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feed 宇都宮レピータはどこまで飛ぶか? (2016/12/14 20:27:54)

設置延長が決定した特小の「宇都宮レピータ」。祝!(^^)!祝
自宅からも気軽にアクセスできる為、非常にありがたい存在でもあります。

色んな所でアクセスを試みていますが、やはり10mW、どうもイメージと違いアクセス出来ない事もしばしばあり、特小の難しさを痛感しています。
そこで、実用的な範囲ってどの位なのか、実験的に計算してみる事にしました。
ただ、一気に検討計算したので、間違ってる可能性は高いです。
間違いを見つけた方は、ご指摘、ご指導のほどをm(_ _;)m

■算出方法
あくまでも"実用的な範囲"ですので、奥村カーブベースに数式化した秦式を用いる事にします。
算出は、移動局側が比較的開けた田んぼや河川敷での運用を主と想定、郊外の算出式を使います。

■超大前提
今回は、アマチュア無線家のOMが奥村カーブを実用式にされた秦式を使いますが、この近似式は2点間距離(20kmまで)、アンテナ高さ(200mまで)の条件付であり、今回算出しようとしている条件とは合致しません。
また、奥村カーブの前提として、中継器側アンテナ周辺は十分なスペースがある事ですが、これも異なります。
周辺スペースの件は仕方無しですが、距離と高さについては、奥村カーブから補正係数を導出し、秦式を補完する事にしました。
なかなか力技ですが、所詮フリラ、やってみます。

■各パラメータの考え方
主なパラメータは下記で仮定しました。
まずは面倒なアンテナ高さから。
うっかり"標高+ポール高さ"にしがちですが、この奥村秦式は周辺数キロに渡り平均した高さから見た高さですので、標高より低くなります。
ここでは設置場所高さと周辺海抜平均をとって270mにしました。
移動局高さは、ハンディーを手持ちした状態を想定し1mにしました。
通信限界感度は、説明書の最低感度-14dBuVから実力感度を考慮し2dBup。
アンテナ利得は、特小本体のサイズが波長に対し小さいので、モノポールでは無くダイポール相当としました。
なお、今回の補正係数算出は高さ200m以上450m以下、距離は100kmまでの範囲です。

イメージ 1


■まずはここから
最初に出したのは、標準大気における光学的な見通し距離。
これはざっと72kmくらいと、2点間に何にも無ければ特小でも余裕の距離です。

■郊外相当、手持ちだと…
この条件で計算してみると通信可能距離は、大凡22.7km。
意外と損失が高く、距離が延びない様です。
実際、郊外の鬼怒川河川敷(約22km)で、時折途切れる所をみると「よく一致」しています。
確かに、目視で羽黒山が見える範囲(=低仰角まで開けている)ならば完全見通しで、もっと余裕があると思いますが、何かしら間に入ったり、周りに何かがあったりすると、こんなもんかもしれませんし、周辺平野地をウロウロした結果とも"感覚的には"「よく一致」しています。

■高さを稼ぐと
手持ちでは飽き足らず、建物や堤防の上に登ったと仮定します。
移動局側の高さを上げると
3m 28.6km
5m 35.3km
となります。
実際には、ちょっと小高い壬生SA辺りまで(約29km)は、QSO可能範囲ですので、"そこだけ"見れば「良く一致」しています。

■レピータの高さ変更の効果は?
more service aera! という事で、中継器側の高さを仮に上げたとすると、
270m+0m 22.7km -基準
270m+1m 22.7km
270m+2m 22.7km
(この位が限界と思います)
と、残念ながら桁落ち程度しか変わりません。
逆に言うと、中継器側の高さよりも移動局側の高さを稼ぐ方が効果的とも言えます。

ただ…、今の宇都宮レピータは、少々建物の陰になってしまっています。
今の高さからほんのちょっと上げると、改善され遮蔽損失はぐっと下がると思います。
仮にフレネルゾーンが半分被っていて、それが無くなったとすれば、単純に損失6dB改善し、エリアが更に広がる事となります。

■まとめ
以上が結果です。
気軽にヒョイっと使える範囲は思いの外狭いみたいです。
こうやってみると、「10mWは、まずは高さから(ロケ勝負)」なんだなぁと改めて感じます。
それ故、まずは高さを稼ぎ少しでも2点間を自由空間に近づける事が大事なんだ、と言う当たり前過ぎる結論…orz


(後記)
所詮数値遊びと言えばそれまでですが、あながちズレても無い気がしてます。
見通しであれば、伝搬損失は距離の二乗に比例しますが、僕らのQSOが完全見通しになることはほとんど無く、私の単信の経験的には大体距離の3乗以上で推移している様です。

つまりは、「カシミールの結果は特小予測には合わない」とも言えると思います。
(DCRはよく合うと思うんですけどね…)

何れにせよ、回線設計の基礎であり世界標準でもある奥村カーブの凄さが、超浅いながらも少しばかり分かった気がします。



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