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権現様峠~南面白山 (2020/8/10 20:38:44)
20数年前の「山と高原」地図(エリアマップ)には面白山高原駅から権現様峠への登山道の記載はありますが、先週辿った奥新川峠ルートの記載はありません。当時、その地図をもとに権現様峠経由で大東岳に登ったことがあります。もうかなり前なのでほとんど記憶はなくなっていますが、沢を渡渉したことは覚えています。
この間、何度か登っている南面白山。不安はあるものの、かすかな記憶を頼りに数十年ぶりにこの権現様峠のルートで登ってみることにしました。
峠への分岐
いつものとおり仙山線始発に乗車。面白山高原駅から長左衛門平への登山道に入ると20分ほどで権現様峠への分岐となります。所々ロープの張られた谷筋の斜面を進むと、権現沢の第一の渡渉点に到達。前日の雨で増水しており、予想していたこととはいえ、水量はかなりのものでした。沢そのものが大きく、長左衛門平ルートの渡渉点とは比べ物になりません。滑って転倒するとそのまま流されかねず、濡れても構わない覚悟で慎重に足場を選び渡渉。無事渡り終えて緊張がほどけ、ふと上流を見上げた時、はっとさせられました。暗い断崖の谷間に木漏れ日が差し込んできたのです。流れ落ちる瀑布。断崖を這うように続く細道。秘境感漂う渓谷美。ここがこのルートのハイライトと実感しました。
第一渡渉点
渡渉点付近
そのまま沢筋にそって進み、雷神瀑布の上流で第二の渡渉点に到達。水量はそこそこあるものの沢幅は狭く、難なく渡りました。斜面を巻きながら徐々に上流を詰め第三の渡渉点を過ぎるとブナ林の尾根道となり、最後は登山道とは思えない枯れ沢のような所を登り権現様峠に到着しました。駅から約2時間。標高910m。
沢筋を進む
雷神瀑布
第二渡渉点
峠への最後の登り
権現様峠
峠の標記は消えてありませんでした。奥新川峠と違い、峠らしい雰囲気もありません。以前とは違ったような・・・。直進すれば大東岳、今日は右に進み南面白山方向へ。ブナの美林が続く緩やかな尾根道を経て一気に高度を稼ぐと、大東岳が目の前に迫ってきました。もう山頂直下。ここまで展望はまったくありません。10時15分、標高1225mの山頂に到着。歩き始めてちょうど3時間。こんなに大汗かいたのはしばらくぶりです。山頂からは遠く熊野岳、そしてそこへ至る山々を縫うように縦走路が続いていました。
峠から南面白山へ
間近に大東岳
山頂より蔵王縦走路
さて、あまり人は来ないものの狭い山頂なのでここで無線運用はできません。山頂から離れた尾根筋にアンテナを設置しました。本日もいつもの装備。
リグ FTM-10S(145MHz)
アンテナ J型アンテナ
今日は福島、宮城、山形、新潟、岩手各局に交信いただきました。0エリアは新潟市南区の1局のみ交信いただきました。山岳移動では鬼面山、栗駒山、薬莱山 各局と交信。下山と帰りの電車時刻を気にしながら40分ほどの運用で終了としました。
旧スキー場へ一気に下山し、駅到着12時40分。自分にとっては緊張感と歩き甲斐のある行程で疲れました。権現様峠へのルートは登りに使って正解だったように思います。下りに使う場合は沢の水量によっては手こずることになり、時間も想定どおりにいかないかもしれません。きつい、危険、暗いの3Kルート。その分、山頂まで誰一人会うこともなく、静かな山に浸れました。
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