無線ブログ集
メイン | 簡易ヘッドライン |
衝撃の事実 430MHzでも同軸ケーブルは5D2Vで十分! (2020/8/29 5:22:27)
今回も少し違った視点で結論は衝撃かな?
私は皆さんとは少し異なる無線生活があります。同軸コリニア教の教祖として同軸コリニアアンテナを抱えて現地へ比較実験に出かけます。
そこでいつも大きな疑問に感じていることがあるのです。それは
比較実験場所に出かけ太い同軸ケーブルでリグまで引かれている比較対象のアンテナのそばに仮設の同軸コリニアを設置します。
持参するアンテナを仮設するので使用する同軸ケーブルは寄せ集めの3Dケーブルやら5DFBやらコネクタはSMA-Pなので変換コネクタも2,3ヶ所に挿入して比較実験を始めます。
つまり同軸ベースでは常設アンテナに比べ同軸部分で最低3-4dB以上のロスが発生しアンテナ高も低いのです。にもかかわらず利得的に同等レベルのアンテナより8段同軸コリニアの方が圧倒的に耳が良いわけです。
本当に同軸ケーブルの損失は影響しているのだろうか??これが今回の疑問です
調べるとアンテナからリグのAF出力までの総合性能指数があることを知りました。
簡単には
総合性能=アンテナ利得/(ノイズ【アンテナノイズ+プリのノイズ+リグのノイズ】x同軸ケーブル損失)なのです。
式を見る限り同軸の損失が直接性能に影響しているように思えます。計算してみました。
アンテナ利得を控えめに10dBで計算しました。大きい数字ほど性能が良いのです
まず黄色の部分を見て下さい。正に同軸の損失差だけ性能が低下することがわかります。
では黄色の部分はどんな状況なのでしょうか?実はほぼ外来ノイズ0の世界の話です。
現在のリグの性能は最低でも-120dBm以下の電波の受信が可能です。ノイズ0(ゼロ)の理想世界ではリグの性能がフルに活かせますね。
また山岳移動時は理想にかなり近い環境にあります。
結論1
同軸の損失分だけ性能が低下するのはノイズのない理想世界の話である
では現実の都市部のノイズはどのレベルにあるのでしょうか?
こんな研究をしていると都市部のノイズレベルを知る必要があり調べてあります!
都市部では430MHz帯でも現在普通のアンテナでは-100dBから-105dBのノイズレベルがあります。UHF帯はノイズが究極まで低いのは過去の話です。
詳しくは ここ をみる
上の表でノイズレベル-100-105dBm時の同軸ケーブル損失と性能の関係が赤枠で囲んであります。
例を上げてみます5D2Vでアンテナまで同軸を20m伸ばします。このとき
5D2Vは10mあたり1.85dBの減衰、20mならば3.7dBの損失です。これと10FBを比較します。
10FBは10mあたり0.72dBの減衰、20mならば1.44dBの損失です。その差は2.26dBです。
赤枠で2.5dB損失ケーブルと5dB損失ケーブルの差が2.5dBです。この例では同軸ケーブルでの損失2.26dBが総合性能に与える影響度は僅か0.3dB以下です。
0.3dB差をそれは大変!と思う方は先にアンテナを同軸コリニアに変えてくださいね。
赤枠から青枠へ移動して下さい。これが同軸コリニアの総合指数です。(劣悪な環境下でのノイズに強い)
0.3dBを問題にするならば6dBは生死にかかわると思いますが?
結論2
現在の都市部ノイズ環境下では同軸ケーブルの損失は無視しても構わないほど小さい
私は430MHzで3D2Vを使用していると話すとほぼ全員が
「430MHzで3D2Vはないでしょう」的な話になります。移動地では4-7mのケーブルですが。
先のブログ・・アンテナは高さが重要!を読まれた方は3D、5Dケーブルを使用してでもアンテナ高をあげたほうが良いことを知っています。
冒頭の「本当に同軸ケーブルの損失は影響しているのだろうか??」の問には
同軸ケーブルの損失はあまり影響してない!のです
「ハンディ機直付」問題は結論2からも完全否定が出来るのです!!
直付問題はともかく結論2でひっくり返る方は多いハズ。
同軸コリニアの製作の代行的なことを初めると皆様から色々質問を頂きます。
いい加減に答えることも出来ませんので必死で調べ計算し実験を行います。
そこで得られた結果をここで共有させて頂いています。本当のことが分かったのも皆様のおかげです。
ありがとうございました。
次に書くのはプリアンプについてです。これはどんな結果なのでしょうか?お楽しみに・・いやな予感しませんか?