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ラジックス問題(プロのエンジニアの意見を聞いてみた)その3 (2016/8/7 22:41:02)
更に、徒然なるまま、素人丸出しの私に分かりやすく説明してくれるプロフェッショナルエンジニアA氏とのトークは続きます。
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(A氏)
ブログ見ました。最後の所のプロジェクトについては間違い無く失敗です。私なら途中で開発止めて開発した物は土に埋めるかドブに捨てるかどちらかですね。本当にヤバいのならR2014の段階で開発中止にするのがロスを防げたポイントだったと思います。
(私)
おそらく、見る人が見たら、もっと突っ込みどころがあるんだろうと言うことは想像に難く無いです。
ただ、正式に監査を依頼された訳ではないし、ネタも少な過ぎますよね。
(A氏)
あれですねえ。部品代が320,000円は3セット分には高すぎて319セット分だとボロ損です。回路設計はおそらく基本仕様決めないまま設計してます。回路設計の仕方も古いです。
(私)
はい。 前段の部品代の部分に関しては
冷静な関係者は皆似たような意見です。
後段については、プロにしかわからない部分です。そうなんですね?(ーー;)
(A氏)
あの回路図のパーツだと30万は超えません。3万でも高いです。手っ取り早い方法は回路図からBOM(Bill Of
Material:部品リスト)が自動生成出来ますので直ぐに分かりますよ。もしそれすら出せないのなら回路設計能力を疑います。
(私)
それは、1台当たりの部品のみの原価という理解で宜しいですか?(組み立て費用などを除く)
(A氏)
基本はその通りです。組立費用は別勘定ですが、同じ人が組配をしている場合は人件費の範囲内なので人件費に入れたらアウトです。
その場合は組配費用を別勘定にするとアウトです。
基本的に同じ人が作業しちゃうとそこは基本的に人件費に含めないといけません。組配費をもし同じ人がやったのにも関わらず別勘定にすると組配の作業時間が人件費とダブルで請求されます。その部分は費用請求としてはおかしいです。
回路設計もやってますが何年間かはマネージメントもやってましたのでここらあたりは気を付けるポイントです。組配を別の人がやったり複数の人でやった場合は勘定してもOKです。
(私)
この会社の場合、社長1人の従業員無しだから、作業を外部委託しない限りは組配費用を計上してはならないという理解で宜しいですか?
(A氏)
一人作業なら実作業時間として人件費に計上はOKですが組配費用と言う部分では上げません。比較的グレーな部分ですね。
あと、資料作成やら手配資料作成は人件費カウントOKです。本当は基板も大変なんですよね。ここも業者様で変わる所ですね。一応手配関係は国内も海外も経験ありますがお金周りは大変です。
一応一通りの工程はやってますので中身は分かりますし、元々はアナログ製品やってましたので回路もまあ分かります。
(私)
すみません。ちなみに「組配」というのは、組み立てと配送という意味ですか?
(A氏)
組配とは組立・配線ですね。
(私)
配線ですか。なるほど_φ(・_・
というとは、さらに雑費がかかりますね。
梱包やら発送やら。
マニュアル作成なんかもありますし。
(A氏)
色々ありますよ。本当は開発前に設計仕様書作らないといけません。基本スペック決めないといけません。通信系の場合はレベル配分表が要ります。
(私)
うーん。いずれにせよ、現段階で公開されているラジックス社の資料だけでは、そこまで綿密に検討計画をされていたのか判断は難しいですが、その形跡は見当たらないように思えます。
率直に言っていかがお感じになりますか?
(A氏)
今まで使った費用を適当に並べただけです。まあうちの会社でこれと同じ事やったら懲戒解雇ですね。
お金手に入ったので環境整備しちゃおうと言うのが見え見えです。
やはりここまでやっちゃったのであれば説明責任とリカバリプランは必要だと思いますがリカバリしようがありませんね。
(私)
事、ここまで至ってしまったからですね。
これまでも、いくらでも引き返せるポイントはあったと思うのですが。。。
(A氏)
そうですね。 個人的にはギブアップ宣言がベストだと思います。
自分なら即止めますね( ̄▽ ̄)
傷口広げる前に止めないとまずいですから。
うちだとやらかしたら拷問と魔女裁判ですね((((;゚Д゚)))))))
海外向けでも本当にヤバくてリスク回避の為に開発開始前にギリギリで止めて路線変更した事があります。
本当に理解しないといけないのは、
零細系の企業に取って8桁の投資は博打に近いので確信持てないのであれば委託を受けたり出資を受けてはいけない
と思います。
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これまで私が訴えていたことをプロの視点からも裏付けていただきました。
もちろん大手メーカーと個人事業者とではやり方が違う部分もあるでしょうが、Aさんの話はその辺も踏まえたうえで基本を教えてくれました。
やはり私の認識は基本的に間違っていなかったようです。
すなわち、ラジックスの事業は開始当初から製品開発のセオリーを外れていて、その結果として現在はすでに回復不能な破綻状態にあり、今後も決して好転は見込めないということです。
奇特な篤志家でも現れて、開発にかかる全費用を肩代わりするなどのありえない事態が無い限り、プロジェクトが完遂する可能性はほとんどありません。
出資者の皆さん、もしこの状況で追加出資を依頼されたら応じますか?
また、出資者でない方、もしこの製品を販売すると言われたら本当に買いますか?
私なら絶対に嫌です。子供に遺言として「ラジックスには近づくな」と言い残したいくらいに嫌です。
さて、ラジックスと一緒に心中したい一部の方はさておき、このプロジェクトから手を引きたいと考えていらっしゃる多くの方はどうすれば良いのでしょうか?
これこそ、一番議論すべき大切な話ではないでしょうか?
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