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マスクの帯電(コロナ処理)化 (2020/5/13 5:28:08)
ひと頃に比べマスク不足は解消に向かっているようですが、コロナウイルスとの付き合いが長く続くことを考えると、需要は高止まりするのだろうと思います。マスクは衛生用品であり、目的に耐えられるだけの性能が求められるわけです。しかし今の状況は性能より量産をということで、性能の方は大丈夫だろうかと思わなくもありません。
最近、マスクの性能を高める手段として「帯電処理」という方法があることを知りました。自分が知らなかっただけで、数十年前からあるそうです。「帯電フィルターマスク」などとして市販もされています。フィルターに電気的・物理的な処理をすることで集塵効率を向上させ、花粉やミクロのホコリを集塵しやすくするのだそうです。
実は先日、新聞記事で石巻市のヤグチ電子工業という会社が帯電処理した高機能マスクの製造方法や研究過程をオープンソースとして公開し、誰でも参加できるプロジェクトを立ち上げたことを知りました。「オリマスク研究所」ホームページで詳しく公開されています。帯電の方法はいろいろあるようですが、数万ボルトのコロナ放電による電界に曝すことで不織布マスクであればほんの数秒で帯電完了となるようです。
コロナ放電と言えばテスラコイル。これを使って簡単に帯電マスクが作れるのでは?と考え、思いつきで試してみました(危険なのでお勧めはしません)。自作のテスラコイルに24Vを通電。しばらくぶりの通電で作動するか不安でしたが、2cmほどの火花を伴いシューッという音と共に勢いよく放電してくれました。たぶん1万ボルトを超える高電圧と思われます。
一般的なサージカルマスク(不織布マスク)を1枚取り出し、火花で燃えないように10cmくらい距離を取り、両面をそれぞれ30秒ほどかざしました。オリマスク研究所のデータでは「印加電圧20kv~30kvが良い傾向にあり、また放電時間は3secでも10secでも顕著な差はみられず、概ねどのコロナ放電の条件においても捕集効率が90%を超えていると推測できる」「特に0.3um以上の微粒子に対する捕集効率が大きく変化する」とされています。はたして手作り帯電(コロナ処理)マスクはどうでしょうか。
装着した感想です。処理したマスクと処理しないマスク、明らに異なりました。丸1日付けてみたところ、処理マスクは息苦しく、不織布の密度が増した感じがあります。それだけ集塵性能が高まったということでしょう。高性能化に成功? ただ、日常的にこれを長時間装着するのはつらいです。翌日、処理しない通常のマスクに替えたところ、実に快適でした(スカスカに感じる)。印加電圧を調整するとか、コイルからの距離、かざす時間を変える、両面でなく片面のみにする等々、それによる変化があるのかどうか? 深入りするつもりはありませんが、危機的状況の場面ではこういう方法もある、ということを知っておくのも悪くはないと思います。それにしてもコロナ放電というものの意外な効用・用途を知り、興味を新たにした次第です。
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