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feed 2エレ八木NY144X (2019/6/15 18:40:06)


 このアンテナのことは何度か書きました。2エレであれば、HB9CVもあればモクソンもあります。三脚との相性から言えば、エレメントの短いモクソンに分があります。利得ならHB9CVかと。欠点はどちらも濡れに弱いということ。給電部の作りの甘さゆえなので自業自得なのですが、雨天やガスがかかった時の水滴付着でSWRが悪化してしまいます。

 一方、NY144Xの利点を考えてみると
 1)給電部がしっかりカバーされ、濡れに強い
 2)超ナロースペースのため山頂で目立たない
 3)ロッドエレメントの調整で430MHzでも使用可
 
 といったところです。山頂でガスがかかっても安心して使えます。それ以外にも利点があり、この間、使う頻度が上がっています。いくつか自分なりの使用感を備忘録としてまとめてみます。


 
〈超ナロースペース〉
 このアンテナの一番の特徴かと思います。エレメント間隔がわずか12.5cmしかありません。三脚に設置すると、ホイップ系アンテナとあまり変わらず、威圧感なし。山頂でもあまり気兼ねせずに使えます。

 こんなに超ナローで性能としてはどうなのか? 利得的には犠牲になっていることは否めないものの、指向性は2エレにしてはけっこう感じられます。41の信号が方向を合わせると52くらいまで上がります。メーカー的には狩猟用受信アンテナということになっていますが、送信も問題ないです。仕様では耐入力10W。実際5W〜10Wで使って特に問題ありません。聞こえるのに飛ばないということもなく、むしろ、こんな超ナロースペースでも飛ぶものだな、と思ってしまいます。




給電部 


〈マッチング〉
 2本のロッドエレメントをすべて伸ばした状態で145MHz帯にマッチングします。個体差があるのかわかりませんが、エレメントを平行にすると共振点が145.300~400あたりになります。導波器側をほんの少し内向きにすると145.000、さらに内向きにすると144MHz帯に下がります。帯域は極端に狭くはないので平行で良いと思いますが、自分はSSBを念頭に若干内向きにして使っています。


導波器内向き状態で測定


<偏波面>
 三脚にクリップで固定しているだけなので、偏波面を自由に変えられます(もともと手持ち八木)。相手局の信号によっては、垂直でなく水平や斜めの方が強くなることが珍しくなく、意外な効果を実感することが多いです。


〈430MHzでの使用〉
 何度か書いた通りですが、ロッドエレメントを2本とも最短にすると、430MHzに同調します。メーカーとしては、このような使い方は想定外と思います。145MHz用マッチングコイルが入っているため、ロッドの長さを調整しても完全にはSWRが落ちません。でも、1.5以下でバンド内を広くカバーし、受信、送信とも悪くないです。同じナテックの430用3エレ八木と送受信比較をしたところ、ほぼ同等の結果でした。D-STARレピーターへのアクセスに重宝しています。


〈マスト材質〉
 このアンテナに限りませんが、金属マスト(ポール)は要注意です。マストと下部エレメントの位置関係によっては、微妙なノイズを拾うことがあり了解度を悪くします。共振点が変わることもあります。ある時、これが原因の弱いノイズに気づき、今は塩ビパイプを使うようにしています。


 10年ほど前、山岳移動を始めたころに購入したアンテナです。2~3回使い、長く物置で眠らせてしまいました。使い勝手の良さを再認識した次第です。仕様は今のは少し変更されているかもしれません。







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