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広帯域受信機活用シリーズ, 世界中の海原を航海する船舶無線データ波"DSC"を見てみよう! (2020/6/25 16:15:04)
法令を守れば誰でも持てる、広帯域受信機活用シリーズ記事です。
*
関連記事をリブログしています。
今回は、関連記事と併せて読んで頂ければ嬉しいですが
世界中の海原を航海する船舶が用いる無線でも
データを受信して"見る"形で楽しむ...ちょっと趣旨を変えてみました。
表題にも有りますが、船舶無線で「DSC」とは...
Digital Selective Calling, デジタル選択呼出と呼ばれるモノです。
説明がちょっと専門的ですが、以前も書いた通り
船舶無線でモールス信号を用いたやり取りは
20年程前に漁業無線を除き殆ど廃止されてしまいました。
モールス信号は、慣れれば的確に, 速く情報を送受信出来ますし
特別な機械も必要有りません。
私がアマチュア無線で好んで使う程奥深い通信方法です。
廃止になった理由の大きい所は、遭難時や緊急時
人工衛星やその他「誰でも, 簡単に」信号を送出できる様
GMDSSという国際的取組が出来てしまったからです。
* GMDSSについての参考サイト, 老舗メーカ, フルノ公式サイト.
上の図通り、海域毎に必要な無線機器の区分けが有りますし
船と船同士、或いは船と陸同士は音声よりデータで
やり取りする様に様変わりしてしまいました。
* DSCには搭載義務船舶が有り
商船/貨客船...ほぼありとあらゆるのが対象です。
イラスト/イラストAC
一発で遭難信号を出せる機能が付いています。
イラスト/イラストAC
前置きはこの辺にしておいて、 このDSCは
簡単に書けばショートメール"みたいなシステムです。
「相手を呼ぶ」, これに特化しています。
イラスト/イラストAC
** DSCは国際的取決めなので
仕様や周波数は公知ですし
お手軽受信で楽しめます。 **
・ 用意する機器
短波帯をカバーするアマチュア無線機, 広帯域受信機でCW/USB受信対応の物.
サウンドカードが付いたパソコン.
DSCシグナルをデコードするフリーウェア KG-DSC.
私の環境: IC-7300M, 各種モノバンド自作ダイポール, DellタワーPC
KG-DSCのダウンロード先はこちら.
http://www2.plala.or.jp/hikokibiyori/index.html
周波数等の詳細は、ソフト梱包のReadme.txtに載っています。
IC-7300M等、USB音声出力対応ならそれが使えます。
KG-DSCは解凍したらすぐ使える筈です。
ソフトのセットアップで間違えやすいのは音声入力の選択...チェックしておきましょう。
ソフトを起動したら、"Eye Pattern"をチェックして独特の信号音がしたら
「アイが開く」か確認しましょう。これが余りにも開かない場合は
音声が歪んでいる, 受信環境が劣悪でノイズまみれ...
当て嵌まる事を除いて行きましょう。
+ DSCを受信した際の表示例 +
・ SSB Telephony...短波帯SSB変調による交信要求.
この場合、中華人民共和国の海岸局がパナマ船籍の船舶に向けて送っています。
*"From/To"は海岸局, 船舶局固有のIDなので
電波法遵守の為全て網掛けで消しています。 *
・ 船舶の位置情報迄含んだ場合.
"Position"欄に緯度経度が表示されてクリックすると
Google Mapが開いてその場所が見れます。
この船舶は、朝鮮半島で韓国の黄海沖を航行中だと一目で解ります。
DSCは短波帯だけで無く、国際VHFにも割当が
有りますのでそっちからトライする手も有ります。
何れにせよ、今回のDSCを始め
航空無線のデータ通信ACARSの様に「見て」楽しむ
無線も多いです。トライしてみて下さい。