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feed 化学の不思議な現象 "過冷却"について (2015/11/26 18:55:50)
今日は朝晩と、昼間も冷えました。今も寒いですね。
そんな訳で今日は化学の話題、"過冷却"と呼ばれる面白い
現象について記事にしたいと思います。

"過冷却"とは、簡単にいえば
"水の温度が0度以下になっても、氷にならず、水のままの状態"
を指します。つまり、凍らないんですね。
この"過冷却"状態の水にちょっと衝撃を与えると
バリバリと凍っていきます。

専門的な用語では"結晶化"と呼んだりしますが
実はこの現象を用いた商品が売られていたりします。
今の季節ではお世話になることの多い、
"液体カイロ"です。液体カイロ中にある
金属片を曲げると温度が上がったり維持されるのは
この過冷却現象を用いているのです。
"冷却"と書きながら"熱が出る"方向になっていますが、
詳しいことは"相転移"と呼ばれる現象が起こっているのです。

この"過冷却"でひとつネタ話を。
これは自分が大学院生の頃でしたが、ある寒い冬の日
私が指導していた後輩が、有機合成化学でよく使う溶媒
"DMSO"(ジメチルスルホキシド)"を薬品棚から持ってきて
台の机に置き、実験を開始するため
ホールピペットと呼ばれる測容器を入れた途端、
薬品瓶中のDMSO全てが凍りついてしまいました。
今となっては懐かしい話ですが、後輩はその後
湯煎で暖めながら実験をやり直していましたね。
DMSOの融点が19度なので、文字通り"過冷却"を
後輩が体験した瞬間でした。


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