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デジタル簡易無線(2015.5.16)ダクト交信解析 (2015/6/29 1:02:38)
さてさて、先月(2015.5.16~5.17)のデジタル簡易無線ダクト実験(祭り)でのDX交信記録更新は記憶に新しいですが、どんなコンディションでどのような伝搬状況のなかで交信が成功したのか?は興味があるところです。
実際、今回も当方運用地の山口県から、各地に移動運用されていた各局さんとのリアルな運用状況で、遠くても交信できるところと、比較的近くても交信できない場所があるのが実体験できました。
一般的に、グランドウェーブ(直接波伝搬)での交信においては、山岳等を挟む場合や地球の丸み等の地形的な障害物がある場合は交信を難しくすることが多々あります。
ですが、ひとたびダクトに乗っかれば、地形的な要因も遠近距離も関係がなく交信できることが多いのも異常伝搬といわれるゆえんであります。
そういったなかでも、今回、当方の山口県内から遠距離の北海道松前は比較的簡単に交信成功ができたのに、中距離の石川県付近の各局との交信ができなかったのは何でだろう?と疑問に思っていました。
当初想像していたのは、山口県付近と北海道松前付近はダクトに電波を乗っけることが容易な条件(ルート・パス)が出来ていたんどろうな~?と想像するぐらいしかできてませんでした。
前置きが長くなりましたが(^^ゞ
先日、DCR無線のダクト交信にご興味を持たれているアマ無線OM局さんから、当日のコンディション等を解析した資料を頂きました。
それが下の添付図なります。
解析資料をみると疑問が払拭されました。
OM局さんに解説いただいた内容も含めてご紹介いたします。
①山口県~福岡県付近においてはダクトと思われる層が多層階(3層?)発生していて入口出口が大きくなっており、東北秋田県付近で層が集約されている状態が続いていた。
ほとんど高度がない付近からそれなりの高度までの縦方向、及び、平面方向の横の広範囲にもダクト層が広がっていた。
ゆえにダクト出入り口から遠い九州西部からも比較的に容易にダクトに乗っけやすい状態であった。
②中距離付近の石川県(輪島)付近では超高層にダクトが発生となっていた。
輪島付近では3000m付近にダクトが発生していたので、ダクト経路に乗っけるのは困難な状況であったと思われる。
ゆえに、不感地帯(スキップ)していたのだろうと思われる。
③北海道付近になるとダクト層は比較的低層に戻っていた 。
表現が適切ではないかもですが(笑)ミノムシが地を這う時に真ん中部分が浮いている状態。
スケールが違いますが西日本~北海道間にできたダクト管が輪島付近を頂点に逆U字型になっていたと思われます。
ということで、まとめ?ますと。
昨今はある程度な精度で予測できる情報源もあるので、ピンポイントなタイミングで狙える状況でもあります。
ですが、自然相手なので出たとこ勝負的な部分も大いにあるのも事実です。
また当然ですが、ダクトは目視できないので入口出口がどこにあるかはナカナカ分かりませんが、いかにその
「入口出口」に電波を乗せることができるか! が肝であることを改めて感じました。
・八木アンテナであれば、仰角を含め広範囲な方角も「とんでもな方角」も場合には有効?
・単一型でも縦横と偏波面を変えてみると良いかも?
以上、既に同様な解析をされている方もいらっしゃるかと存じますが、今後のDCR無線ダクト実験の移動運用時ヒントになればと思いアップいたしました。
解析資料の提供及びご指導いただいたOM局さまに感謝いたします。
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