2Vの方も長さを切り詰めて共振点を合わせてみました。
若干低いですが、430MHzとなっています。
この状態でのSWR特性です。
若干高いですが、帯域内で概ね1.3以下です。
この状態でのパターン図が次になります。
なんと2dBの利得差が得られています。
条件を変えるたびに、シングルの測定も再度行っておりますが、角度的な精度で周辺からの反射などで少しずつ変わったパターンになっています。傾向は同じかと!
利得差のないパターン、利得差2dB、利得差1dBのパターンを比較してみました。
昨日の測定で、気になっていたのは、スタックにして半値角は狭くなっていたのですが、後ろ側のパターンがシングルと比較して膨らんでいるように感じました。
この膨らみが本来前方に利得差になって現れるべきではないかと。
この3つを比較すると、利得差2dBのものが一番後ろ側のパターンが小さくなっています。
5C2Vと3C2Vで同じように共振点を合わせているにも関わらず、利得差が1dBある要因は、現時点わかりませんが、共振点を使用する周波数に合わせることによって、スタックとしての性能が発揮できることになるということが測定されました。(2dBは1台きりですが)
当然だろうと言われそうですが、メーカー製でも2バンド兼用をうたうために、どちらつかずの共振点になっています。
この状態で、SWRは当局自作のものも含めて実用範囲です。
測定はしていませんが、利得差が出ればよいのですが。
そうすれば流石メーカー製ということになります。
昨日は3C2Vを使用したことによるケーブルロスか?というのも要因候補の一つでしたが、そうではなかったという結論となりました。
自作ですので、バンド毎の専用ケーブルの方がよさそうです。
昨日の時点で144は既に利得差2dBが測定されていますが、実は共振点は135MHz程度であり、こちらも切り詰めて144にした方が良いかと考えております。
今日はここまで!
スタックケーブルの検討
(2023/6/22 18:02:41)
Pocke ANT24(144MHz 4エレ)とPocke ANT078(430MHz 8エレ)をスタックにしたら性能アップできるかとスタックケーブルの検討をしていました。
途中、ツイッターで検討中とツイートしましたが、だいたい纏まったので備忘録として記録を残します。
同じアンテナをスタックにすると、理論上3dBの利得アップになることは知られています。
しかし、現実的にはスタックするスペースや、スタックのためのケーブルロス、コネクタの変換ロスがあり、この3dBの実現は難しいと思われます。
某アンテナメーカーさんのサイトでは、スタックスペースによる指向性とアップする利得が記載されており、スペースを広げればアップ利得は3dBに近づくが、前方サイドロープが出てくるシミュレーションになっています。
別のサイトでは、利得アップよりも、指向性の半値角が狭まることにより、周辺からの電波、ノイズが減って通信しやすくなると記載されていました。
50年ほど前に144のスタックアンテナを使ったことがあるのですが、性能がどうなのかという評価はしたことがありませんでした。
スタックケーブルも自分で作ったこともありませんでした。
このケーブルはアンテナメーカーから販売されていますが、とても高価です。
一方、ケーブルの作り方は、サイト検索で沢山見つけることができます。
当然のことながら、自分で作ってみることにしました。
今回は、75Ω 1/4λ*短縮率*奇数倍の長さのケーブルを作り、中央で合成して、任意長の50Ωケーブルでリグと接続するようにしました。
メーカー製は、144と430でどちらにも使えるようになっています。周波数的には3倍なのでどちらにも使える長さがあることが、上記計算式からわかります。
以下、結果を示しますが、最初はこれでよいのかわからず、結局メーカー製(ダイアやモンド製SS770R)を購入して比較しました。(本末転倒です)
使用材料(アンテナがBNCなのでコネクタはBNCを使用)
ケーブル:映像系で使用されているBNCコネクタ加工したケーブルを切って使用
合成部:ケース 3Dプリンタで製作
コネクタ BNC
ケーブルとの接続を容易にするため基板を製作し使用
ケーブル長:片側106cm 最初104cmで製作したが、性能測定しながらチューニング
BNCコネクタ部と合成部
合成部内部と製作した基板
144MHzでのVSWR特性です。
グレーの線はシングルでの特性です。
オレンジがPocke ANT24スタックの特性、ブルーがダイヤモンド製ケーブルを使用した時の特性です。
ほぼ同じ結果が得られています。
430MHzでのVSWR特性です。
グレーの線はシングルでの特性です。
オレンジがPocke ANT078スタックの特性、ブルーがダイヤモンド製ケーブルを使用した時の特性です。
なぜかダイヤモンド製は帯域内で特性が悪くなっているところがあります。原因はわかりません。
製作したケーブルは高い方で少しVSWRが上がっていますが、使用には問題ないレベルだと判断しています。
次に、バラつきの測定です。
ケーブルを4本製作し、バラつきを見てみました。
144、430共に4本のバラツキは殆どなく再現性はありそうです。
VSWRの測定は、スタックにしたアンテナにRG-58U 10mケーブルを使用してSWR計SX-400にて測定しました。
次に、指向性パターンです。
Pocke ANT24、078を製作し測定した時と比較し、ベランダのアンテナ配置を変えてしまい、送受信アンテナの間隔も近づいてしまい単純比較できませんが、シングルとスタックの比較は見れる結果となりました。
144MHzの特性です。
左:シングル
真中:スタックスペース0.375λ
右:スタックスペース0.5λ
スタックブームの長さが1mしかなかったのでこの間隔での測定となった
パターン図は、0.5λを基準として正規化した
<結果>スタックの効果あり
・シングルに対して、0.5λ時、2dBの利得アップ
・半値角は、シングル 90度 0.5λ 55度
左:シングル
真中:スタックスペース1λ
右:スタックスペース1.44λ
<結果>利得の効果は見れなかった
・半値角 シングル65度、1λ 35度、1.44λ 20度
・1.44λ時 前方サイドロープが顕著
・ケーブル、コネクタロスか、利得の差見られず
<結論>
ケーブルの製作を含めて、初めての纏まったスタック化の検討でしたが、サイトなどで一般的に言われている結果が得られました。
サイト情報にもありますが、エレメント数が少ないほうが、スタックスペースに対して利得の上昇効果が大きいようで、144MHzは、スタック間隔が0.5λと狭い割にしっかり利得の上昇を確認できました。
430に対して、周波数が低い分、ケーブルロス、コネクタロスが低かったのかもしれません。
430は、利得の上昇は見れませんでしたが、ロス分を考慮しても下がることはなく、半値角が理屈通り狭まったことにより、スタックの効果とされる周辺からの電波、ノイズの影響は下げられるかと思います。
使用したケーブルが3C2V相当のものであり、ダイヤモンド製は7C2Vが使用されており、この辺りのケーブル
ロスの差があるかもしれません。(今回ダイヤモンド製でのパターンは測定しなかった)
重量は、その分重く(合成部も金属製)約470gあり、今回製作したものは約96gで可搬性を考えると悩ましいところではあります。
Pocke Decokeyer Ⅱの検討
(2023/6/17 19:43:15)
K3NGキーヤーにOZ1JHM OMのデコーダーを組み合わせた、
Pocke DecoKeyer
は思った以上に人気があり、頒布は出せば即売り切れの状態でしたが、昨年後半以降、マイコンの調達先である秋月さんで、使用している
マイコンが入荷せず
、準備できない状態が続いていました。
Aliでは販売されてはいるのですが、足元を見ているのかかなり高い値段になっている上に、送料までかかります。調達も考えましたが、高価なのに偽物だと大きな損害になるのでできないままに。
一方で、もう頒布はないのか?と問い合せがちらほら来るようになっていました。
このままだとずっとできない状態なので、若干高いけれど信頼できるところからのマイコン調達をして、価格はできるだけ上げないで頒布継続できないか、検討してみました。
マイコンを変えることは一からの開発となるので、そこまでの気力もないし、基本機能はそのままに、仕様を見直してみることにしました。
初代DecoKeyerは、キー出力を2出力としたことで、2台のリグが同時接続となり、またマイクをつけたとは言えCW解読(デコード)のためのオーディオ信号の接続もあることから、キー出力にはフォトカプラを、オーディオ信号にはトランスを入れて、アーズを分離していました。
コストを下げるためには部品を減らすことが一番近道であり、まず、キー出力は1系統として、アース分離をやめることにしました。
これにより、基板も小さくすることができます。
また、使用している表示器(LCD:秋月調達)も40%程値上がりしています。
基板が小さくなるということは表示器も小さくしないと、小型化にはつながりません。
たまたまですが、今年初めに128x32ドットの小型OLEDを使用してフリスクサイズで表示付きのK3NGキーヤーを試作していたので、このOLED(消費電流が若干大きいのがネックなのですが)を使用することにしました。
この表示付きは試作品を作った時、デコード機能はないのか?という質問もちらほらありました。
こうした流れから、OLED表示付きK3NGキーヤー基板をベースにデコーダー機能の追加を検討してみました。
結論:フリスクフットプリントサイズ、
充電式Lipo電池内蔵のデコーダーキーヤーが実現
【機能・仕様比較】
初代 今回
① キーヤー K3NG 〇 〇
② CW解読 OZ1JHM 〇 〇
③ アース分離 〇 ×
④ キー出力 2 1
⑤ 表示 LCD OLED
⑥ 内蔵マイク 〇 〇
⑦ 内蔵電池 単4 2本 250mAhLipo
⑧ サイズ 名刺 フリスク面積
上が従来機 下が今回機
歴代キーヤー(フリスクフットプリントサイズ)
一番上: 表示付き単4電池版 2番目:今回のデコーダーキーヤー
3番目:ロングランのKeyerⅡ 4番目:Keyer mini
厚み比較(表示付き単4版、今回デコーダーキーヤー、KeyerⅡ)
生基板と部品実装後
基板をドッキングした様子
基板をそれぞれケーシングした様子
【試作結果】
アース分離がなく、キー出力が1系統のみという点を除いては、機能的には初代と同じものを作ることができました。
大きさ的にはロングランの Pocke Keyer Ⅱと同じフットプリントサイズで、表示とデコーダー機能、充電機能付きLipo電池搭載と 多機能で小型化ができました。
小型化ゆえに、電池のサイズが250mAhで電池寿命が心配でしたが、一応
連続使用で約10時間
といったところでした。充電機能付きですので何とか実用には耐える時間かと思います。
充電時間は、安全のために充電電流を1C以下としたので、空から満充電まで約4時間半かかりました。
副産物として、絶縁トランスがなくなった分マイクからのゲインが上がり、
マイク入力でのデコードが比較的小さい音でも出来るようになりました
。
ケーシングも、基板が上下ドッキングのため構造的に悩みましたが、ケースそのものも二段構造にすることでうまくドッキングできる構造となりました。
トップカバーなどはこれからの手配になりますが、何とか使えるものに仕上がったと思ってます。