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湯田川温泉 (2019/8/15 14:47:27)
鳥海山下山後、湯田川温泉に宿泊しました。鶴岡市の中心部から車で南に15分ほど。田んぼの中の道を進むと、小さな集落と商店街に入り込み、そこが湯田川温泉でした。鳥海山からも海からも離れた内陸にあり、なんとなく目立たない存在で、気にはなっていたものの、これまで足を踏み入れたことはありませんでした。
奥まった小さな湯町といった風情で、ほとんどが木造2階建ての宿ばかりです。湯田川といっても川はありません。江戸時代かそれよりもっと古くからの宿が多いものの、年々少なくなって今は8軒ほどとか。お世話になった宿は、一度廃業したあと再開したのだそうで、ここではもっとも新しいとのことでした。老舗旅館などというと敷居が高いという固定観念があって、はじめから敬遠してしまうのですが、湯田川はそういう風はなく、湯町全体の古さに馴染んでしまっている、そんな感じを受けました。
もともと山里なのか、温泉があって人が住み始めたのかわかりませんが、温泉街の周りに一般の家があり、そして中心に「正面湯」という共同浴場があります。住民の方はカギを持っていて、好きな時に入ることができるようです。浴場の前で休んでいたおばあさんに話を聞いたら、中を見せてくれるというので、カギを開けてもらいました。2m四方くらいの湯舟に尋常ならざる量の湯が注がれていました。湯田川の湯はぬるめです。大量に投入しても熱くないのです。それにしても気持ちよさそうな共同湯でした。
散策してみました。
「鶴岡の奥座敷」などと言われ、大いに賑わった時代もあったのだと思います。ただ、多くの温泉地のように巨大ホテルがあったり、それが廃墟となったりということもなく、バブル期もよこしまな商売気を出さなかったのか、気負いのなさがここの良いところかもしれません。昭和の町並み、細い路地、ぬるめの湯、気に入りました。
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