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【無線ネタ閲覧注意】D-STARレピーター CQ出し交信後のQRZはご法度 (2020/7/7 10:00:00)
無線やってない人にはアルファベットだらけで何のこっちゃですね。QRZというのはQ符号と呼ばれる、言わば定型文の省略みたいなものなんですが、「どちらかお呼びになりましたか」という電信で使う本来の意味が転じて、無線電話では「聞いている方いらっしゃったら呼んでいただけますか?」の意味で使われます。アマチュア無線では、混信局数と後進地域を乗じた数字で得点を競うコンテストというものがありますが、交信後には必ず「QRZ?」で応答を促すのが定石となっています。
まあ言ってしまえば、電波自体も公共物であるとは言えるんですね。ただ、周波数自体が公共性を持つ訳ではないので、長時間占有は言わば「アマチュア業務の必要範囲内」と解釈される訳です。ここは使ってるので、別の空き周波数を見つけてそこを使えと。かつては空きがないほど混雑していたものですが、最近はアマチュア局数の減少に伴ってそこそこの空き状態は確保できています。
ただし、レピーターとなると話は別です。これは明らかに公共物で、実体のあるものになりますので、多数の局が使える状態にするため管理団体の方々も御苦労されています。周波数とて無限ではありませんが、別のものを探すのはそれほど大変ではありません。ただし、中継局たるレピーターは周波数を固定して限られた範囲の場所に供する運用していますので、大分事情が変わってくるということになります。基本的に各人が1交信したら他の局のためにレピーターを空けることで、出来るだけ多くの人が利用できる状態に保つ必要があります。そこに我儘は許されないということです。
そして話を戻します。たまたまレピーターをワッチしていたのですが、それもたまたま知り合いがD-STARレピーターでCQを出したんですね。もちろんそれ自体には問題ありません。呼ばれなければそのままレピーターを空ければいいし、呼ばれたらそのまま1交信だけ行い、終了後はレピーターを空ければいいだけです。もし呼ばれなければ呼ぼうかと思っておりましたが、他の局に先を越され待機。そして交信が終わったんですが、問題はその後。先ほどのQRZ?を出してしまったんですね。これは応答を促す内容がありますので、原則連続交信がNGとされているレピーター利用方法に置いてまさにご法度となる訳です。交信が終わるたびにQRZ?で応答を促していると、それこそ5局6局と交信が連続してしまい、長時間占有に繋がりかねないからです。勿論私もそれがありましたので、呼びたい気持ちはありましたがやめました。代わりにツイッターのDMでその件のお話をさせていただきました。
余り堅いことをいうつもりはありませんが、でも今回申し上げたことはそれこそ最低限のマナーというべきことだともいます。別に無線のレピーターなんていう、得体の知れない装置についてだけに通用することではありません。公衆トイレにしたって同じことでしょう?他の人も使うだろうから、なるべく汚さないように、そしてあまり長時間滞在することのないようにする訳ですから。「来た時よりも美しく」というフレーズがあります。使うんですからより美しくはちょっと無理ですが、それに近づけるべくなるべく汚さないというのは公共物利用の鉄則だと思います。そこからしたら、レピーターの話もわかりそうなものですけどね。