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feed 泉ヶ岳の伝搬 (2017/7/3 9:40:05)



 定点運用を続けている泉ヶ岳。日帰りで手軽に登れることやQTHが仙台市ということで真冬を除き年5~6回ほど登っています。標高1800m前後の蔵王連峰に比べ約500m低い一方、奥羽山脈の主脈から東に離れ、仙台平野に突き出た山頂で太平洋にも近い、といった特徴があります。この山頂の電波伝搬(主に145MHz)について、現時点での印象を書いてみます。




 山頂(1172m)のロケは台形で見晴らしは良くないものの、地形的には東西南北に開けています。山頂台地の一角からは、遠く仙台のビル群が一望のほか、蔵王はじめ奥羽山脈の山々、その奥に朝日連峰、北に栗駒山などが眺望できます。標高600mほどの駐車場付近で運用される局は多いですが、倍の標高となる山頂はまったく異なる伝搬といってよいと思います。

 これまでの交信実績から、145MHzFMで宮城県内全域と山形県村山〜置賜地方、岩手県盛岡市近辺、福島県浜通りいわき市、中通り白河市あたりまでをカバーするようです。新潟県も長岡市まではロケの良い局とはつながっています。1エリアは神奈川、群馬、栃木の信号は何度か受信のみできていますが、今のところ交信実績はありません。ただ、DCR(5W)で栃木県大田原市の御亭山、特小(10mW)で茨城県大子町の八溝山と交信できています。交信距離としては200kmに届かず、150〜170kmといったところです。カシミールで調べてみると、蔵王熊野岳の場合、1エリア方向は安達太良山が障壁となります。一方、泉ヶ岳は蔵王、吾妻、安達太良、那須連峰の東を抜け、さらに八溝山もすり抜け、大きな障壁は見当たりません。これで標高がもっと高ければ言うことないのですが、位置と地形だけで考えれば145MHzでも交信できてもよさそうな気がします。

 一方、西方向の0エリアに関しては、思いのほか、信号の伸びが感じられます。この山頂より標高の高い奥羽山脈、朝日連峰、飯豊連峰など二重、三重の障壁があるにもかかわらず、いくつかの局とは実に安定したQSOが可能です。また0エリアのコンテストの際は、モービル局を含む移動各局が入感し、交信もできています。なにか複雑な反射や回折であることは間違いありませんが、いつも不思議な感覚にとらわれます。ただ、熊野岳のように北アルプスや中央アルプスの移動局が入感ということは今のところありません。山岳回折を意識し、鋭角な山、たとえば雁戸山や大朝日岳などに八木を向けてみるなども試してみる価値はあるかもしれません。

 北については、栗駒山から先は山また山、太平洋側も北上山地が連なり、あまり良い印象はなく、交信実績も少ないのが現状です。八幡平や早池峰山、平庭岳移動局、盛岡市固定局とはつながっています。秋田県の局とはまだ交信がなく、船形山や栗駒山が壁になっている印象。8エリアの信号が聞こえてきた、などということも皆無です。

 現状はそんなところです。仙台市泉区QTHの貴重な山頂であり、定点運用を続けていけば、何らか得られるものもあるのでは?と考えています。


<山頂からの可視範囲>
 地図ソフトのカシミールで泉ヶ岳山頂からの可視範囲を作成してみました。西は朝日連峰のほか、飯豊連峰の北股岳、梅花皮岳、頼母木山が見通し。ただ、実際に飯豊の山を目視できたことはありません。長岡市との伝搬は、北股岳付近の山岳回折である可能性が高いように思えます。北は奥羽山脈が良くありません。わずかに焼石連峰の経塚山。北上山地は広範囲に見通しがきき、沿岸部の五葉山、六角牛山、氷上山。内陸部の早池峰山、薬師岳。北限は盛岡市の北にある大尺山。南は、吾妻連峰は可視外であるものの鬼面山、箕輪山、鉄山、安達太良山が見通し。阿武隈山地の多くも可視内。日山、女神山、羽山、麓山、大滝根山、片曽根山、口太山、移ヶ岳など。南限は八溝山から高笹山あたり。



 標高が低い割には、なかなかの山頂といえるのではないでしょうか。これらの山々の幾つかとは特小1mW・10mWでも既につながっています。偶然の機会にでも恵まれれば、QRPにて山頂同士、交信してみたいものです。







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