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feed 化学の面白話 "アルミニウムの大量生産法" (2015/10/20 19:03:04)
金属で、"アルミニウム"といえば日常生活で見かけない
ことはないですよね。お金では1円玉、
料理にはアルミホイル、そしてジュースの缶等
色々と出回っています。

・ アルミニウムの諸元
元素記号: Al
原子番号: 13
原子量: 26.98
融点: 660.32℃
沸点: 2519℃

このアルミニウムですが、太古から利用されてきたわけではありません。
存在自体は知られていましたが、アルミニウムのみ単離する
ことが技術的に非常に難しかったため、
その昔は大変貴重な金属として、
ヨーロッパの王族や貴族は大切な客人のために
アルミニウムで出来た食器を出したほどでした。

そんな中、現在に至るまで利用されている
アルミニウムの大量生産法が面白い話です。
その大量生産法とは、"ホール・エルー法"と
呼ばれ、原料の"ボーキサイト"鉱石から
アルミニウムを作り出す方法です。
詳細は割愛しますが、ボーキサイトと水晶石、
フッ化ナトリウムを加えて、1000℃程度まで熱した後
そこから酸化アルミニウムを取り出し、
炭素電極を用いて電気をかけてアルミニウムを精錬します。
この際、大量の電力が必要なため
アルミニウム製品は"電気の缶詰"と呼ばれたりします。
この方法は純度の高いアルミニウムが作れますが
アルミニウム自身、融点が低いのでボーキサイトから
作り出すより、アルミ製品をリサイクルして
溶かしたほうが電気代は遥かに安くつきます。
なので、アルミ缶等はリサイクルしたほうが環境には良いんですね。


この方法を作り上げたアメリカの
"チャールズ・マーティン・ホール"と
フランスの"ポール・エルー"は
共同研究者ではなく、なんとお互い独自に、
しかも同じ1886年に本方法を作り上げました。
また、生年と没年(1863年~1914年)まで同じという状況です。

この二人、一生のうち一度も会うことがないまま
過ごしたそうで、我ながら
偶然にしては偶然すぎると思う化学の一歴史です。


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