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link こちらはサッポロ-RX178 無銭実験局運用中 こちらはサッポロ-RX178 無銭実験局運用中 (2019/12/16 10:37:15)

feed NR-770R 利得表示が変わっていた、、という事は (2019/3/20 11:21:12)
 無線機屋さんで、何気なく見た「NR-770R」。
 結構これを使ったことがある人って多いと思うんですよね。
 どんくらい前からあるのかわかりませんが、少なくとも私が高校生の頃には間違えなくありました。一時期バイクに付けていましたからね(笑)

 んで、数ある似た様なアンテナからこれを選ぶ理由として、長さと利得をパッとみたときに「3.0db」と表示がされているわけですわ。
 他の1m級のモービルホイップは概ね「2.15dbi」なんて感じのが多いですよね。
 まぁ他でも3.0dbなんてものもありますが。

 特別なんてことも思っていなかったわけですが、デジタルコミュニティ小電力無線が登場した時に「あれ?表示がおかしくないか??」という疑問を初めて持った訳です。今更なんですけどw

 疑問点は、「db」と「dbi」の関係は以前も記載しておりますが「0db」 ≒「2.14dbi」となります。単純にdbに2.14を加算したものがdBiとなると考えるわけですが、NR-770Rのパッケージやら説明書には「3.0db」と記載されておりこれをdbiにすると「5.14dbi」になってしまうわけですよ。
 さすがに構造上無理じゃねぇか?って思ったわけです(笑)

 基本的な話ですが、1/2λのアンテナは理論値として「2.14dbi ≒2.15dbi」で、何か工夫してある程度利得を上げることが可能なのかも知れませんが、倍以上の利得を得るなんてことは無理でしょう。
 というか、1/2λのフルサイズなアンテナは2.14dbiであるはずなんです。
 1/4λもフルサイズで2.14dbiであり、じゃあ1.5dbiとかなんじゃ?となりますと端的に短縮アンテナ(60%で1.5dbiだったか?)じゃいと。
 
 こんな前置きをしておいて、タイトルの通り無線機屋さんに置いてあったNR-770Rの利得表示を見ると、パッケージに「145MHz 2.14dbi」だったか2.15dbiだったかの表記。写真を撮っておけばよかったわ~って思う所ですが、その場でiPhoneを用いて検索した所第一電波工業のHPでは3.0dbのまま。
 店に第一電波の営業さんが居たので、突っ込んで聞いてみたら

 「結構そういう質問あるんで、前に技術に聞いたことあるんですけどウチの独自表記ってのがあるらしいんですよね~」

 なんじゃそら(笑)
 色々話をして自己的に検証すると「db」表記のは何となく「独自表記」っぽく「dbi」に関しては理論値表記な感じがします。
 まぁここで問題なのは「db」は普通に考えると「dbd」の略であろうかと思うのですが、特段何の略とは記載されておりませんしねぇ~

 一方で第一電波の業務アンテナは「dbi」で統一されています。
 これは業務機はDCRやデジタルコミュニティ小電力無線同様、無線機に使えるアンテナが決まっていますので「テキトー」じゃダメだからかと思います。
 だから「2.14dbi」という表記になるんです。同じ様なアンテナでアマチュアだと「2.15dbi」になるんです。
 ちょっとでも利得を多めに表記することで売ろうとする気持ちですね。
 まぁぶっちゃけ本来は 0db=2.148dbi なので近似値的には2.15dbiなんですが、世の中そうなっているのだから仕方ないんです(笑)

 んで話を戻して、NR-770Rのパッケージが2.14だったか2.15dbiになっていた事実。
 コメットはよくわかりませんが、ともかく第一電波的に3.0dbと記載されていた他の1/2λのアンテナ達は基本的に2.15λとして扱えると思います。
 思うというか、そうじゃないとおかしいというか。

 ふと今第一電波のHPで当該アンテナの記載がどうなってるか確認してみたところ(3/20現在)
イメージ 1

 こちらは「2.15db」とな。iは無い。あくまで「省略」と言い張る所なんだろうかw

 んでもって昔から変わらない取説は

イメージ 2

 もちろん変わらず3db。取説へのリンクには「利得表示でdbとdbiが混在しておりますが、どちらの表示も絶対利得(dbi)とお考えください。」と表記。
 どちらもdbiとしても、2.15と3が混在しているのが問題(汗)

 結局突き詰めていくと「まぁアマチュア無線だからねぇ」で終わっちゃうんですよね。
 アマチュア無線は利得に制限はありませんし、無線界の中でみれば「所詮アマチュア」なわけですよ。これは仕方ない事だと思います。

 正確な表記がされていない以上、中々アマチュア用のアンテナをデジタルコミュニティ小電力無線に転用するのが難しく感じられるわけですが、少なくともメーカーが「2.14dbi」なり「2.15dbi」と表記しているものに関しては問題が無いと思います。
 単純に長さ(1/4λなら50cmくらい、1/2λなら1mくらい)を見る事で、2.14dbiのアンテナであり、145MHz帯用のアンテナであれば中心周波数は145.00MHzに設計されているんですよね。
 んで、デジタルコミュニティ小電力無線の場合周波数が若干離れている訳ですが、敢えて中心周波数を出すとすれば概ね145.50MHzとなります。
 1/4λでも1/2λでも、特別余計なもの(コイル等々)が付いていなければ、3MHzくらいは帯域内になるはずですので、問題無く使える代物になると考えられると「思います」。

 逆に、ぴったり143.9MHzと146.9MHz付近のみで使える様なアンテナを作る方が本当に困難かと思うんですがねぇ~

 余計な物がついていないアンテナで、日本アンテナ製の方式がわからんVHF簡易無線購入時に一緒に仕入れたものですが、1/4λで中心周波数は154.5MHzくらいになっていると思われる代物。
イメージ 3

 まぁありがちな150MHz帯用の業務なアンテナですね。パトカーのAPR用と型式は一緒らしいですが。

 んで、こいつのSWRを見てみました。
 ※あくまでSWRは目安であり、共振が確実に取れているとは限りません。

 一般的な実用範囲内のSWR1.5を目安に下限は
イメージ 4

 142.452MHzとなりました。インピーダンスが若干アレですが。

 んで上限は
イメージ 5

 161.510MHz こちらもインピーダンスが結構アレですがSWR値での上限値です。

 んで、154.5MHz付近だとSWRが1.2くらいだったのですがピッタンコっぽいのが

イメージ 6

 2MHzくらいずれてるけど、まぁいいかってレベルですよね。
 購入して結構な年数と、エレメントが曲がったりなんだりですからこれくらいは止むなしです。
 
 しかし、こんなタマにしか使わない簡易業務のSWRなんぞどうでもいいんです(笑)
 本命はデジタルコミュニティ小電力無線です。

 まず下の方の143.9MHz付近を、、、

イメージ 7

 SWRが1.3くらいで、インピーダンスがちょっと低いものの、まぁ実用範囲内でしょう。

 んで、上の方は、、、

イメージ 8

 あれ?
 これってデジタルコミュニティ小電力無線専用?って思うような数字ですね。
 SWR1.0ちょいで、インピーダンスもほぼ50Ω。
 上記通りSWRが1.0だからといって確実に共振しているとは言い切れないのですが、ほぼ言えるとも言えます(笑)

 アマチュア無線の144/430な1/4λのアンテナより、よっぽど数字的にはよろしいですね♪
 これぞまさに「余計なものが付いていない」アンテナの実力です(笑)

 ちなみに、142MHzから161MHzまでインピーダンスはそれなりですが、SWRは1.5以下でした。
 
 ただし、アンテナの良し悪しは帯域の広さではなく「使用したい周波数にピンポイントで共振する」ものが最良です。
 業務アンテナ等で指定周波数で作成してもらうと、ビタっとその周波数だけに共振しSWRもちょっと周波数がズレるとすぐに3オーバーというようなアンテナが本来良いんです。
 だから特段このアンテナが「良い」わけじゃないんですが、使い勝手が良いアンテナとして捉えていただけると幸いです(笑)

 むしろ針金のみのアンテナだと、こうなっちゃうのが普通です。
 指定周波数でバシっと作ってもらう事もありますし、予算の都合でブロードなアンテナを購入することもありますが、いずれにしろやはり日本アンテナの製品は信頼がおけます。値段もお高いんですが(苦笑)

 かなり脱線しました)(汗)
 
 ともかく、アンテナの構造的にですがNR-770Rの場合430MHz帯も使える様にする、300MHz帯も受信できる様にする(実際SWRも下がってよく飛びますが)等の「余計な事」(あくまでデジタルコミュニティ小電力目線で)をするために、位相コイルが付いているわけですが、145MHz帯ではおそらくこれはそんなに作用していないコイルですよね。
 430MHz帯を5/8λ×2に(約0.86m)合わせるため、そして300MHz帯に合わせる為のコイルと考えられますから(145.00MHzの1/2λ=1.03m 通常計算式より若干アンテナは短い)0.99mのNR-770Rはコイルが作用していないと考えられるわけですわなぁ。きっと。

 もちろんアマチュアでも、アマチュア帯域より外はフィルタリングされていたりするアンテナもありますので、そういう役割を果たしている可能性もあり、全く何も作用していないとは言えませんが、NR-770Rの場合はそんな事なさそうです。

 私がここで息巻いても何の効果も無いとは思いますが、是非アマチュア無線のアンテナ製造メーカーさんは業務と同じ規格で利得表示をして頂きたいと思います。
 私なんかよりもっと「3dbってw」と思っている方がいらっしゃると思います。
 
 業務や簡易を求める人は、ぶっちゃけ「無線機屋が持ってきた物をそのまま使う」ってレベルです。業務は無線従事者がアレコレ調べたりするかもですが、規格が定まりすぎて調べるだけで終わるんです。使えるものが限られているので、ぶっちゃけ無線機屋さんが持ってくるものを使うしか無いのが一般的です。
 一方アマチュアは各々の予算や環境の中で、使える最良の物を血眼になって探すわけですわ。
 ここで「独自規格の利得」と「絶対利得」が混在するなんてあり得ないんですよね。
 逆にアマチュアなんだから、自分で色々研究すべきとも思えるのですが、アマチュアだからこそしっかりそこら辺は知った上で購入したいと思うわけです。

 ま、気付かない方も気付かない方だなって思いましたよ(苦笑)
 プロ免許も所有してから20年以上気付いていなかったんですから(照)

 日本人ってメーカー表記の数字は基本信用すると思うんですよね。
 特に日本のメーカーが製造している物は確実に信用しちゃうと思うんです。
 私もそのタイプですし、ましてアマチュア無線のアンテナったらVUじゃ圧倒的に第一電波が最たる企業じゃないですか。
 そこがそんなしょうもない表記をしていたと思うとね~

 ただ、比較的新しい商品は「絶対利得」を表記している物が大半で、無線ブームであった2,30年前からある物は「独自規格」を用いて表記している物が多く感じます。
 また、ここでいう「余計な物が付いた」アンテナ等もあり、ちょいちょい一概に「長さ」だけで100%、145MHzの1/2λのアンテナで約1mのアンテナは2.14dbiじゃ!とは言い切れない部分もあります。まぁシンプルなやつなら大抵は、、という感じですけどね。

 詳細をわかっているのは第一電波だけでしょうが(他メーカーも同じ様な表記ならそのメーカー)、デジタルコミュニティ小電力用に使いたいが故にそんな質問をしても「もうちょいで専用品が出るからそっち使って」と言われるでしょうし(笑)

 そんな何やかんや勝手な考えを延々と述べましたが、こんなん総通に聞いても「メーカーに聞いてください」って言われるのがオチです。そりゃそうでしょう。
 表記を信じて使う分には問題がなさそうですが(新しいNR-770Rのパッケージを見て2.15dbiだと言い張るのもアリ)、そうじゃない使いたいアンテナもあるんですよ。

  CQオームで、ナテックのロッドアンテナが再販されておりますが 、よくよく考えると、第一電波のRH770(144/430 93cmのロッドアンテナ メーカー表記 3db/5.5db 1/2λ5/8λ2段)も、これって普通の1/2λアンテナだよなぁ、、、、と。
 パッケージがいつの日か2.15dbiになると思うんですが、なれば堂々と使えますよね~

 ぶっちゃけ、そんなに使いたいならナテックのロッドもそんなに高く無いんだから買えばいいだろって話ですよね(笑)
 と思うと無駄に買っちゃいそうだなぁ、、、、
 絶対使わないんだけどなぁ、、、、(でかいアンテナ使いたいならアローラインを使いますので)

 でも無くなったら悔しいから買っとくか、、、と購入を決めちゃう私がここに居ました(照)

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