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時限故障装置 (2016/11/1 22:11:39)
(簡単に言うと)
20年くらい前の製品を永く使いたいなら、電解コンデンサを交換するのが無難
■修理依頼
先日、知り合いからある物の修理依頼を受け、チマチマと夜な夜な修理し、完了しました。
本人は、「ぶつけて壊した」と思っているようでしたが、結果的には「なるべくして壊れた」でした。
そんなお話です。
■時限部品
電子部品が使われている製品で、設計上明確に製品寿命を決めてしまうのが電解コンデンサです。
ある意味、タイマーでもあるコンデンサですが、日本メーカーのコンデンサは良く出来ていて、実際にはドライアップもしにくく、メーカー保証年数以上に実力は保ってくれ、仮に壊れてもちゃんとオープン故障になる事がほとんどです。
■特定世代
ところが、1990年-2000年くらいでしょうか?うる覚えですが、自作PCが流行り、それに興じた頃に出回ったコンデンサが、また危ないのです。
第4級アンモニウム塩を溶媒に使ったコンデンサです。
当然メリットがあって流行ったワケで、コンデンサのリプル電流定格を上げてくれるESRを下げる事が出来る反面、デメリットも有り、これがまた最悪。
強アルカリ性の電解液が漏れる事で、基板を腐蝕させ、ショートさせる事もあります。
昔、海外製のマザボやATX電源が壊れた話が良くありましたが、この事象かと思います。
■今回の原因も
部品の故障モードとして電源系ショートは最悪事象なのですが、この世代の製品ではしばしば見かけます。
今回の修理品もまさにこれ。
電解液が漏れ、焼損と独特の焼損臭、基板腐蝕がありました。
写真やメーカーは伏せますが、意外と身近なものだったりします。
(同事象は過去にも何度か見かけてます)
■永く使いたいなら
封口ゴムにも限界がありますので、いつかは漏れます。
漏れてしまい基板の損傷が酷くなると、修理し切れなくなります。
愛着ある物は、早目に「予防交換」されると良いと思います。
その時には、多少高くても日本製のコンデンサを使う事をお薦めします。