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SWR・パワー計 SW-33 を試す (2020/1/18 18:36:53)
山岳移動の際、自作アンテナを現地で調整したり周辺の状況による変化を知っておきたいということがありアンテナアナライザーAA-200または簡易SWR計SX27Pのどちらかを持っていくことが多いです。AA-200は重く大きいので高い山に登る場合は躊躇します。小型のSX27Pは持っていく頻度は高いのですが、変換コネクターが最低2個必要でそれなりの重さになってしまい、やはり躊躇することがあります。山に持っていって簡単に使え、軽くて小さいSWR計があればとネットで探したところ「SW-33」というのがあり、興味をそそられ購入してみました。China製。
USB給電タイプで、SWRとパワーを切り替えて計測できます(測定範囲125-525 MHz
)。充電器、充電ケーブル、ダミー抵抗、各種変換コネクター、英語版取説が付属。SMAなのでハンディ機で使うことを前提としているようです。重さは商品案内に160gとあり、そこそこ重いかなと考えていましたが、現物を計ったところ本体70gでした。両端にコネクターを装着した状態でも85g。変換コネクターも軽く、ありがたいです。SX27Pが本体のみで180gなのでそれに比べると超軽量。
さっそく試してみました(すべて145MHzにて)。
まずはUSB充電器で満充電。一方にハンディ機ID-51、もう一方に付属のダミー抵抗を取付け、リグのパワー設定を変えて計測しました。
その結果は
0.1W設定→00表示(計測せず)
0.5W設定→0.2W表示
1.0W設定→0.8W表示
2.5W設定→2.6W表示
5.0W設定→5.7W表示
パワー1W以下の場合は低い数値となり、2.5W以上の場合は高い数値になります。付属のダミー抵抗がおかしいことも考えられるので、第一電波のDL-50Aに差替え計測してみました。結果は同じでした。校正の機能はなく、パワー計としてはかなりいい加減です。ダミー抵抗まで付属品として入っており、メーカー側は十分承知のはずですが・・・ 恐れ入ってしまいます。
続いて、アンテナをつないでSWR計として試してみました(リグID-51 5W設定)。
コメットのBNC24をそのまま取付けたところSWR2.2を表示。ハンディホイップ単体を取付けたのではアースがとれていないので当然高い数値となります。これにアドオンラジアルを追加したところ1.02に低下。良好な数値となりました。同じ状態をAA-200で計測したところラジアル追加時のSWRは1.2となりました。SW-33は低目の数値が表示されます。SX27PもAA-200より低い数値となりますが、SW-33ほどではありません。RH-770(ノンラジアルタイプ)でも試してみました。AA-200で1.3前後。SW-33で1.06。
ホイップ単体 1.22
ラジアル追加 1.02
RH-770 1.3前後
RH-770 1.06
他のアンテナでも試してみて、おおかた下記のような結果です。
・AA-200でSWR1.2以下の場合→1.00と表示
・AA-200でSWR1.2〜1.5の場合→1.05〜1.20と表示
・AA-200でSWR1.5〜1.7の場合→1.20〜1.40と表示
平均して0.3ポイントほど低い数値を示すようです。この「差」を考慮すれば正値に近い値を推測することはできます。SWR1.00と表示されればベストな状態、1.05~1.10と表示されれば問題ないレベル、1.20以上の表示であればそれ以下になるように何らか調整を試みる、そんな感じになるかと思います。また、バンド内の数カ所を計り、共振点が下にあるのか上にあるのか、といったことはおおよそつかめます。
ということで、パワー計、SWR計とも精度はよくありません。アマチュアで使う一般的な測定器からすると数段下回るレベルです。正確な数値を計る計器ではありません。
ではジャンク箱に直行かと言えばそうでもないのです。自分的には、移動地においてマッチングが取れているのか、バンド内のどのあたりで最も良好な状態になっているのか、要は設置したアンテナの状態が大まかにでも把握できれば良いわけです。そういう目的からすると、この程度の計測器であっても現地で何もないのとあるのとでは大違いなのでは? と思わなくもありません。
軽さと小ささは魅力なので、ザックに忍ばせてとりあえず山で使ってみようかと思います。
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