無線ブログ集
メイン | 簡易ヘッドライン |
広帯域受信機活用シリーズ...国内で広まる"デジタル業務無線"を聞いてみよう. (2020/3/5 0:00:32)
法令を守れば、誰もが所持できる広帯域受信機シリーズの記事です。
今回は、昨今の無線事情から全国的に広まる"デジタル業務無線"を紹介したい。
*
関連記事をリブログ。
さて、皆さんの職場には専用無線は有るだろうか。
私の勤め先...とある情報系会社は自衛無線では無く、簡易無線を常備しているが
物流や運送業等、多岐に渡る業種で専用無線が使われている事は承知の事だろう。
最近、この一般業務無線の間で従来の「アナログ変調」, FM変調から
「デジタル変調」へと全国的に移行する事が多くなっている。
一般業務無線でのデジタル変調は種類が多く、詳細は割愛するが
例えば"APCO25"と呼ばれる主に北米で警察や消防、法執行機関等が
採用するデジタル変調もこの国ではもはや一般的になった程だ。
* APCO25対応携帯無線機の例.
モトローラ, APXシリーズ.
https://www.motorolasolutions.com/en_us/products/p25-products/apx-story.html
海外ドラマ等で警察官等が使っている, 携帯しているシーンを
見かけた事の有る方も多いはず。
イラスト/イラストAC
イラストは国内の警察官...何度も書くがこの国の警察無線は
先ず傍受不可能...独自規格デジタル変調かつ高度な暗号化で
もう四半世紀以上、どの系統も独特のデジタルノイズで全く聞こえない。
イラスト/イラストAC
対象はやはり、一般的な業務(警備業を含む)の無線に関して書いて行く。
* デジタル変調一般的業務無線周波数割当.
150MHz, 300MHz, 400MHz帯に有る。
具体的な周波数は公知の事実なのでこちらにも掲載する。
・ 150MHz帯
153.312500 - 153.350000MHz
・ 300MHz帯
365.612500 - 365.63750MHz
366.631250 - 366.65625MHz
373.612500 - 373.71250MHz
384.631250 - 384.65650MHz
・ 400MHz帯
413.55000 - 413.60000MHz
464.85000 - 464.90000MHz
周波数ステップ 150, 300MHz帯は6.25kHz. 400MHz帯は12.5kHz.
* 愛用のAR-DV10 & コメット製ディスコーンアンテナで受信中の様子.
とある会社の一般業務無線が最近聞こえなくなり、偶然サーチ中に見つけ出した。
(一部ボカシを入れてある。)
私はこの広帯域受信機メーカAORとは何の関係も無いが
AR-DV10をほぼ肌身離さず愛用している理由は
「携帯型広帯域受信機で世界一、多種多様なデジタル変調へ対応」しているからだ。
以下はAOR社のカタログから抜粋するが、発売されて時が経った今でも
この機種を凌駕するライバル機は発売されていない。
https://www.aor.co.jp/receiver/product/ar-dv10/
一般業務無線で良く使われるデジタル変調は「NXDN」, 「DMR」, 「P25」, 「TETRA」の4種類。
今、国内でアナログ変調(FM)からデジタル変調へ切り替わる理由として
国が定めた"電波の有効活用"が一因と思慮される。
地デジと同じで、電波は目に見えないが発射するとある程度幅をとってしまう。
一般的にはデジタル変調の方がその幅を狭く出来る...無線機の規格の
問題(スプリアス, 2022年)も有って進行が早くなっていると言える。
アナログ変調も多々使われる中、時代の流れと共にニッチな
分野でもデジタル化が進行している。無線自体は堅実性等から
必要とする業種は多いし今後も使われていくだろう。
法令を守って受信する分には全く問題ないから、受信機も
その時代に有ったのを持っておくと良いかと思う。