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<1万円から入札開始>希少な旧日本軍「地3号無線機」「94式5号無線機」「94式3号丙無線機」がヤフオクに登場! (2015/4/17 11:33:42)
旧日本軍の通信機器は、敗戦の際に破棄されるなどして物自体が少ない。運良く残っても、アマチュア無線機に改造されたり、戦後の物資不足で部品取りに使われたことから、製造当時の外観や内部回路を留めるものは貴重だ。今回、「旧日本軍通信機器」がヤフオクに複数出品された。スタート価格が手ごろということで、ミリタリー系マニアの間で話題になっている。
旧日本軍の通信機器は現存数が限られ、何らかの改造が施されているものが多い。コレクションしたいと思っても、今では入手自体が非常に難しい。そんな希少な旧日本軍通信機器の数々が、ヤフオクに複数台出品されている。
1台は「地3号無線機」。昭和14年(1939年)に導入され、主に陸軍航空部隊の近距離用対空通信用として使用された。移動が容易な構造のため、汎用機材として航空部隊各部署で多く使用されたという。
パネル面の大きなダイヤル3つに、それぞれ「空」「増」「発」という大きな文字が確認できるのが特徴。送信周波数は1500~6675kHz、受信周波数は1500~-6675kHz、電波型式はA1/A2/A3で、出力はA1が40W、A2/A3が8W、通信距離は100km程度という仕様である。
出品画像を見る限り、状態もよく内部の部品もオリジナルのものが揃っているようだ。後から改造など施した形跡はないようにも見える。開始時の入札価格は“1万円”と参加しやすいのも特筆点だ。
続いて、「94式5号無線機」は送信機と受信機が一対になっていて、小隊や中隊で使用された。これに手回し発電機がセットで、数人で運用したらしい。周波数は900~5000kHz、電波型式はA1、出力1.3W、通信距離は10km程度という仕様。
出品者の説明文には以下が書かれている。
・今回は、旧日本軍歩兵用94式5号無線機を出品させて頂きます。
・送信機:(32号B型)3バンド1球で電源は発電機です。受信機:(32号B型)3バンド3球で乾電池:BL-030×2個。乾電池:平4×1個。送受信機共にオリジナルで自作は電源のみ、受信機はレシーバーで完動品です。
・送信機の球が切れたので、写真に写っていません。受信機は、オリジナルの球が入手出来ないので同等の別の球を使用。
・受信用球・ソケットアダプターを付け、同等の球を付けます。
・改造品も御座いますが、これは電源のみ自作であとは当時の物そのままです。
最後の1台は「94式3号丙無線機」。「94式5号無線機」と同じ出品者が出品している。
「94式3号丙無線機」は、陸軍の師団通信隊、砲兵隊などの対空電話通信用機材として使用された。周波数は送信周波数が400~5700kHz、受信周波数が300~5700kHz、電波型式はA1/A3、出力5W、通信距離は50km程度となる。
出品画像を見ると、本来は送信機と受信機が一対になっているのだが、受信機側しかない。また内部も真空管類が欠損しているらしい。
こうした旧日本軍の通信機器を紹介するブログは複数あるが、なかでも「横浜旧軍無線通信資料館」や「日本の武器兵器」のWebサイトは、貴重な旧日本軍通信機器の数々が詳しく紹介されているので、アマチュア無線家が見ても参考になるだろう。
●関連リンク:
・日本陸軍 地三號無線機 送信機/日本軍/旧日本軍(ヤフオク)