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feed ラジックス問題(プロのエンジニアの意見を聞いて) (2016/8/6 22:45:20)
私は、回路設計や実際の製品を作る技術は全くありません。
その辺に関しては全くの素人です。
今回のラジックス事件について、今となってはどう見ても無理筋の話だったことは素人の私が見ても分かるのですが、一体何が問題だったのか、また、果たしてこの先に明るい展望が少しでもあるのかがはっきり分かりませんでした。

そこで、日ごろからアマチュア無線やSNSで懇意にしていただいている知り合いのベテランエンジニア、A氏に今回の一件についての忌憚のない意見を聞いてみました。
A氏は某大手電機メーカーの現職エンジニアで、自ら回路設計の初期段階化から製品化、出荷後の製品のフォローまで携わっている プロフェッショナルの エンジニアです。
社名は出せませんが、聞けばだれでも分かるところで永年実績を積まれてきている方です。

なお、A氏は私がこの話を持ち掛けるまで本件騒動はのことは全く知らず、また、判断材料もラジックスが自ら公開している資料などしか見ていないので、変な下知識やバイアスは全くかかっていない、いわば素の状態で出た率直な意見です。
それを踏まえて以下の問答を読んでみてください。
どのように感じたか、ぜひ皆さんのご意見を聞いてみたいところです。

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(A氏)
少し内容を見たのですが、こりゃああかんですねえの内容です。ここまでうまくいかないのは開発進捗からして「ユーザーの意見を無茶してきいた事」と「外観と受信周りを先にやっちゃったのね」です。
本来は新技術適合基準だと送信部から攻めないと厳しいです。
回路図見てますがもうちょっと丁寧にやった方がええ感じはしました。後やっぱり出資金額少なすぎる感じはしましたね。

(私)
プロから見てもそうですか。。。ちなみに、この件を一手に引き受けているのは元八重洲無線の設計技術者だった方だそうです。。。

(A氏)
自分も業界違いますが回路設計している立場からすれば基本歩的には送信部>キャリア>受信部でプライオリティ決めて遊びやのりしろを作っておいて出来る限り使える所にはICを使って確実にそしてオーソドックスに設計すると思います。
ICの場合だとある程度スペック読めますし部材コストも抑えられます。基板もそうですが失敗すると修正大変です。
あと、現物を渡す契約ではやはり50,000円以下の出資では無理だと思います。ある程度ベースラインが決まるまでは見積もり予測出来ませんので。そう言う所で最初の出資額を設定した時点で終わってたのかもしれません。

(私)
明快な回答をありがとうございます。
まさにそこが最初の疑問で、どうゆう積算の結果あの価格が提示されたのか分からなかったのです。
しかも、通常程度の利潤を得ようと思えばさらに高くなりますよね。。。。

(A氏)
簡単に言えば損益分岐点の設定が無かったのかもしれません。少ロット生産の場合は製品に対する開発費用の上乗せが多いです。
基本的にはこの手の時は枯れた技術、枯れた回路設計やんないと企画自体がこけちゃいますね。

(A氏)
ええっとちょっと開発費用の内訳みましたがこりゃあひどいですね。
普通の業務委託であれば承認通らないです。会社が存在してるのに賃貸料・光熱費なんかは計上出来ませんね。通信費なんかこんな金額計上出来ません。

LCDはminimum orderは分かりますが自分は気が付いた段階で対応不可であれば規格変更します。おそらく事前に連絡あるはずです。開発時にminimum orderはやはりありますが見積もり時に提示されます。
これで開発するのは無理かと…

(ふくおかNX47局)
昨年10月に経過報告が出て、翌月に「開発資金の出金表」が出て、みんなひっくり返ったんですよね。
http://nx47.com/modules/xpress/?HypEncHint=%E3%81%B7・・・

(私)
思い出すのも不愉快ですが、あの破綻騒動からもう一年近くが過ぎようとしているのに、未だに現実を直視しないというか、根拠の無い変な感情論で擁護する人が一定数いて、整理がついていないことに本当呆れています。
自浄能力が全く見えません。
普通に考えたら、理念以前の話として、この人(達)にこの種プロジェクトを完遂させる能力が無かったことはもうとっくに明らかになっているはずなのに。
私は本物のお花畑は好きですが脳内お花畑は大嫌いです。

(A氏)
そうですねえ。製品群が違いますけど開発設計側にいた身からすると初期段階で見積弾かれるパターンです。最近は精査が激しいので開発に関係ない部分は全て費用として計上出来ません。過去の例では収賄など便宜を図ってるのではと疑われない様に全ての内訳を出すようにと言われます。

イニシャル設計からするのは費用が掛かる事は否定出来ません。あと、部材については長期保守を考えてセカンドソースを考えないとまずいでしょうね。ディスコンする前のパーツは自分も使いません。コストそこそこで入手しやすいものを選びますね。自分の場合も量産してから10年以上は使うものをやってたのでそこらあたりは慎重です。保守パーツの確保と言うのは設計とは別に保守する為には必要不可欠です。出荷してすぐにディスコンなんてしゃれにもならないです。

中華メーカーの場合は突如撤退はあり得るので実際には200pcsオーダーの場合はどうせ部材を1800pcs捨てると言う覚悟があるのであればLCD組み立ては200pcsで後の1800pcsは組み立て前STOPで金型・部材買い上げの方が痛みが少なくなります。恐らく想定外の事もあったでしょうが進め方としてはアウトだと思いますね。
傷口が広がる前に中止すると言うのも選択肢ですので。

(私)
もう、ただただ、ほー、へー、なるほどねぇ、としか言えない自分が恥ずかしいですが、実に良く分かりました。
私のような素人にも分かりやすい説明を感謝いたします。
やはり、本物の技術者の方の意見はとても説得力があります。

(A氏)
事実そんな感じでやってます。開発中の苦労は分からない事は無いですが、少なくとも開発費用に賃貸料を入れて来た業者は過去ありません。あったら調達部門で弾かれます。
事業規模から言えば下請法に該当する場合は特に慎重に工数計算しないとまずいですからね〜。
感情論と希望論はあっても良いですが、賛同して出資を受けた段階で納品義務は発生します。そこは分かって欲しいですね。
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いかがでしたでしょうか?

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