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1λ単ループアンテナ・ガンママッチ(145MHz) (2020/1/11 15:53:52)
電圧給電式との比較をしてみたいと考え、一般的な給電方法(電流給電)による1λ単ループアンテナを作りました。ループアンテナのインピーダンスは110Ω程だそうで、そのまま同軸ケーブルにつないでも整合しません。145MHzの場合、多エレメントにしてエレメント間隔でインピーダンス調整することが多いと思います。自分も以前に4エレを作りました。もしくはツインループにすると50Ωとなりそのまま給電できます。これも以前に作りました。
今回はシングルループ。どのようにマッチングさせるのか? 実際のところ、これがけっこう厄介です。1λのエレメントでもあり、コンデンサーのみで簡単に整合するだろうと安易に考えていたのですが、とんでもないです。単ループならヘンテナの方がはるかに楽です。いろいろ試しては悩みを繰り返し、最終的にガンママッチで事なきを得ました。
〈材料〉
・エレメント 帯鋼 長さ2.0m
・塩ビパイプ 太さ1cm 長さ70cmを2分割
・タイトバリコン5pF
・BNCコネクター
・銅パイプ 太さ5mm
・ミノムシクリップ
・タカチのプラケース
・三脚取付け用ナット
回路図、下記のとおり。
〈製作〉
山で使えるように塩ビパイプを2分割とし、タカチのプラケースに組み込みました。製作で手間がかかるのはケースの穴あけくらいです。塩ビパイプ下部、エレメント接点(銅パイプ加工)、バリコン、コネクターをそれぞれケースに取りつけ、配線。ガンママッチ部は固定してしまうと収納が難しくなるので、リード線にミノムシクリップとし、接点変更できるようにしました。浮遊容量が発生しないよう短い配線を心がけましたが、各部品の配置の関係で少し長めになったかもしれません。組立ては上部パイプを連結し、帯鋼を下部パイプの接点に差し込みループを作って完成です。三脚に固定して使います。重さ120g。収納時の長さ約35cm。
〈調整〉
ガンママッチというのは、エレメントの一部を活用した一種のショートスタブです。ミノムシクリップで接点を探っていきます。アナライザーのSWRグラフが145MHz帯で大きく下がってきたら、バリコンを回しベストの状態に追い込む。並行部15cmで共振点145.000付近、SWR1.2以下となりました。こう書いてしまうと簡単ですが、接点を見つけるまでの試行錯誤にほとほと疲れました。バリコン併用で正解でした。接点のスライドのみでマッチングさせるのは難しいと思います。接点とバリコン位置の目安さえつかんでしまえば再現性、安定性は悪くありません。
今回は給電方法、調整に手間取りました。いろいろ試してもどうにもならず、途中でやめようかと思ったくらいです。単ループアンテナはいろんなバンドで受信用に使われます。受信だけならよいのですが、送信もするとなるとけっこう手ごわい、ということがよくわかりました。
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