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feed 【無線ネタですが話は無線だけに限りません】戦略と配慮は両立が必要 (2020/6/8 7:00:00)

D-STARレピーターの使用方法についてなんですが、これを「公共物」という言葉に置き換えれば恐らく皆さん納得していただけるんではないかなと思います。トイレにしても何にしても、多数で効率的に利用するためには工夫が必要だということは既にご理解いただいていると思いますので。

 

それでは本題に。毎日朝から晩までD-STARレピーターをスキャンしてワッチしていますと、どうも同じコールサインの局が2局ほど聞えてくるんですね。敢えてここではコールサインは晒しませんけど。

 

で、結論として私見を述べさせていただきますが、一応レピーター使用ルールに則っているとはいえ、あまり利口な利用法とは言えないと思います。その理由を述べさせていただきますね。とりあえずは2つ。

 

1.レピーターをワッチしている局数には限りがあるので、新規局との交信は限られる。つまり、同じ局と交信するには問題ないが、それ以上の発展性はない。

 

2.広域レピーターは、特に連絡用でほぼ終日ワッチしている局が意外と多い。ということは、待ち受けしている局以外の局が頻繁に使うことに不快感を覚えていることが多々あるので、少なくともそういう局から呼ばれて交信に至る可能性は少ない。

 

実は、レピーターという仕掛けは、やはり連絡用という色が制度導入当時から濃かったと言えます。これはD-STARではなくアナログレピーターも同様、というかむしろそうした使われ方がされていたからこその話なのかもしれません。通常ならば障害物の向こう側まで届かないというケースであっても、レピーター、つまり中継局が高い場所に設置されていて、その障害物を超えることができるようになった訳ですから、不特定局との交信というより、特定局との連絡に使い勝手がいいという実感は当然のごとく持つでしょう。不特定局との交信なら、自分が電波の飛びやすい場所に行って電波を出せばいいだけですから。特定局との連絡のためにいちいちそれが出来ないので、中継局を使うということになりますよね。元々そういう性格のものだということは頭に入れておく必要があると思うんです。

 

その上で、D-STARというデジタル規格がアマチュア無線に導入され、今までアナログで単独使用されてきたレピーターに組み込まれることになりました。また単に音声をデジタル化するだけでなく、レピーター相互をネットワークで接続することにより、今まではレピーターの電波が届く範囲でしか使用できなかったものが、ネットワークを使うことでその距離を飛躍的に伸ばすことが出来た、ということになります。すると、前述の「連絡用に適した」存在から「さらに付加的要素を持った」存在に変化をしました。連絡用だけではなく、不特定局との交信に積極的に使われるようになったということです。

 

と、ここまでは「便利になってめでたしめでたし」に思えるのですが、様々なトラブルが生じています。同一局の長時間占有による他局の使用妨害などはその一例です。ただこのあたりの基本的な使用ルールについては、レピーターから定時にアナウンスを流すなど管理団体も啓蒙に勤めているようですし、ワッチしている局が直接注意をするケースもありますので順守する方向に動いてはいます。ただ、前述のように、ルール違反ではないがマナーとしてはいかがか、というケースについては、なかなか注意するかどうか躊躇する場合が多く、過度にそれを抑え込んでしまうと折角の「付加的要素」を活かしきれないという問題が新たに発生します。

 

で、ここで強引に結論を持ってきてしまいますが、こんな風に運用した方がいいんではないかというご提案を書かせていただきます。

 

1.レピーターの山掛けCQ(ネットワークを介さずアクセスするレピーターの身を使用した不特定局呼出し)は出来るだけ頻度を下げる。

 

2.ゲート越え(ネットワークを使ってレピーターに接続をする)の場合、レピーター同士で行うのではなく、ターミナルモード(無線機をPCに接続し、直接ネットワークに入り込みレピーターにアクセスする方法)を使うことで、2つ使っていたレピーターを1つに減らすなどの配慮を行う。

 

3.広域レピーターのアクセスは限定的とし、出来るだけローカルレピーター(山頂など標高の高い場所ではない場所に設置された、カバー範囲が限定されたレピーター)を使うことでレピーターの使用頻度を平均化し、かつ頻度の低いレピーターの活性化を促す。

 

あ、すみません。こう書いてしまうと、レピーターを公共物に置き換えただけではわからないですよね。ちょっと言い換えると、

 

1.何度も同じこと聞かせて嫌がられるな。

 

2.使う公共物の数は必要最小限にしろ。

 

3.頻度の差があるなら、出来るだけ使っていないものを有効活用しろ。

 

ってことになります。まああのベンサムの有名な言葉

 

最大多数の最大幸福

 

というものを無線でも実現しようと考えたら、当然こうなるんじゃないかと思うんですがいかがでしょうか。配慮は当然必要ながらも、その程度を引き上げるためには戦略、そしてそれに基づいた戦術が必要ってことですね。


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