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アイコムから新型デジコミ機のIC-DRC1MK2が発表 (2019/12/5 17:07:17)
インターネットのSNSなどで話題になっていたアイコムのデジタル小電力コミュニティ無線機のIC-DRC1MK2が発表になりました。
発表になったIC-DRC1MK2の大きさや重量などは先代のIC-DRC1と同様です。
デジコミの第1号機として話題になったIC-DRC1がさらにブラッシュアップされての新型機投入となりました。
・品名/型名: デジタル小電力コミュニティ無線機 IC-DRC1MKⅡ
・希望小売価格: 29,800円+税
・発売予定日: 2019/12⽉上旬
Sメーター表示無しはアイコムからのメッセージか?
フリラの方が一番最初に知りたい情報だと思いますが、
IC-DRCMK2はSメーター表示はありません。
また、距離表示についても2桁のままです。
フリラのように趣味の交信で使用する場合にはSメーターの表示は便利な機能ですが、使用する用途によってはSメーターは不要な場合もあります。
小さなグループやコミュニティーなどで連絡用として使う場合には、Sメーターの表示は不要ですし、無線機の扱いに不慣れなオペレーターにとっても、複雑な画面表示は戸惑うこともあるかと思います。
IC-DRC1MK2はフリラの方専用として開発された無線機ではないので、Sメーター表示が無いことや距離表示が2桁のままということの是非は使用する用途などに合わせて購入される方のご判断にお任せします。
Sメーター表示や距離を3桁表示することができる他社製品があることを知りながら、あえてkこれらの表示を行わない設計としたことはアイコムから業務用ユーザーに対する強いメッセージと受け止めてもよさそうです。
スピーカー周辺の設計がブラッシュアップされてる
IC-DRC1MK2は先代のIC-DRC1の次期モデルとして開発されています。
見た目の違いは、スピーカー周辺の筐体デザインの変更と、表示部の下、モデル名の表記デザインの変更が大きな違いとなっています。
スピーカー周辺の筐体設計については、すでにIC-DRC1の開発段階から課題事項となっていたようで、IC-DRC1の発売時期が遅れた原因ともいわれています。
実際に危機管理産業展2018が開催された際にIC-DRC1の試作機が展示されていましたが、発売の遅れを聴いたところ「スピーカーを改善している」という答えが返ってきていました。
その課題もIC-DRC1MK2では筐体設計がブラッシュアップ、さらにIC-DRC1よりもスピーカーも大型化され大音量時の音質面が改善されているということです。
仕様面からも音声出力がアップされていることが分かる数値もあります。
・受信時(消費電流)
250mA以下(外部SP 8Ω AF最大時、非充電時)
・低周波出力
100mW以上(8Ω、10%歪時 外部スピーカー使用時)
300mW以上(16Ω、10%歪時 内部スピーカ使用時)
・受信時(消費電流)
500mA以下 (外部SP 8Ω AF最大時、非充電時)
・低周波出力
150mW以上 (8Ω、10%歪時 外部スピーカー使用時)
500mW以上 (8Ω、10%歪時 内部スピーカー使用時)
上記のようにIC-DRC1MK2の方が先代のIC-DRC1よりも、最大時の受信時の消費電流が2倍に増加しており、内部スピーカーを使用した時の低周波出力も、先代のIC-DRC1より200mWも増加しています。
スペックを見ただけでも、IC-DRC1MK2は先代のIC-DRC1よりも大音量でスピーカーを鳴らすことが可能に改善されていることがうかがえます。
危機管理産業展2018の取材時「スピーカーを改善している」という言葉をコーデックのチューニングでの音質の向上と考えていましたが、筐体設計だったことがわかりました。
今になってですが、IC-DRC1の発売直前段階であっても、最後まで筐体設計を見直していたということが分かり、アイコムの無線機づくりに対する、発売時期を遅らせてでも最後までいい製品を作るために妥協はしないという一端を垣間見るというか思い知ることができました。
設定項目が拡張された!
従来のIC-DRC1では設定できなかった、設定項目がIC-DRC1MK2では拡張され細かく設定することが可能となりました。
長距離との交信時に設定すると便利な機能(※1) や、 位置サーチ(※2)
に関しての設定や、 充電設定(※3) 、 メニュー設定(※4) 機能、
音質が改善されたことによって設定が可能(※5) になった項目などがあります。
ハード面のみならず、IC-DRC1MK2ではファームウエアでもブラッシュアップされています。
IC-DRC1MK2で追加された設定項目の一部を紹介します。
通話内容が聞き取りにくいほど弱い信号になっても、受信音をミュートしない設定です。
普通 :雑音が目立つような弱い信号となる前に受信音を消音する。
限界まで:雑音が目立つような弱い信号でも受信音として出力する。
位置情報要求信号受信時の応答動作を設定します。
全IDに応答 :未登録の機器IDの相手にも応答する
登録IDに応答 :登録済み機器IDの相手だけに応答する
USBケーブルでパソコンと接続時の充電動作について設定します。
OFF :充電しない(電池から受電する)
ON :パソコンから受電、および充電動作をする
メニュー画面の各項目選択時、最終階層の項目で「決定」を 選択時の動作を設定します。
待受に戻る :待ち受け画面に戻る
メニューに残る:選択時の項目に残る
着信時、受信音声低音部の強調について設定します。
する :中程度までの音量で、低音部を抑制しないで厚みのある音を聞こえやすくする
しない :中程度以上の音量で低音部を抑制して聞こえやすくする
GPSモジュールをリセットします。
測位までの動作が不安定な場合など、GPSモジュール を初期状態に戻す(リセットする)と改善される場合が あります。
豊富なオプションにも注目です
IC-DRC1MK2は豊富ともいえるオプション設定にも注目です。
回転式ベルトクリップが付属していることと、オプションですがVOXユニットが用意されているのが興味深いところですが、ユーザー待望のメーカー純正のキャリングケースというか、ソフトケースが今回のIC-DRC1MK2になってもリリースされていないのが少し残念というところでしょうか。
しかしこれだけオプション設定が豊富なIC-DRC1MK2であればデジコミも運用の幅が広がることでしょう。
●バッテリー関連
BP-286 :LI-ionバッテリーパック(付属品と同一)
BP-295 :アルカリ電池ケース
BC-231 :2口充電器
BC-232 :ACアダプター(USBケーブル付=OPC-2394)(付属品と同一)
▲アルカリ乾電池ケースのBP-295。単4型乾電池を3本使用する。緊急用として設定されているオプションなので、通常運用時は付属のLI-ionバッテリーパックBP-286を使用する。
●変換アダプター/アンテナ関係
AD-137 :イヤホン端子変換アダプター
FA-S44VS :ショートアンテナ(約8cm)
FA-S45V :ロングアンテナ(付属品と同一)
▲AD-137はIC-DRC1と共通オプション、3.5mm径のイヤホンプラグが使用できるようになるのが便利です。
●ケーブル関連
OPC-2144 :スリムL型変換ケーブル
OPC-2375LS :イヤホン専用変換ケーブル
OPC-2394 :USB2.0 A-microBケーブル
●マイクロホン/ヘッドセット関連
HM-153LS :イヤホンマイクロホン
HM-166LS :小型イヤホンマイクロホン
HM-186LS :小型スピーカーマイクロホン
HS-94 : イヤーフック型ヘッドセット
HS-95 :ネックアーム型ヘッドセット
HS-97 : 咽喉マイクロホン
HS-99 :耳かけ式イヤホンマイクロホン
VS-2L : PTT/VOXユニット(HS-94、HS-95、HS-97、HS99と組み合わせ使用)
▲PTT/VOXユニットのVS-2L。IC-4188DやIC-4110、IC-4100などにも使用できます。
●イヤホン関連
EH-14 :オープンエアー型イヤホン (プラグ:φ2.5mm)
EH-15/B(黒):イヤホン(プラグ:φ2.5mm)
SP-16/B(黒) :耳かけ型イヤホン(プラグ:φ3.5mm) ケーブル長:約50cm
SP-28 :耳かけ型イヤホン(プラグ:φ2.5mm) ケーブル長:約45cm
SP-29 :耳かけ型イヤホン(プラグ:φ3.5mm) ケーブル長:約97cm
●ベルトクリップ関連
MB-127 :ベルトクリップ(ストラップ用穴あり)
MBB-1 :ベルトクリップ
MBB-6 :回転式ベルトクリップ(付属品と同一)
IC-DRC1MK2に付属しているベルトクリップは回転式ベルトクリップというタイプのものとなります。
先代のIC-DRC1などに付属していた、よくあるようなタイプのベルトクリップが欲しいという方はMB-127やMBB-1などのベルトクリップがIC-DRC1MK2には取り付けられます。
▲MB-127の注文などについては販売店に相談してみてください。ストラップホールが設けられているのがMB-127の特徴です。
▲MBB-1はMB-127よりも少し小型のベルトクリップです。IC-DRC1に付属しているベルトクリップです。こちらについても詳しくは販売店まで。