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J型アンテナ調整 その2 (2020/5/2 21:17:16)
連休は徒歩の範囲(散歩)以外は出歩かないことにしました。こんな状況なので、この間自作したアンテナの再調整に時間を費やしています。
厳しく整合の取れたアンテナはよく飛び、弱い信号も果敢に捉えてくれる、当然の話で理想とするところではありますが、実際はどこかで妥協し、ある程度の範囲内であれば良しとする、というのが現状かと思います。自分はロッドエレメントを使うことが多く、長さで調整はできますが限度があります。部屋の中やベランダで調整がうまくいったと思っても、フィールドでは予想以上にズレているということも多いです。ということで1)給電部に調整機構を備える、2)最終的な調整はベランダでなく野外でおこなう、ことを心がけています。
最近作ったLCマッチングのバリコンホイップやJ型アンテナ。どちらも給電部に調整機構を備え、現地の環境に応じて共振点やSWRを追い込むことができます。バリコンホイップはコイル間隔やバリコンで調整しますが、コイルの内部応力が働くためか、微妙に変化します。再現性という点では、J型アンテナに優位性があります。何カ所か場所を変えてアナライザーで計ってみてもほとんど変化がありません。手持ちもできるように作ったのですが、ケーブル引き回しの影響も少ないような印象があります。
以前書いたとおり、J型アンテナの調整ポイントは給電部の位置合わせにあります。なので、このアンテナを作る場合、給電部を可動式とすることは必須であるとあらためて実感しました。可動式の方法はさまざまあり、海外の製作例ではケーブルクランプで銅パイプにねじ止めする方式が多くみられます。自分は銅パイプ差し込み式の簡単な構造としましたが、特に問題ありません。構造的にも丈夫なため変動幅が少なく、給電部を上下させると見事に整合し、気持ちの良いSWRグラフを描いてくれます。
いづれにしてもこのようなことは、アナライザーあっての話しです。SWR計のみでは目的の周波数で反射波(送信機への戻り)がどの程度なのかを知るのみですが、アナライザーではそのアンテナの性質の全体像を俯瞰することができます。条件を変えて繰り返し計測することで「固有の癖」のようなものがわかってくるのだろうと思います。アンテナ作りは、うまくいったときも、うまくいかなかったときも、調整という行為に面白さがあるのでは、と思えなくもないです。
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