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3/4λノンラジアルアンテナ改良? (2019/12/2 15:46:03)
前作の回路は安定感がなく、ベランダの測定位置によって共振点やSWRが大きく変わってしまう問題点がありました。浮遊容量が不規則に発生し、ノンラジアルとして機能しているのかも疑問。ということで、コイル、コンデンサー、回路すべてを変更して作り直しました。
・コイル 太さ2.2mmなまし銅管を直径1.5cm 3回巻き
・コンデンサー トリマーコンデンサー(1.9~16.1pF)
コイルを5回巻き、4回巻きと試してみました。この太さとなると3回巻きでも十分なインダクタンスが得られるようです。キャパシティは秋月電子のトリマーコンデンサーを使いました。これなら実験ボードと同じで、ケースに装着してからベストな容量が得られます。コイル、トリマーとも網線側に接続し、コイル中間からタップを取り芯線側につなぐ回路に変更。その状態でトリマーを慎重に回すと145.000MHz付近でストンとSWRが下がってくれました。少し下に共振点があったのでコイル幅を広げ、タップ位置も何ヶ所か試してから確定しました。回路は下記のとおり。
コイルは巻き過ぎると良いことなし、コンデンサー成分(浮遊容量)もあちこち発生するので配線は太く短くのセオリーどおり。ベランダで受信してみたところでは、そこそこ性能が出ているように感じたのですが・・・。
<フィールドテスト>
いつもの大年寺山にてJP7IEL局にお付き合いいただき、RH770と比較してみました。距離約40km。双方ハンディ機5W(IEL局のアンテナは1/2λモービルホイップ固定)。実験の前に3/4λホイップを三脚に取り付け、アナライザーで測定したところ共振点は145MHz帯にあり、SWRは1.2とベタ落ちにならないものの、問題というほどではありません。
はじめにFM。RH770で54-54。3/4λホイップに替え同じく54-54。ただ、RH770ではほとんど感じなかったノイズが見られます。もともと大年寺山はテレビ塔からの抑圧やノイズの多い環境ではあるのですが、ノイズを拾う何かを内包しているようです。DVデジタルに移り55-55。FM特有のノイズが消え、快適に交信できました。ここまでは両アンテナにさほどの違いは感じませんでした。
FMに戻り、IEL局にパワーを下げて送信いただき、受信テストをしてみました。
その結果
0.5W RH770で51 3/4λホイップで41(ノイズ多い)
0.1W RH770で41 3/4λホイップで入感なし
となりました。0.1Wの際、RH770では弱いながらもなんとか了解できる信号が3/4λホイップはノイズのみで変調が確認できません。実験前の予想としては、3/4λホイップが利得的に有利なはず、と楽観していましたが、RH770(1/2λ)に及ばずという結果でした。エレメントの長さを生かしきれていないということなのか。ノイズフロアが高いために入感しても変調が浮いてこないということなのか。あるいはLC回路的にマッチングは取れている、それがイコール性能ではない、ということかもしれません。まだまだ改良の余地はあるかな、といったところです。
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