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feed 電力増幅 Vol.3 FETの入力容量 (2015/11/15 22:01:14)
MOSFETはゲートにほとんど電流が流れず超ハイインピーダンスだと思ってました。実際、いろんな文献にもそう書かれているのでゲートへの電流はほぼゼロなのだと思っていたのですが、パワーMOSFETには 入力容量 というものが存在するということを知り衝撃を受けております(そんな大げさな・・・)。

なんでもFET内部の構造により3種類の寄生容量が存在するそうです。
Cgs:酸化膜の静電容量
Cgd:酸化膜の静電容量
Cds:内蔵ダイオードの接合容量

イメージ 1
イメージとしてはこんな感じ

データシートにはこれらを組み合わせた3種類の値が記載されてます。
Ciss:Cgs+Cgd 入力容量
Coss:Cds+Cgd 出力容量
Crss:Cgd 帰還容量

で、これらのうち入力容量のせいで本来電流が流れないはずのゲートに一瞬ドバっと突入電流が流れるようです。2SK4017の入力容量Cissは730pFほどあるようなので結構大きいですね。これに対し前段の74HC4017のデータシートを見てみると、出力電流は最大25mAとなってます。なんだか嫌な予感・・・チャージの際の突入電流が25mAを超えている場合は74HC4017に負担がかかり、壊れてしまう恐れがあります。そこでゲートに直列に抵抗を入れることで電流制限をすることにしました。

イメージ 5

図中のRgをあれこれ変えて実験してみました。

あまり大きい抵抗を入れるとFETへの入力が減衰してしまいそうなので、とりあえず適当に10Ωを入れてみる。抵抗の両端に発生する電圧をオシロで測定してみると±0.6Vほどのピークが出ています。ということは 最大60mA も流れていることにΣ(゜□゜;) こりゃいかん。いくらなんでも流れ過ぎだ。10Ωでこれってことは抵抗無しだともっとドバっと流れていたんでしょうね。IC壊れなくて良かった。

イメージ 4
Rg両端の電圧はこんな感じ。立ち上がりの際に鋭いピークが出ている
= 突入電流が流れている様子が分かります。

100Ωに変えてみたらピーク30mA。330Ωでようやくピーク12mAまで下がりました。これならICの出力に対し2倍以上余裕があるので大丈夫でしょう。さて、これだけ大きい抵抗を入れるとなると今度はFETへの入力信号の減衰が心配になってきます。ゲート抵抗の前後でどれほど信号が変化しているかを測定してみました。

イメージ 2  イメージ 3
左:ゲート抵抗手前 右:ゲート抵抗後(FETへの入力)

ピシっとした方形波だったのが、立ち上がり・下がり共に鈍くなってます。まぁでもピークではしっかり5V出てるから大丈夫かな。増幅後の出力もほとんど変わってません。


~つづく~




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