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feed 新型CB機SR-01の公開資料を読むPart1 (2016/6/8 13:13:33)

現代に蘇ったAM専用ポータブル機はDXマシンだった!

サイエンテックスから発売予定となっています、新型CB無線機SR-01の公開されているカタログからその性能を読み解いていこうという企画です。
まずは、公開されているカタログのデータはこちらです。
http://www.scientex.co.jp/citizenband/pdf/sr01.pdf

sr01_P1_00_320 sr01_P3_00_320

今回はこのカタログの1ページ目と3ページ目に書いてあることから、その魅力を掘り下げてみたいと思います。

新スプリアス規格とは?

カタログの冒頭では「新スプリアス規格」に触れています。

このSR-01が発売されるにあたって、なぜ発売されるに至ったかを考えるときにこの新スプリアル規格は非常に大きな意味を持っています。

sr01_1P_01

●新スプリアス規格対応(新技術基準適合証明)市民ラジオ
まずは、ここからですが、そもそもフリラの無線機は技適を受けていないと無線機は使用できないという基本的な決まりがあります。
しかし、この技適にも「旧技適」と「新技適」といった、2種類の技適が存在するのです。
旧技適に比べて、新技適は、より厳しい規格となっており、スプリアスに対しての許容範囲が旧技適よりもさらに厳しく制限されたものとなっています。
今後使用できる無線機は新技適を受けた無線機に限られてくるわけですが、旧技適(みなし規定が適用されている個体)の無線機は平成34年11月30日までしか使えません。
これが俗にいう「平成34年問題」と呼ばれるものです。

簡単に言うと、SR-01は平成34年11月30日以降も使用できる無線機ということです。
現在使用を許されている、技適を取得しているCB機はすべて(有志によって新技適を取得している個体は除く)、旧技適なので平成34問題の対象となり、平成34年11月30日以降に使用すると処罰の対象なる可能性があります。
もちろん、旧技適以前の規格である「型検」を取得している合法CB無線機も、例外的に 「みなし規定」 が適用され使用が認められている無線機であっても、平成34年11月30日以降は使用できなくなくなります。
●8ch 500mW ハイエンド CBトランシーバー SR-01製品情報
SR-01の基本的な規格を表現しています。
合法CBが電波を発射することが許されているすべてのチャンネルで最大出力500mW、そしてハイエンド機であることがわかります。
販売価格が¥138,000ですから、かなりのハイエンド機ということになりますが、販売数が見込まれない少量生産の製品ゆえに、大量生産された昔の合法CB機とは違って、価格がどうしても高価になってしまうのは致し方ないところです。

●『平成34年以降』の合法CBバンド防衛に向けた新基軸誕生!!
まさしく平成34年問題に対応した、「新技適」を取得した合法CB無線機であることを表現しています。
アマチュア無線でも然りですが、周波数の使用頻度が少ないところは、業務無線などで使用する周波数に割り当てが変更されることがあります。
逆に言えば、使用頻度が高い周波数は、業務無線などに割り当てされる可能性が低いということです。
使用できる無線機を新たに製造することによって、周波数の使用頻度を高めて末永く合法CBを楽しもうという目的で開発された無線機ということがわかります。

アンテナの性能がすごい!

次の文章はSR-01に採用されているアンテナシステムのアピールとなります。
合法CB機の制限された、全長2000mm以下という長さの規格に合わせたアンテナシステムに、革命的な設計が取り入れられていることがわかります。
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●性能最優先 耐久性に優れた全長1965mm大型空中線を装備
使用できるアンテナの全長は2000mmまでとなっているので、限界まで伸ばした長さ追求しているということが読み取れます。
ロッドアンテナは、日本国内でも、職人技が必要となるため製造業者が少なくなっており、海外に製造業者を求めても探すのが困難になっているだけに意外と高価なパーツとなってしまいました。
ロッドアンテナの扱いには注意したいものです。

●筐体の外に配置した高効率ローディングコイル
ロッドアンテナの効率を求めるにあたって、規格の最大限の長さ近くまでアンテナを伸ばすと、アンテナの長さに対して、周波数がミスマッチをおこしてしまいます。
それを解消するために用いられる手法として、アンテナの根部にローディングコイルというマッチングセクションを設ける方法です。
今までのCB機では、筐体内部に設置されていましたが、SR-01では、ローディングコイルからも僅かに発射される電波をも有効に活用したいという思いから、今までは筐体内部に設置されていたローディングコイルを外部に設置したということです。

●構造に妥協なきスムーズに動く角度可変機構
アンテナの可変部についても、かなりの製造コストをかけたということです。
アンテナ根部のパーツは樹脂パーツと削り出しのメタルパーツとのことです。
堅牢なつくりにするためには、予算をかけて作りこんだパーツでSR-01の大切なアピールポイントです。
角度調節に使用されているツマミも昭和30年代に作られた、スターやコリンズといった往年の無線機に使用されていたようなデザインを彷彿させます。
まさしく昭和レトロっぽいデザインで、機能とデザインを追求した部分でもあります。

フロントパネルは無線機の顔そのもの

フロントパネルを見れば、その無線機の性能はもちろん、企画意図や製品としてのコンセプトも読み取れるというものです。

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●昭和の銘機の雰囲気を21世紀に復刻
コリンズや、FT-101といた往年の無線機に見られるようなカラーと、無骨さが漂ってくるスイッチなどが印象的です。
予算的なこともあるようで簡素なデザインのフロントパネルですが、フリラ愛好家の趣味がわかっているなと思わせるツボを押さえたデザインですね。

●国産アナログメーター&LED式インジケーター搭載
上記の写真を見てお分かりのように、ソニーのCB無線機を彷彿させる7セグメントのLEDを用いたチャンネル表示が泣かせますね。
アナログメーターもレトロな雰囲気を醸し出しています。
メーターが黒色1色というのは予算の関係かもしれないですが、それもまたいい雰囲気を醸し出していますね。

●ライセンスフリーラジオ愛好家の実践運用を考慮した直観的な操作性

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フロントパネルに設置されている操作するスイッチ類は直観的に機能が理解できるものとなっています。
普段から無線機に触れている方であれば取説や操作に習熟する必要なく使うことができます。
その他の機構系の話については、カタログの3ページ目に紹介されていました。
sr01_P03_01

無線機としての性能の話です

無線機としての基本的な性能のアピールも忘れていません。
受信部の優秀さを中心に新機能の「逆スケルチ」の簡単な説明も読み取れます・

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●イメージ混信の起こりにくい周波数構成(第一IF10.7MHz/イメージ周波数38MHz)
受信部の基本構成は、ダウンコンバージョンとなっており、イメージ周波数を38MHzとすることによって混信を起こしにくい周波数構成になっています。
アップコンバージョンを用いずに、ダウンコンバージョンを採用することによって、回路構成に無理のないノウハウの蓄積もある堅実な回路構成を採用しています。

●後段の混変調を防ぐ6KHzクリスタルルーフィングフィルタ採用
最近の無線機で採用されることが多くなったルーフィングフィルター、このフィルターを採用することのメリットはダイナミックレンジを広く取れるようになることです。
強力な信号も微弱な信号も歪むことなく増幅できることを意味しています。
ルーフィング・フィルターを通過した信号は、10.7MHzのIFを直交ミキサで低周波のI/Q信号に変換し、SDR技術で復調処理とAGC処理を実現しています。
また、IFを10.7MHzとうダウンコンバージョンにしているのも、ルーフィング・フィルターの効果を容易に得られるようにとの配慮からかもしれません。

●3種類の受信帯域幅切替、RIT、受信アッテネータ
無線機の性能は、送信ではなくて、受信機能にこそ、注力すべきという基本的な概念がにじみ出ている部分です。
今までのCB無線機では、その概念すらなかった、受信帯域幅の切り替えと、現代だから必要となるなるRIT機能の採用はかゆいところに手が届くといった表現がぴったりだと思われます。
まず、受信帯域幅の切り替えですが、現在使用されているソニーとかナショナルの無線機は最低でも、製造から20年以上の年月が経過しているため、送信周波数がズレている個体も多いようです。
そのような無線機は、本来「電波の質」という概念で考えれば使用すべきではありませんが、運用している自分では正直気が付かないことがほとんどです。
そんな無線機からの信号が複数、同一チャンネルで混信状態で受信できているときに受信帯域幅の切り替えが役に立ちます。
あえて受信できる帯域幅を狭めて、RIT機能を使い、受信周波数のみ若干ずらすと、複数あった信号が受信しやすいように分離でき可能性があるのです。
またRIT機能単体では、送信周波数のズレた交信相手の信号でも、ある程度受信しやすくすることが可能です。
受信アッテネーターは過大な信号を受信した場合に使用すると、受信音が歪まずに快適に交信ができる機能です。

受信用ATT(アッテネーター)は、カタログに記載のように12dBの設定になっています。
受信目標の信号そのものが強すぎて歪むような場合は、12dBでは足りないかもしれませんが、全くの対策がないよりはあった方が快適な受信状態を保つことができます。
この受信用ATTの主な目的は混変調の緩和にあります。

ATTの効果がある例として、次のような状況が想定されています。
例えば、Esがオープンしているコンディションです。
合法CBとは別の周波数で、強力な違法局の信号が2つ以上現れ、SR-01のフロントエンドが飽和してしまったと仮定します。
違法局の周波数関係次第ですが、たまたま、本来は合法チャンネルの周波数はクリアだったのに、受信機内部で妨害成分が発生してしまったとします。
このときの、3次の混変調成分は、発生原因の信号強度の3乗に比例しています。
ここで、ATTを入れますと、混変調は、3乗で低下しますから、デシベル表記では、12×3 = 36dB ほど低減します。
目標信号は、当然12dB落ちますが、36dB-12dB = 24dBの分だけ受信しやすくなる見込みがあります。
現代だからこそ必要な機能といえます。

●逆スケルチ(過大信号時の自動ミュート機能)搭載
今回目玉の新機能がこの「逆スケルチ」です。
日本語で表現すると「逆」という言葉になるかと思いますが、英語で表現した「リバース・スケルチ」という言葉を提唱したいと思います。
この機能ですが、フリラ局が複数で運用するときに、ある局が送信状態にすると突然大きな音がスピーカーから聞こえてきてビックリするようなことがないようにスケルチをかけるという機能です。
実際に運用してみないと、思いつかない画期的な機能です。
詳しい説明はカタログの3ページ目に記載されていました。
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●独立したヘッドフォン専用端子とスピーカー専用端子
カタログの3ページ目で紹介されているのが、ヘッドフォンとスピーカーが別々の増幅回路でドライブされていることが公開されています。
設計者はどうやら、このSR-01という無線機ではアンプ(増幅回路)に、かなりのこだわりを持っていることがわかりました。
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