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feed 20160506 KDDテストスピーチとJBOの一斉呼出 (2016/5/6 16:40:38)
今回はBCLネタではなくUTLネタです。「業務無線受信」ユーティリティーリスニングを略してUTL。UTLという言葉は40年程前、雑誌「ラジオの製作」で「Wave of the World」を連載されていた短波ユーティリティー受信の大家 ふじひろし先生がコーナー内でUTLという言葉を使われており、そこで初めて知りました。私にはアクションバンド受信という言葉よりも余程しっくりきます。


■KDDテストスピーチ 1980年頃

古いカセットテープに録音されていたKDDの国際電話短波回線のテストスピーチです。ヨコハマAA815局さんの4/19のブログでも紹介されていましたKDDテストスピーチです。ヨコハマAA815局さんが紹介されていたものとは違ってスピーチのみで音楽はありません。電波形式はUSBでした。私の記憶違いでDSBだったかも知れません。周波数は10MHz帯だったような。

1980年頃に録音したこの波は当時実際に電話に使用されていた短波回線で、北朝鮮との公衆電話回線に使用されていました。テストスピーチの後で女性オペレーターが出てきて相手局と回線状態をチェック後、女性の電話交換手さんへ引き継ぎ一般電話電話からの通話を取り次いでいました。通話の手順は下記のKDD遠洋船舶電話と同じで予め申込が必要だったと思われます。電話交換手による電話接続後、一般家庭用電話からの通話が始まります。通話部分も秘話がかかっていないためそのまま聞けます。通話部分まで録音されていますが法に抵触しますのでテストスピーチ部分のみの公開となります。通話内容も詳しく触れられませんが、日本と北朝鮮の家族や親戚との会話で日本語だったり朝鮮語だったり色々で、なぜかほとんどが女性でした。




■JBO一斉呼出 1980年頃

KDDの遠洋船舶電話局JBOの一斉呼出です。JBOはかつて存在した短波を使用したKDDの遠洋船舶電話の陸上基地局で世界中の海を航海する遠洋船舶との公衆電話回線でした。JBOの電波形式は両側波帯を含むDSB方式で船舶側はUSBを使用した復信方式で船舶側は500KHzほど下で応答します。これを録音したのは8MHz帯です。

この一斉呼出しの後、日本国内の一般電話から通話申込のあった船舶名とコールサインを男性オペレーターが次々と呼び出します。その後、船舶側からの通話リクエストを受け付けるのですが、JBOは沢山の船舶局から猛パイルを浴びることになります。交信時間の制限もありますので、このパイルでピックアップしてもらえなければ次の一斉呼び出しタイムまで待たなければなりませんでした。詳細は忘れましたが一日数回一斉呼出があったと思います。

JBO側の男性オペレーター(たぶんプロの通信士)と船舶側の通信士との間で回線状態をチェック後、JBOの女性電話交換手さんに引き継ぎ、船舶からの一般電話への通話や一般電話電話から船舶への通話を取り次いでいました。船舶電話も通話部分に秘話がかかっていないためそのまま聞けます。内容は船員さんとご家族の会話だったり、船と船会社との業務連絡だったりでした。こちらもオリジナル録音には一般通話部分まで録音されていますが、法に抵触しますので一斉呼出しアナウンス部分のみの公開となります。

80年頃にはインマルサット衛星を使った船舶電話も存在したと思うんですが、導入費用や料金が高かったために長い間KDDの遠洋船舶電話が使われていたらしく、遠洋船舶電話の料金はオペレーターを介した国際電話程度だったらしいです。



※古い記憶ですので色々記憶違いがあるかも知れません。

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