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link JK4HNN/とっとりLC575のブログ JK4HNN/とっとりLC575のブログ (2019/12/16 10:36:00)

feed マグネチックループアンテナ その5 (2017/4/16 7:25:52)
アンテナには2つの源流があるそうです。一つはダイポールアンテナ、もう一つはループアンテナです。ダイポールアンテナは電界型といって、コンデンサーをアンテナにしたもの。ループアンテナは磁界型といってコイルをアンテナにしたものです。八木アンテナやグランドプレーンアンテナなども電界型で、ダイポールアンテナの仲間になります。

ダイポールアンテナは2つの電極板をパカっと開いたもので、電流を流すと2つのエレメントの間に電界が生じ、電界に絡まって磁界が発生し、それが繰り返されて電波が放出されます。ループアンテナに電流を流すとコイルに磁界が生じ、磁界に絡まって電界が発生して電波が出て行きます。

コイルとコンデンサーを接続して共振回路を作ると、強い電流が流れます。コイルの全長を波長の10分の1にして1回巻きにすると効率よく電波が出て、意外に優秀なアンテナになるということが、1960年代の後半に発見されたそうです。これがマグネチックループアンテナで、スモールループアンテナともいわれます。なので比較的歴史が浅いアンテナです。

7MHzでいえば、波長は40mなのでループの長さが4mとなり、直径は1.3mです。ダイポールアンテナだと全長20mなので、とてもコンパクトです。ダイポールアンテナの常識からすれば無理矢理縮めたアンテナは飛ばないということになりますが、ループアンテナでは大きくしてしまうとループの途中で電流の向きが逆転してしまい、かえって性能が落ちるのだそうです。

現在市販されているアンテナのほとんどは電界型のアンテナで、市販のマグネチックループアンテナはほとんどありません。メーカーや大学の研究室ではなく、世界中のアマチュア無線家が工夫をこらして自作しながら研究を深めているアンテナです。これはすごいと思います。

実は意外に身近なところにこのアンテナが使われているそうです。電車や買い物で使うICカードに、このアンテナが組み込まれているそうで、なんと13.5MHzの短波帯が使用されているそうです。アマチュア無線で使う14MHzに近いですね。小さくしてあるので電波が遠くまで届くわけではなく、カードリーダーとの間の超近距離での通信だそうです。

利点はなんといっても小型ということです。ベランダでも十分置けます。アースも不要で、周囲の建物などにも影響を受けにくく、室内でも使用できます。ダイポールアンテナは十分な高さがないと性能がよくないですが、これは低くてもOKです。また8の字の指向性があります。ノイズがあるときは方向を変えてノイズを抑えることが出来ます。

欠点は帯域が非常に狭いということです。ダイポールアンテナなら一度調整してしまえばバンド内で周波数を変えてもそのまま出られますが、このアンテナではその都度バリコンを調整するので面倒です。でもまあ逆に楽しいともいえます。モーターを取り付けて遠隔操作できるようにしている方もおられます。
それと、耐圧バリコンが製造中止で新品が入手しにくくなっています。古いラジオやステレオチューナーから取り出したりしてもよいと思います。コーラのアルミ缶やブリキ板でバリコンを自作されている方もおられるようです。

注意点は電気が良く流れる材質を使うことです。銅が良いですが、錆びやすいので屋外に設置するならアルミが良いです。また太く、表面積が大きいものが良いので、ワイヤーではなくパイプとか板状のものが使われます。また、しっかり整合させて送信機のパワーが無駄なくアンテナに供給させることが大事です。SWRを下げるということがダイポールアンテナ以上に大事なようです。

あと、高電圧になるので送信中にエレメントやバリコンに触れれば感電して危険です。5Wでも1kV近くなるので、ビリっと来るどころではないでしょうね。まあ手持ちではなく三脚に立てるのが無難でしょうね。オーストラリアの局長さんは海岸をとことこ歩きながら手持ちでやっておられましたが。

ではまた

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