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雑誌CirQ(サーク)のこと (2016/9/3 15:09:01)
FCZ研究所のホームページは何度か参考にさせていただいたことはあったのですが、CirQ(サーク)という雑誌があったことを恥ずかしながら最近知りました。2003年8月の準備号発行から始まり、2007年1月第66号をもって最終版となったようです。同研究所のサイトに全号の内容がPDFで掲載されています(http://www.fcz-lab.com/)。
パラパラめくってみると、各種ヘンテナの製作記事や短波用バーアンテナ、地面アンテナの実験、QRP送受信機、LEDによる光通信など読んでいるだけでワクワクしてくるような記事が盛りだくさん。いわばボランティア的な手作り雑誌、ここまで続けてこられたのは情熱以外の何物でもないと思います。数々の試みに満ちた実験記事が読めること自体に感動してしまいました。「難しいことをやさしく、やさしいことを面白く、面白いことを深く探究する 楽しい自作電子回路雑誌」というのが編集方針だったようで、まさにその通りの内容。「アマチュアは親切である」「出し惜しみしない」そんな編集者の思いが伝わってくるようで、いまさらながら頭が下がります。
この中に、「糸でんわ」という長期連載記事が載っていました。自分も小学生のころ、理科の実験か何かで糸電話遊びをした記憶があります。紙コップ二つを細い糸でつなぎ、5~6メートル離れて、交互に声を出し、コップを耳に当てて聞き取る。どんな感じで聞こえてきたのかもなんとなく耳に残っています。記事では、なんと50mも離れて「交信実験」。大の大人たちが「こちらJA○▽◇。もしもし聞こえますか?」「こちらJH◇▽○。59で入感」なんてやっているわけです。電力ゼロ。いわば究極のQRP。なんだかとても楽しそうで、自分もやってみたくなってしまいました(やりませんが・・・)。糸をピンと張るのが絶対条件だそうです。糸の種類とか、紙コップの大きさとか、さまざま実験を繰り返し、2005年3月の吹雪の中、ついに200メートルの交信に成功とか。さすがに200メートルも離れると厳しかったようで、風の音の合間にかすかにメリット3で交信成立、という感じだったようです。この時の様子はたいへん臨場感のある記事になっていますので、興味ある方はPDFでどうぞ。
どれもこれも読みごたえがあって、とても一気には読み切れないので、自分はプリントしておきました。ときどきめくってはアマチュアの原点を思い返してみたり、いろんな刺激をもらおうかなと考えています。
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