無線ブログ集
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20150715 赤道横断伝搬など (2015/7/15 18:04:12)
この季節は 市民ラジオでは
Es(スポラディックE層)による交信が盛んですね。他にもF層による交信も距離によっては可能ですね。今回、お題にもしました赤道横断伝搬は日本では日本とオーストラリア間の赤道を挟んだ伝搬です。春分秋分の日前後に起きやすい伝搬現象ですね。HFハイバンドはもちろんVHF帯の50MHzでもオーストラリアと交信可能です、私が若い頃、RJX-601+1/4λモビホでローカル局とラグチューしていた時にオーストラリア局から呼ばれて驚いたことがあります。オーストラリアまで5000kmでF層の1ホップでは届かない距離ですが、赤道横断伝搬では地上反射なしで5000km以上伝搬するようで、地上反射しないので減衰が少ないので小さい電力でも交信できるらしいです。
上は赤道横断伝搬があった2014/03/18のF2
Mapです。臨界周波数が高いグレーの領域が磁気赤道を挟んで広範囲にありますね。こんな感じの日は 市民ラジオでF層伝搬による国内DXも狙えます。例えば、奈良から石垣島を F層伝搬で狙うとか。
3/17、3/18と 赤道横断伝搬がありましたが、両日とも
F層伝搬で石垣島の「おきなわYC228局」と交信出来ています。
※実際には奈良~石垣島間1600kmのF層にすると近距離パスは臨界周波数の高さも重要ですがF層高度が重要になります。Es運用だとEs層の
高度は 気にしなくてもいいですが。
オーストラリア気象庁のF2
Mapの一例を参考にして見ますと(ちなみに日本は夜で、さらにコンディションも全体的にしょぼそうな色合いです)緯度0度に地球自転軸に対して90度の赤道を赤い線で示してあります。ハワイ諸島の下辺りで左上から右下に赤道と交差しているいびつな黒い曲線が磁気赤道です。赤道横断伝搬は同じ緯度がつながりやすいと言われていますが、自転赤道ではなく磁気赤道を挟んで対象になる地域と繋がりやすいようです。北極と南極で同じようなオーロラが出るという地磁気共役点と関係あるのかないのかは素人の私には全然分かりません。
スキャッターの原因の1つと言われているプラズマバブルです。スキャッターは反射ではなくて散乱、小電力だとちょっと厳しいですね。市民ラジオでも スキャッターによる交信が可能なのか興味のある所です。
スキャッターで交信したって言う方も居るかも知れませんが判定が難しいですよね。
一番下のリンク先で見られる画像のEsと同じくらいの高度95km付近の大気光波動構造とかは、私のような素人も見ていて面白いです。畝雲のような構造してますがEsって可視化するとこんな感じなんでしょうか、またはE層の少し下にできる夜光雲のような絹雲に似たような感じなのでしょうか。Esは雲のような構造をしていると言われますが、空にぽっかり浮かぶ典型的な積雲のような形をしているわけではなく、層状雲のような形だろうと思っています。
NICTの前身である電波研究所の電波研究所ニュースに「日豪赤道横断伝搬実験」 へのリンク
短波赤道横断伝播によるプラズマバブル の遠隔観測のpdf へのリンク
プラズマバブル 名古屋大学太陽地球環境研究所ジオスペース研究センター へのリンク
ちなみに伝播と伝搬という言葉ですが同じ意味として使う場合も多いみたいですが、ざっくり言うと物理現象としては伝播、工学や電波行政等では伝搬が使われるようですね。
無線家としては単に物理的に伝わるというより、無線は電波で目的を持って何らかの情報を伝えるというのなら「搬」が似合っているように思いますが。
それに電波伝播(でんぱでんぱ)だとややこしいので電波伝搬(でんぱでんぱん)のほうがやはり 良さそうですが。ちなみにNICTでは研究者によって使い方はまちまちみたいですね。
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