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【対象リスト掲載】<対象リグを所有のアマチュア無線家に協力を呼びかけ>JARD、きょう4月27日から「HF帯固定局用無線機」のスプリアス実態調査を開始!! (2016/4/27 11:30:02)
一般財団法人 日本アマチュア無線振興協会(JARD)は2016年4月27日、一般のアマチュア無線家から「旧スプリアス規格」のアマチュア無線機をサンプルとして借用し、実際に発射されるスプリアス強度を測定する「スプリアス実態調査」の第2弾として、HF固定局用無線機の募集を開始した。対象はJARL登録機種および旧技適機器(旧スプリアス規格の無線機)のHF固定機で一部V/UHF帯の固定機も含まれる。機種リストはwebサイトで随時更新される。
JARDは2016年2月8日から、旧スプリアス規格のアマチュア無線機がどの程度新スプリアス規格を満足しているかを測定する「スプリアス実態調査」を開始し、その第一弾としてハンディ機やモービル機の募集を行った。
その結果、対象機種を所有するアマチュア無線家から、4月25日までに合計456件の応募(貸し出しの申し出)があり、うち401台の実測を完了した時点で、新スプリアス規格に適合していたものが367台、不適合が34台という結果になったという。
きょう4月27日からはスプリアス実態調査の第二弾として、「HF固定機」の募集が始まった。対象はJARL登録機種および旧技適機器(2005年12月頃までに製造された旧スプリアス規格のもの)製品。JARD特設ページでリストが公開されているが、「FT-101E」「TS-520S」といった懐かしい機種名も並んでいる。また「IC-575」「TS-780」など、V/UHF帯の固定機も一部含まれている。測定費用と往復の送料はJARDが負担し、2週間~1か月後を目安に実測データを記した書面とともに貸し出し者へ返却される。
JARDのWebサイト上に開設した特設ページで、第二弾の募集内容とアマチュア無線家に貸し出しを求める対象機器のリスト、申し込み方法などを公表している。ここではその概要を紹介することにしよう。
★JARDが実施するスプリアス実態調査の実施について
◆対象となる機器:
JARL登録機種や初期の技適証明機種(旧スプリアス規格の無線機)
※JARDがWebサイト上で対象機器リストを発表。
※4月27日現在、ハンディ機とモービル機、HF帯固定局用無線機を実施
※同一タイプは原則2台まで募集
※同一人からの同タイプ機種の申し込みは1台のみ
※改造機やオプションユニット組み込み機は対象外
◆費用:
無料
※スプリアスの実態調査は無料で実施。無線機の往復の運搬料もJARDが負担
◆申し込み方法:
JARDが設けた専用ページから申し込み
※正常に動作するもので、かつ改造していないものに限る
※技適番号のある無線機は技適ラベルが貼付され確認可能なものであること
◆申し込み時に必要なもの:
・無線機本体
※無線機のシリアルナンバー記載が必要
・製品の取扱説明書
※用意できない場合は簡単な操作手順書を作成し添付
・電源ケーブル、またはバッテリーパック+充電器(製品に付属のもの)
◆無線機の引き取り:
・申し込み後、JARDの指定業者(日本通運)が無線機を引き取りに来訪
・引き取り希望日と午前・午後・夜間の時間帯を指定可能(希望に応じられない場合あり)
・梱包資材は引取業者が持参(自身での梱包は不要)
◆無線機の預かり期間:
約1か月
※測定状況等により上記期間を超える場合がある。その場合はJARDから別途連絡
◆測定結果の通知:
書面等でお知らせ
※総務省が定める確認届出書に準じた書面を交付予定
◆運搬中の破損について:
・宅配便の保険金額(通常30万円)の範囲内で保険が適用される
※天災地変、輸送機関の事故等の不可抗力による損害及び貨物自体の瑕疵に起因する損害については適用されない
・実測時などJARDの責による場合は、適正な販売価格の範囲内でJARDが弁償する
◆問い合わせ先:
JARD保証事業センター
電話
03-3910-7263(平日のみ。午前9時30分~午後6時)
FAX 03-3910-7277
メール
sprs@jard.or.jp
<解説:hamlife.jp>
総務省は2005(平成17)年12月に無線設備規則にある「スプリアス規格」の改正を行った。改正前の規格で製造された無線機器は、2017(平成29)年11月30日までに免許を受けた場合は2022(平成34)年11月30日まで使用できるが、2017(平成29)年12月1日以降は旧スプリアス規格のままでの開局や増設、変更ができなくなり、改正後のスプリアス規格に準拠させる必要がある(使用期限を2022年11月30日までとする“再免許”は可能)。これがいわゆる「旧スプリアス機問題」と呼ばれるものである。
総務省は旧スプリアス規格で作られた無線機を、アマチュア無線家が期限後も使い続ける方法の1つとして、アマチュア無線局の「保証制度」を活用した、より簡便な対応方法を検討しており、旧スプリアス規格で作られた機器を対象とした「スプリアス確認保証」(仮称)という制度の追加する見込みと伝えられている。
JARDは2016年2月から開始した「スプリアス実態調査」について、「今後の保証業務の参考とするため」としているが、こうした総務省の動きに呼応したものと見られ、今後に注目が集まっている。
●関連リンク:
・スプリアス実態調査(JARD)
・JARDホームページ