無線ブログ集
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「密室でおじさんたちが黙々と電線巻いていると、なんだか過激派のアジトみたいだなあ・・・。(笑)」
今日はBCLの戸塚DXersサークルの「Ultralight DXアンテナの工作会」でした。
皆さん、既に各自で一度製作しているのですが、測定器を使わずに製作したので「モヤモヤ感」がどうしてもあり、「一度きちんと測定器を使って製作してみよう!」ということになったのでした。
LCRメーターをお持ちのITさん宅が会場。お邪魔すると「おおっ、ラジオがいっぱい!」
LCRメーターとはいろいろ測定できるようですが、今回はフェライトバーにリッツ線を巻き、そのインダクタンスが目標の数値に合っているかを測定し、NGなら巻き数を変えてベストに追い込んでいくことを目指します。LCRメーターは、台湾のDER
EE社のDE-5000。秋月電子で¥8,000位で購入されたそうです。
とはいえ、まずは腹ごしらえ。おじさんだけのプチクリスマスランチ。(笑)
お腹がいっぱいになったところで工作会開始です。
最初は、各自が既に製作し、今回持ち寄った外付けアンテナのインダクタンスを測定。
基本的に理想とするインダクタンスは、Ultralight DXの提唱者Greyさんの教本に記載のある330μH。
さて結果は??
NAさん:547μH
ITさん:337μH(LCRメーター使用です。(笑))
AA815:1回目製作分 415μH、2回目受信音を聞きながら調整したもの 332μH(おおー、ニアピン!)
ところがITさんから「AA815さんのは、基板までのリッツ線が長すぎ。もっと短くしないと!」との厳しいダメ出しが。
ということで、当局ももう一本製作することになりました。
バーアンテナの理論などはネットでも多くの解説を見ることが出来ます。残念ながら当局はよくわからないのですが、Ultralight
DXに興味あるかたとしては「理論はいいからどうやって作るのか教えてよ!」という要望があると思いますので、とりあえず再現説明をしてみます。
用意するのは、リッツ線(4m)とフェライトバー。あとは塩ビのパイプ。(←塩ビパイプ関係はブログの書庫「ultralight
DXを参照ください。)
リッツ線は、ネットで探したアメリカのお店で、「Litz wire 250/#46(0.04 mm) for crystal radio coil Loop antenna
100'」です。40ドルでした。(100フィートって30m位。余って仕方ないんですけど・・・。)
フェライトバーは、aitenndoさんで「10φx180mm」、2本で900円でした。
1. フェライトバーの中央に両面テープを貼り付けます。
2. 4mのリッツ線を2つに折り、中央にマジックで印をつけます。
3. フェライトバーの中央からリッツ線を巻き巻き。
4. 巻き終わったら、ほぐれないようにマスキングテープで仮止め。
5. 片側35回巻き、両側で計70回を巻きます。
6. 接続分のリッツ線は、塩ビ管からの配線出口が右に寄っているため、左右異なるので注意です。左右の長さは33センチと26センチが目安ですね。
7. リッツ線の末端処理を行います。これを行わないと、LCRメーターでインダクタンスの測定が出来ないのです。「めんどくさっ!」。フラックス(松やに)をたっぷりつけて。
8. 一気に半田で「ジュッ!」
9. さあ、測定してみます。70回巻いて421μHでした。「高すぎじゃん・・・。がっくし。」
少しほどいて、60回で328μH。どうせ、接続線を少し切って値が下がることを想定して、62回340μHで完成としました。その後、また末端処理で半田付けして・・・。
10. 全体をマスキングテープで巻きます。テープで巻く理由は、リッツ線の劣化防止とか。塩ビ管内でのガタ付き防止としてアンテナの両サイドにプチプチを少し巻きます。
11. 完成したバーアンテナを塩ビ管に入れて、接続のリッツ線は熱収縮チューブを通してプリント基板へ誘導します。
12. リッツ線が暴れないように、写真のように両面テープ(白いヤツ)で固定します。
13. プリント基板に結線して完成です。
14. 完成したTECSUN PL-380改たち。
完成後、山梨放送を受信してみましたが、大体各ラジオも同様の受信状態でした。
15時前においとまして、帰宅後 手持ちのラジオで聴き比べ。
すると・・・。
【中波の山梨放送】
ICF-SW7600GR、TECSUN PL-310オリジナルに比べて、TECSUN PL-380改は抜群の高感度!
【中波の高周波数域 1,665kHz 東京マーチス】
ICF-SW7600GR RS51
TECSUN PL-310オリジナル RS51
TECSUN PL-380改 聞こえず(ビートっぽい音が強い)
やはり、外付けアンテナで中波の全体域をカバーするのは難しいのか、それとも当局のラジオだけの現象なのか。
聞き比べの印象としては、1,422kHzラジオ日本くらいまでは、PL-380改がダントツということがわかりました。
今回の工作会ではフェライトバーが同じ寸法であっても、個体差があって巻き数が違うなどいろいろな発見があり、勉強になりました。あとは、ワッチして遊ぶだけですね。
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