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Vol.7 周波数構成変更 (2016/11/28 20:53:34)
アンテナをしっかりマッチングの取れているものに変えた。NE612の入力/出力はシングルエンドから差動に変えた。それぞれのブロックごとにインピーダンスマッチングも取った。それでもオモチャレベルの感度しか得られない。こうなってくるとそれよりも下流、つまりLMF501かNJM386に原因があるように思えます。
現在の周波数構成は27MHzのRF入力に対し局発が16MHz、中間周波数が11MHzとなっています。この11MHzをLMF501に入力しているわけですが、 本当に11MHzという高い周波数で大丈夫なのか?
という疑問が湧いてきました。なぜIFを11MHzにしたかと言えばネットの製作記事で18MHzとか20MHzまで聞こえました!というものを複数見つけたから。データシート上では3MHzまでとなっているため本当に高い周波数でも聞こえるの?ということで自分でも組んでみて、 7.42MHz~9.65MHzまでは海外の短波放送が良好に受信できることが確認できた
ため11MHzでもいけるだろうと思ったわけです。
しかし前述の通り11MHzでの受信性能が疑わしくなってきたので改めてネット検索をしてみると、衝撃の事実が発覚!
”10MHzを超えると急激に感度が低下し、全然聴こえない”
という記事が複数・・・ある方はLMF501を複数個用意し、全てを測定してみたところ
いずれも10MHzを超えたところで著しい感度の低下が見られた
とのこと。なんてこった・・・。周波数が高くなる分、少しは感度も落ちるかもしれないと予想はしていましたが、まさかそんな急激な変化があるとは。しかも 自分が動作確認したのは9.65MHzまで 、 IFに設定したのは11.0MHz と、 ちょうど10MHzを挟んだ上と下 。なんというバッドチョイス。もう笑うしかない(^^;)
というわけで感度不足の主原因であろう箇所が分かったので、早速周波数構成を新たに決め直します。
1)できるだけIFを低く!でも455kHzはアマチュアバンドのイメージ混信がひどいので却下
2)データシート的には上限3MHzまでだけれど、クリスタルフィルタに使えそうな格安水晶がないので却下
3)手持ちに4MHzと5MHzはあるぞ!IF4MHzならイメージ周波数は19MHzなのでアマチュアバンドには被らない。短波放送もなさそうなのでこれに決定!
早速いつものaitendoで水晶探し。
23.040MHz
ってのがあるので、これならCB3ch(27.040MHz)とMIXすればIFが4MHzになるぞってことで注文。で、NE612の発振回路を利用して発振させてみましたが・・・予想していた通り、やはりちょっと不安定。16.144MHzのときはビシっと安定していたんですが・・・基本波発振なのは20MHzくらいまでという話も聞きますので、23MHzだと3rdオーバートーン発振になるんでしょうかね?
周波数ズレも大きいのでトリマコンデンサだけでなくインダクタも直列に入れて周波数を調整。しかしまぁ気難しいこと。トリマをいじると発振レベルも大きく代わりますし、Cを大きくしすぎると発振停止することも。そのためトリマは容量の小さいものに変更しました。試行錯誤の結果、23.026~23.050MHzくらいの可変範囲が得られましたのでとりあえずOKとしておきます。ここは安定性を考えると外部に発振回路を組むなどした方が良さそうです。今後の課題ですね。ちなみにフィードバックコンデンサは16MHzのときの47pF×2から33pF×2に変更。発振周波数でのインピーダンスが同じになるようにしましたが、波形は綺麗な正弦波ではなく若干尖り気味です。
ICからの出力も周波数が変わりますのでそれに合わせてコイル巻き直し。前回と同じくバイファイラ巻きにして取り出します。計算値の1.74μHに対し実測は1.62μH。実測の方が少なめになるのは分かっていたので多めに巻きましたが、もう1~2ターン多くても良かったかな(^^;)
なんとなくトリマの調整範囲外に共振点がありそうな雰囲気です。セラミックトリマはストッパーがなく何周もグルグル回ってしまうので、振幅のピークが出てもそれが共振点なのかトリマの容量の最大点(もしくは最小点)なのかが分からないんですよね(^^;)
ディップメーターが欲しいなぁ。
続いてフィルター作り。水晶が4MHzになるのでコンデンサの値も変わります(計算式は 過去記事
をご覧ください)。ひとまず広めにということで計算してみると C=1pFで帯域7.2kHz
。狭いなー。これ以上は広げられないのか。1pFなんて浮遊容量の影響を大きく受けそうです。気をつけて実装しないといけませんね。
例によって可変抵抗を使って出力インピーダンスを求めてみると3.36kΩとなりました。計算値と10倍以上違うぞ・・・。帯域も実測してみると 6dB減衰の幅は1.5kHzくらいしかない (^^;)
ちょっと周波数低すぎるのかな。狭いながらも一応0dBとなるピークが出ているのでとりあえず先に進めます。
色々と気になる点は残っていますが、週末のフィールドテストに間に合わせたかったので暫定仕様として組み付け。前回同様に各部の振幅を測定してみると、
・アンテナ入力 43mV
・IC入力(差動)70mV
・局発からICへの入力 74mV
・IC出力(差動)270mV
・フィルター入力 103mV
・バッファ出力 55mV
※値は全て実効値
となりました。NE612の入出力で見てみると
12dB弱
。データシート上の14dBには届いてませんがまぁまぁかな。フィルターでのロスが大きいのが気になりますが、最終的にアンテナ入力より2dBくらい増えてバッファから吐き出されているのでとりあえずOKかと。
さて、フィールドテストの結果は・・・?
前回か細い音しか聴こえなかった場所
で再テストしてみると バリバリ歪むくらい良好に入感
(^^)こりゃー良さそうだ!ということでハママツAF59局にもっと離れた場所まで移動してもらったら・・・全然聴こえないorz
まぢかよ。あんなにバリバリ聴こえてたのに。
IFの周波数下げてLMF501がしっかり増幅できるようになればもう余裕っしょ!と思っていただけにショックは大きい(>_<)
狭すぎるフィルターを改善することと、LMF501への接続方法も見直してみようかと思います。
~つづく~
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