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【投稿】TPZ-D553とDJ-P221Lのレビュー (2016/8/7 17:22:22)
KENWOODのTPZ-D553とALINCOのDJ-P221Lのレビュー記事が、フリラjpの読者の方から投稿されましたので、紹介させていただきます。
投稿者:オオサカUW39/阪井 洸仁 氏
TPZ-D553についてからレビューします
まずKENWOODのTPZ-D553についてですが、個人的には非常に優れた無線機だと思います。多くのフリラーさんが使用されているアイコムのIC-DPR6と比較すると、TPZ-D553の受信音の質に大きな差があるように感じましたのでレビューさせていただきます。
IC-DPR6が少しロボットっぽい声になるのに対し、TPZ-D553はあたかも固定電話で話しているかのような自然な音質で非常に気持良く無線運用することが出来ます。
TPZ-D553からの送信音も非常に綺麗だとの報告を受けています。
本体も非常にコンパクトなので邪魔にならず、また側面に突起物が無いためポケット等にも入れやすいですね。
1800mAhのミドルサイズバッテリーを使用し、本体スピーカーもしくは、外部ハンドマイクで運用した場合、待機時間無く連続して5W出力、バッテリーセーブONで交信を行った際のバッテリー持続時間は5時間程度です。
しかしながら問題点もあり、送信音声のレベルが他社のデジタル簡易無線機と比較して非常に小さいとの報告を受けています。
もちろん内蔵マイクの感度設定のミスではありません。
内蔵マイクの感度を最大にしても、IC-DPR6で受信した場合、ボリュームを最大にしてやっと普通に聞こえるぐらいだと言われます。
終話告知音を発信した場合その音だけは普通に鳴るので、受信側のボリュームが最大だととても大きな音で終話告知音が鳴ってしまうという状況です。
この点サービスセンターに確認しましたが特にそういった事例は報告を受けていないようで、現時点では対応策は無いそうです。後日サービスセンサーに本体を送り送信音のチェックをしていただけることになりましたので結果が出次第ご報告いたします。
また、6月に最新ファームウェアが出来たそうです。まだホームページでは公開されていない物になるかと思います。現在流通している個体もほぼ全てが最新状態ではないとのことなのでD553をお持ちの方は一度お近くのサービスセンターに必要事項を記入した保証書と「ファームウェア更新希望」の旨がわかるメモを添えて本体一式を送られてはいかがでしょうか。更新内容については申し訳ありませんが情報がありません。
第一電波工業 ダイヤモンド MS900WKD 防水型ハンディ用スピーカーマイク(KENWOODのデジタル簡易無線機用)
JVCケンウッド ハイパワー・デジタルトランシーバー資格不要/登録局対応KENWOOD TPZ-D553SCH
DP-221Lのレビュー
KENWOODのデジタル簡易無線機(デジ簡)TPZ-D553のレビューに続いては、ALINCOの特定小電力トランシーバー(特小)DJ-P221Lについてですが、こちらはもう私から言うべきレビューは無いとも言えるぐらい皆さんよくご存知かと思います。私が思うに、今や実売価格が1万円以下で買える特小機のベストバイです。
まず買った後でも後悔は無いと思いますが、その反面いつかの不満点もあります。
まず第一に本体スピーカーからの受信音の音質が良くないですね。
受信音声が常に歪んでしまっているような感じで、交信内容を聴き取るのが難しい状態です。
せっかくのコンパンダー機能もオフにしている方が聴き取りやすいでしょう。
私はDIAMONDのスピーカーマイクMS900を外部スピーカーとして使用することで、内蔵スピーカーを使うことなく、受信音質の面の改善を行い、ある程度交信で使えるレベルを確保しました。
MS900を使用した場合、ビープ音は非常に小さくなってしまいますので気を付けてください。
賛否両論ある電池ケースのフタですが、長時間の連続運用で何度も電池を交換する必要がある場合は不便です。
しかしそれ以外の場合では外的衝撃に強く防水性も高まることから過酷な状況では有利となります。(私は割りと好きですよ)
ALINCO(アルインコ) 特定小電力トランシーバー ロングアンテナ DJ-P221L
拡張モードが拡張されてる!
次に皆様使用されているであろう拡張設定モードについてです。私の使用している個体には公式ウェブ上で公開されていない設定項目があったのでサポートに確認してみました。
既にご存じの方も居るかもしれませんが一応まとめておきます。
追加されている項目は 「tC」 と 「btS」 です。
●「tC」:テールノイズキャンセラー設定
あれ? DJ-P222の設定じゃないの、と思われるかもしれませんがその通りです。
公式スペック上は搭載されていない機能なのですが製造されたタイミングによって(恐らく最近のロットで製造された物)はこの機能を搭載しているようです。
設定はオン/オフで設定します。
↑DJ-P222の「tC」設定
●「btS」:バッテリー過放電防止設定
「btS」という項目が追加されています。
バッテリーを限界まで消費すると内部のマイコンの動作がおかしくなるので、その前に電源を自動的に落とす機能です。
通常オンから変更する必要はありません。
加えて以前からある項目 「tn」 についても変更があります。
これはトーン受信設定ですが以前はnol/SPというオン/オフのような設定でした。
これが変更され1~5の5段階で設定可能になりました。
「5」がSPに近い状態すなわちトーンを最も受信しやすい状態です。
↑DJ-P221の「tn」設定
こちらからの情報は以上です。
皆様の楽しい無線ライフがより良いものとなりますことを願っております。
オオサカUW39 阪井洸仁
編集部から
阪井氏からの投稿に対して編集部から感謝いたします。まずは、KENWOODのTPZ-D553のレビューありがとうございます。
どうやら続編のレビューがありそうなので動向が気になるところですが、やはりKENWOODのデジ簡は、音質が送受信ともにいいようですね。
これは以前、フリラjpでも紹介させていただいておりまして、フリラの間ではもはや当たり前といった状態かと思います。
デジタル簡易無線の製造についての特許を持っているKENWOODならではのクオリティーかと思われますが、その反面、その「音」で気になるところがあるのが、何とも惜しいですね。
またTPZ-D553について新たな情報がありましたら、追加情報の報告をお待ちしております。
DJ-P221Lのレビューについて
続いて、DJ-P221のレビューもありがとうございます。無線機といえども工業製品ですから、メーカーとしても日々いいものを製造するように努力をしている様子がわかりました。
またファームウエアという製造時期によって変わっていくものに対してのレビューは大変貴重なものです。
メーカーとしては、ファームウエアのアップデートに対しては、一部のアマチュア無線機を除き積極的に発表することがありません。
特に業務用無線機として、各メーカーが位置付けしている「特小」や「デジ簡」はユーザーのことを考えてあまり操作を複雑にしない傾向があります。
今回のアルインコのDJ-P221Lに対しても、付属の取扱説明書では「拡張機能」についてはネットを参照するようにという文章で説明があるだけでした。
一般的な業務ユーザーへは積極的に開示したくない機能なのかもしれませんね。
かといって、メーカーとしては、アマチュア無線のように、特小の無線機を使用して交信を楽しんでいるフリラの存在も理解していますから、一部のユーザー向けのメッセージとして、今回のような「拡張設定モード」が用意されているのでしょう。
DJ-P221の受信音については、以前から「ブチブチ」といった音が聞こえる、という情報が寄せられています。
これは編集部の見解ですが、DJ-P221に使用されているデバイスに起因する問題だと考えています。
メーカーとしては公開していませんが、DJ-P221に使用されている中核となるデバイスが、実は「ガントラ」と呼ばれているオモチャのトランシーバー向けに作られたデバイスが使用されています。
もちろんおもちゃ用といっても、既にたくさんのユーザーの方から、その実績は高く評価されているとおりです。
このデバイスを使用する目的ですが、それはズバリ、製造コストの削減にあるかと思われます。
世界的に販売、製造されている「ガントラ」ですから、その生産台数は世界的に考えてもかなりの数が製造されていると考えられます。
そうなると、その製造に欠かせないデバイスの生産個数もかなりの数と想像できますから、デバイスの価格も抑えられていると思います。
阪井さんもレビューの中で仰っているように、DJ-P221の販売価格は安く抑えられていて、コストパフォーマンスのいい無線機です。
販売価格を抑えるために本来は27MHzのガントラで使用するために製造されたデバイスを420MHzとうUHF帯で使用することを決めたアルインコの企画力と製造を可能にした 技術力の高さを感じ取れます。
ただし、その反面、独特な音質という個性を持っていることも、今回のレビューで判明しました。
この独特な音質の件についても、DJ-P222では気にならなくなっているという話もあります。
ちなみに、アルインコの特小機の中で、音質にこだわって面白い仕組みを取り入れたのが、DJ-R20Dと、デジタル機のDJ-P30Dです。
どちらの機種も受信機の筐体と同一のデザインの筐体を使用しているため、受信機の音質を追求した結果としてのスピーカーシステムを受け継ぐことができた特小機でした。
そのスピーカーシステムとは、オーディオマニアであればご存知かと思いますが、バックロードホーンの構造を取り入れています。
音声は液晶パネルの両脇から出力されていますが、スピーカーユニットは内部に配置されており、本体内部を通って、LCDパネル両脇から聞こえてくるようになっています。
更に今回はDJ-P221Lの拡張モードに「tn」設定が追加されているとありましたが、これによって、DJ-P222に搭載されているtn設定にも変化があるのかもしれません。
DJ-P222のtn設定値は「noL/SP1/SP3」の3ポジションですが、もしかしたら、DJ-P221が5段階に設定ができることに伴って、DJ-P222も最新のロットでは5段階に変更されているかもしれません。
資料
●DJ-P221の拡張設定の呼び出し方●DJ-P221セットモードについて(セットモードの取説)↓
https://www.alinco.co.jp/division/electron/dl/DJP221_setmode_inst.pdf
●DJ-P221のセットモード拡張について(拡張セットモードの取説)↓
https://www.alinco.co.jp/division/electron/dl/DJP221_extention_setmode.pdf
●DJ-P222の拡張設定の呼び出し方
●DJ-P222セットモードについて(セットモードの取説)↓
https://www.alinco.co.jp/division/electron/dl/DJP222_setmode_inst.pdf
●DJ-P222のセットモード拡張について(拡張セットモードの取説)↓
https://www.alinco.co.jp/division/electron/dl/kakucyoP222.pdf
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