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断熱圧縮 (2016/3/27 17:04:44)
私は、車のタイヤに空気をいれるときは、自転車用のフロアポンプを使う派です。
ここ半年ほど空気圧をチェックしてなかったのですが、1.2bar(規定量2.2bar)まで落ちてました。
どーりでハンドル重いし、燃費上がんねーわけだ。
フロアポンプで、1.2bar ⇒2.2bar まで4本のタイヤに空気注入するのは
正直きついです。 うで、肩に乳酸たまりまくりでした。
そして、フロアポンプのシリンダー部は、断熱圧縮で結構熱くなります。
注入後は、やはりハンドル軽し!! 快適です!!!
さてさて、断熱圧縮といえば大気圏突入(そうか??)。
ご存じの方も多いと思いますが、隕石や弾道ミサイルの再突入時の発熱は、
空気の摩擦とよく言われますが、実際は 断熱圧縮に寄るものです。
物体周囲の空気と接触しているところではほとんど空気は動いてません。
この接触面から外に向かって空気の速度は大きくなり、 最終的に空気は、
物体の移動速度(ここでは大気圏突入速度)になります。
この速度の勾配がある層を
境界層と呼びますが、接触面では空気は動いてないので
摩擦は起こりません。
じゃどこで発熱するかなんですが、物体は移動中、空気をかき分けて境界層を形成して
進んでいきます 。
しかし、物体の進行方向にどうしてもかき分けられずに物体にぶつかる空気の流れが存在し、 このぶつかる点を『よどみ点』と呼びます。
(流体力学によると速度がゼロと定義されているようですが)
そしてこのよどみ点は、高圧でいわゆる平均分子行程が短い状態になってて、
空気の分子が
頻繁に衝突して断熱圧縮が発生します。
もし空気の摩擦が原因だとすると、物体の周囲の摩擦が発生しているところで
均等に熱くなるはずですが、実際には物体の先端(よどみ点周辺)が熱くなり、
そこから物体の周囲に熱が伝達されます。 超音速機でも同様です。
スプレー缶を景気よく放出したとき、缶が冷たくなるのはこれとは逆の現象です。
日常の中の物理現象、おもしろいですね。
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