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アイコムからマリン用ハンディー機IC-M37Jが発表! (2019/11/1 13:27:45)
アイコムから国際VHF(以下、国V=こくぶい)に対応したハンディー機が発表されました。
すでに海外市場ではIC-M37として発売されていましたが、日本国内市場向けに出力などを日本仕様にしてIC-M37Jとして発表となりました。
無線機が水に浮いて光る
IC-M37J最大の特徴が水に浮いて光るという機能です。
海上で使われるIC-M37Jですが、当然のことながら海へ転落したり遭難で船が転覆したり、最悪の場合は沈没することも想定されています。
アイコムでは「Float’n
Flash機能」と呼んでおり、2011年にアイコムが世界に先駆けてマリン用無線機に採用した機能となります。
国V運用には資格と免許が必要です
国Vの運用には資格と免許が必要となりますのでライセンスフリーというわけではありませんが、国家試験や講習会で従事者資格は取得でき、局免許を取得する必要があります。
●従事者資格
・携帯型5W(DSC機能なし) 第3級海上特殊無線技士(3海特)以上
・携帯型5W(DSC機能あり) 第2級海上特殊無線技士(2海特)以上
・据え置き型25W 第2級海上特殊無線技士(2海特)以上
※DSC=デジタル選択呼出し装置、簡単な操作でグループ呼び出しや遭難信号の発信が可能。
●無線局免許
・国Vを運用する場合は無線局免許(特定船舶局)が必要。(有効期間5年)
・無線局(特定船舶局)の免許は船舶1隻ごとに1つの免許となる。
実際に国Vを運用するためには、従事者資格を取得したうえで、無線局免許を受けて運用ができるということです。
■第2級海上特殊無線技士の操作範囲
海岸局及び船舶局の次の無線設備の国内通信のための操作
ア)1,605kHz~4,000kHzの電波を使用する空中線電力10W以下のもの
イ)25,010kHz以上の電波を使用する空中線電力50W以下のもの
海岸局及び船舶局のレーダーの操作
■第3級海上特殊無線技士の操作範囲
船舶局の次の無線設備の国内通信のための操作
25,010kHz以上の電波を使用する空中線電力5W以下の無線電話
船舶局の5kW以下のレーダーの操作
少し衝撃的なYoutubeで公開されている欧米仕様のIC-M37とIC-M37EのFloat’n Flash機能のデモ動画です。
水に浮かんだ場合、操作面が水上に露出した時は「液晶表示パネル」が光り、背面が水上に露出した場合は「電池下部」が蛍のように光ります。
▲アイコムIC-M37Jのカタログ表面。業務機として手袋をしたままの状態で無線機を操作できることは重要な機能であると思います。
▲アイコムIC-M37Jのカタログ裏面。カタログ裏面上部にはIC-M37Jを運用するためには3海特以上の従事者資格が必要なことが明記されています。
IC-M37Jはどこで買えるか?
ご紹介してきたアイコムのIC-M37Jですが、気になってきた方もいらっしゃると思います。
そこで購入方法ですが、すでに国Vの無線機を所有されていて、リプレースや買い増しを検討されている方は、いつもの業者で購入できると思います。
これから新規導入を検討されている方は、マリーナやマリーナ近くにある船舶無線の取り扱いがある業者、もしくはアイコムの業務機を扱っている業者に相談してみてください。
業者の方へ相談すれば従事者資格取得や局免許取得のサポートなども受けられると思います。
また業者に相談する前にIC-37Jの資料が欲しいという方は直接アイコムのサポートセンターに問い合わせてみるのもいいと思います。
追加情報
運用などについての情報は「日本マリン無線協会」のWEBに詳しく解説されていました。
運用方法については総務省のWEBの資料がイラストで詳しく紹介されていました。
日本マリン無線協会のWEB「国際VHFとは」という項目です。
免許の手続きについても解説されていました。