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広帯域受信機活用シリーズ、災害時の各公共機関相互通信用「防災相互連絡波」を聞いてみよう. (2020/6/19 0:00:28)
法令を守れば誰でも持てる、広帯域受信機シリーズ記事の続きです。
* 関連記事をリブログしています。
私が住む、北部九州を始め全国各地で梅雨入り。
そんな時に気になるのが大雨や強風, 雷等による災害...
勿論、こんな事態が起こる事は想像もしたく有りませんが
「常に備える」必要は私を含め皆さんご承知の筈です。
イラスト/イラストAC
さて、今回紹介する業務無線で 「防災相互連絡波」とは
警察, 消防, 行政, 大規模企業等異種間での災害時に
情報を共有する為に割り当てられた専用の周波数を指します。
イラスト/イラストAC
例えば警察無線は警察業務に関する通信に特化した周波数を使っていたり
第三者に受信されぬ様、約25年前からデジタル変調, 強固な暗号化が施されていたり...
他の消防等行政機関と連絡を取ろうとしてもそのままでは出来ません。
イラスト/いらすとや
行政機関, 役所の防災行政無線だって同じです。
イラスト/イラストAC
【災害が発生して携帯電話を含む、有線通信網が途絶したら...】
各機関とも"横"の連絡手段が途絶えてしまいます。
その様な事態を避けるため 「防災相互連絡波」 が存在します。
『防災相互連絡波の割当周波数』...公知の事実なので掲載します。
・ VHF帯...158.3500MHz, FM変調(N-FM)
・ UHF帯...466.7750MHz, FM変調(N-FM)
この防災相互連絡波が使える(無線局免許状が与えられる)業種.
・ 都道府県警察
・ 各消防本部, 派出所
・ 国土交通省(気象庁, 空港等を含む)出先機関
・ 県庁防災関連部署, 各市町村
・ 民間企業 (特に放送局, ライフライン, インフラ系)
・ 海上保安庁出先機関
・ 各自衛隊
などなど...
普通のFM変調なので、市販されている広帯域受信機で難なく受信出来ます。
普段はシーンと静まり返っている事が多いでしょうが
月に1度程度、無線機等が正常に動作するかの
通話試験が行われる事が多々有ります。
今の所、私が知る限りこの2波は諸般の事情で [デジタル化の予定無し].
++ ただし...都道府県, 市町村に依っては
衛星携帯電話等で代用して
この周波数を使っていない場合も有ります。 ++
* 海上保安庁, 警察, 消防との共同訓練時使用中の様子 *
出典: 海上保安庁ホームページ
巡視船に取り付けられた無線機に防災相互連絡波の
チャンネルが有って、海上保安官が各機関と連絡を取り合っています。
<愛用 AOR AR-DV10と車載用アンテナで受信中の様子.>
私の場合、車載用アンテナはボンネットにマグネット基台をポンッと載せただけです。
こんな簡単なアンテナでも防災相互連絡波を始め
以前記事に書いた"レピータ(中継局)"を介した無線は強力に受信出来ますよ。
・ VHF/UHFの割り振り傾向.
防災相互連絡波でVHF帯は、どちらかと言えば
建屋内設置の固定無線機, 車載無線機に採用されているケースが多く
UHF帯は、例えば消防士個人が携帯する無線機等
機動性が求められる場合に使われている傾向が有ります。
イラスト/イラストAC
消防用400MHz帯携帯無線機の例. アルインコ社"DJ-FU50A"
出典 https://www.alinco.co.jp/product/electron/detail/id_=4656
これも以前紹介しましたが、消防救急無線で"署活系"無線に
UHF帯防災相互連絡波が実装されている事が多いですね。
もう一度、災害に対して私を含め出来るだけの
体制を取るのが当然一番良い訳です。
これも良く云われる事ですが
【災害時、使える通信手段は無線しか無かった...】
広帯域受信機をお持ちの方は
この2チャンネルをメモリに加えてみては如何でしょうか。