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クラシック音楽におけるピッチ(音高)について (2016/11/5 0:01:00)
今回の記事ではクラシック音楽に
おけるピッチ(音高)について書いてみようと思います。
基準音高とは簡単に書けば、"中央ハの上のイ音、
一点イ"の周波数を指します。
時報の"ピッ"と聞こえる低い音がこのA= 440 Hzで
皆さんお聞きになったことが必ず有ると思います。
譜面上では上記の記載音になります。
オクターブ表記
* 国際式…A4
*ドイツ式…a^1
*日本式…一点イ
現代では通常A= 440 Hzを用いて各楽器をチューニング
しますが、バッハ等が活躍していた時代は
当時使われていた音叉、楽器等から様々な
ピッチが存在しており、当時の慣習に合わせた
所謂"ピリオド演奏"では以下のピッチが有名です。
(全て平均律でチューニングする場合です。)
+ ベルサイユ・ピッチ
A= 392 Hz…主にルイ14世の時代から
フランス革命時位まで用いられたピッチ。
A= 440 Hzより全音低い。
+ バロック・ピッチ
A= 415 Hz…バッハの時代に用いられたピッチ。
A= 440 Hzより半音低い。(A♭)
現代の古楽器演奏では上記2ピッチが
有名ですが、伝統あるオーケストラは
独特のピッチを有していることが多いです。
特にウィーン・フィル、ベルリン・フィル等
ドイツ語圏はA= 440 Hzより数Hz高いピッチで
演奏する場合が多く、英語圏は忠実に
A= 440 Hzを順守していることが多いです。
日本ではA= 442 Hzのピッチもありますね。
(大体1940年代以前のウィーン・フィルの
ピッチはA= 435 Hz程度だった事が
レコーディングから解ります。)
クラシック音楽を聴く際、ピッチの事を
理解しておくと更に面白さが増します。
+ 補足
絶対音感をお持ちの方は、ピッチが異なると
譜面上の記載音との異なりで違和感を覚える方が
いらっしゃると聞いたことがあります。
一例として、20世紀のドイツ作曲家・指揮者であった
巨匠"リヒャルト・シュトラウス"はある時
知り合いが指揮するワーグナーの
"ニュルンベルクのマイスタージンガー 第一幕への前奏曲"
(ハ長調, C-Dur)を聴いてピッチが高かったため、
演奏終了後知り合いの指揮者へ首を傾げながら
"あなたはなぜ原調のC-Durではなく
嬰ハ長調(Cis-Dur)で演奏したのですか ?"と尋ねたそうです。
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