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フリラは凄い(超短距離Es) (2015/5/15 19:43:52)
■先日のすごい事
今週前半の日中に、特に国分寺上空の臨界周波数が極端に上がった際の出来事。
東京と茨城のアクティブフリラ局同士が、超短距離がEsにより繋がっていると言うのは周知の事実かと思います。
あの時間帯の臨界周波数はだいぶバラつきはあるものの、ピーク18MHz位。
確かにぶっ壊れたのでは?と一瞬思うくらい上がってはいたものの、まさか東京-茨城間で繋がるとは思いませんでした。
この事実は
アマチュア無線でもそんな経験はした事ありませんし、そんな話も聞いたことがありません。
かなり制約事項の多いCBにて実現したのはすごい事だと思いますし、これを東京でやれるんですから、フリラ魂は凄いなと感動した瞬間でした。
■数字で考える
また下らない数字遊びかもしれませんが、浅い知識で考えてみます。
今回の様に、2点間の距離が近い=電離層への入射角が小さい=反射可能周波数は臨界周波数とほぼ同じ、となります。
という事は、臨界周波数が18MHz前後で、それ以上の周波数は突き抜けるのにも関わらず、27MHzが反射し繋がっています。
そこが、今回の凄ポイント。
実際にはど垂直反射ではないので、反射可能周波数fと臨界周波数fc、入射角θの関係は、f<fc secθとなります
。
仮にfcを18MHz、東京-茨城間の距離が約110kmとすると、反射可能周波数はおおよそ22.36MHz程度。やはり入射角を考慮しても27MHzには届きません。
更に反射損失が大きいものの反射可能としても、出力500mW、短縮アンテナ、電離層反射で行って帰ってを含めたQRB200km超での空間伝搬損失、これらの条件がより悪くしてしまうはずです。
■じゃあ何故繋がった?
3つ妄想してみました。
1つ目は、単純に臨界周波数が局地的に27MHz以上に上がった可能性。
国分寺の観測では18MHz位でしたが、実際の反射点は分布バラつきにより、極度に上っていた可能性があると考えてみます。
ここで大事なのは、Esの垂直分布を踏まえた水平分布です。
電離層にはプラズマ密度に粗密があるのは知られていますが、その粗密は数m~数10km位の様です。
それを考えると、国分寺よりも離れた反射点が極度に上っていた可能性もあるとは思います。
ただ、いろいろ調べてみましたが、肝心の水平分布に関しては、現在もよくわかっていないらしく、各大学とJAXAがロケットを飛ばしながら研究が続けられてるそうです。
よって、何とも言えず。
2つ目が、Es層がかなり低かった可能性。
Esは主に90-110kmくらいの局地的分布です。そのEs高度が低くなる=入射角が大きくなることで反射可能周波数が上がったと推測します。
では、臨界周波数が18MHzで、27MHzが反射可能となる高度を逆算します。
すると高さは約50km。低すぎてE層圏から外れてしまいました。
仮に臨界周波数が20MHzまで上がったとしても、高さは約60km。Esとは言えない感じです。
3つ目が、電離層内での複数回反射。
臨界周波数が上がりきって無かったとしても、入射角が大きければ反射可能周波数は上がります。
もし、電離層界面が大きく波うねっていて、大きな入射角反射を繰り返して落ちて来たとすれば、近距離も繋がる可能性が出てきそうです。
ただ、複数回反射しながら飛んできている割に位相差による影響は、動画を観る限り感じられません。
と、すると違うのかな?
とりあえず浅く考えましたが、Esの臨界周波数は30MHzまで上がることもあるそうなので、多分1つ目じゃないかな?と思います。
■結局
と言うか、ダラダラ書きましたが、何だかんだ言って
「超近距離EsQSOをやってみたい」
ただただ羨ましい、それだけです。
果たしてそのチャンスはやってくるのでしょうか?