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<懐かしい「ラ製」が帰ってくる!!>電波新聞社、9月10日に「ラジオの製作 創刊65周年記念特大号」を刊行 (2020/9/9 11:30:17)
電波新聞社が1955(昭和30)年から1999(平成11)年まで刊行していた月刊誌「ラジオの製作」。電子工作はもちろん、BCLや合法CB無線、アマチュア無線、オーディオ、マイコンなど、趣味のエレクトロニクス分野の入門誌として愛読していた人も多いことだろう。このほど同社の創立70周年と「ラジオの製作」の創刊65周年を記念した「ラジオの製作 創刊65周年記念特大号」が2020年9月10日に発売される。懐かしいテイストの表紙や懐かしい筆者陣の記事は、ラジオや無線に夢中だった時代を思い出させてくれるはずだ。
1970年代のBCLブームを牽引し、アマチュア無線や合法CB無線、オーディオやマイコンなどを青少年に啓蒙した「ラ製」。きっと多くの方が愛読した経験をお持ちだろう。
とにかく筆者陣が強力だった。“BCLの神様”こと放送評論家の山田耕嗣氏(JH1KFY:故人)、アマチュア無線やBCL関係の製作記事で定評の高田継男氏(JA1AMH:故人)と大久保 忠氏(JH1FCZ:故人)、合法CB無線を普及させ「CBer」という言葉を定着させた皆川隆行氏(めぐろE55/JH1IUR:故人)、SWLのオーソリティー高野 章氏(JA1-7777/JH1FVE)、マイコン関係と電子工作が得意な丹治佐一氏など。さらに次代を担う若手筆者の育成も積極的だった。また毎号「ぼくの声・私の声」コーナーに登場するキャラクター「影の声」「水虫仮面」「タロベエ」「編集長」「みどりさん」も忘れられない。
全国各地で「読者のつどい」も開催され、またラ製(電波新聞社)が協力するイベントも多数行われた。
hamlife.jp所蔵、昭和30年10月1日発行の「ラジオの製作」通巻11号の表紙。同誌は1954(昭和29)年にラジオ技術・サービスステーションの発行で創刊したが、この号に『「ラジオの製作」は、号を追って順調に発展して参りましたが、今回更に本誌の躍進をめざして、ラジオ界最大の発行部数をもっている「電波新聞」及び、皆さんの兄さん雑誌として新しい技術と豊富な内容で評判の「電波とオーディオ」を出版している、電波新聞社から、よそおいも新たにして発行することとなりました』という案内があり、実質的にこの号が電波新聞社の“ラ製”第1号であることがわかる
「ラジオの製作」は1999年に惜しまれつつ月刊誌としての刊行を終了。現在は季刊の「電子工作マガジン」として、若年層のエレクトロニクス入門(電子工作、ロボット、ドローン、超小型コンピュータなど)を担っているが、同社の創立70周年と「ラ製」の創刊65周年を記念して、9月10日に「ラジオの製作 創刊65周年記念特大号」が刊行されることになった。告知資料から抜粋で紹介する。
「ラジオの製作 創刊65周年記念特大号」刊行のお知らせ
1999年に惜しまれつつ休刊したあの「ラ製」、「ラジオの製作」が帰ってきます。電波新聞社は2020年、創立70周年を迎えました。また、「ラジオの製作」は創刊65周年を迎えました。それを記念して「ラジオの製作」が特別記念特大号として復活します。令和版の「ラジオの製作」は昭和・平成版の内容を遺産として受け継ぎ、さらに最新情報も取り入れてパワーアップしました。
令和版のラジオの製作では、現在の青少年達に向け、物造りの楽しさ、奥深さを感じて、電気・電子に興味をもってもらえるように、また、過去のラ製読者には、青少年期を懐かしんでいただくだけでなく、子供さんやお孫さんにも本書をご紹介いただいて、電子工作の面白さを伝えていただけるような内容としました。
同書の目次は次のとおり。一部は過去掲載記事を復刻している。また懐かしい筆者陣が今回「ラジオの製作の思い出」を特別寄稿している点にも注目していただきたい。
今回の「ラジオの製作 創刊65周年記念特大号」刊行について、ラ製の筆者陣の一人でもあり、現在はテレビの情報番組のコメンテーターなどで活躍中のITジャーナリスト、三上 洋氏(せたがやV15)はhamlife.jpに次のようにコメントを寄せてくれた。
「休刊から21年、あの“ラジオの製作”が復活するのはとても感慨深いです。“ラジオの製作”は、いまのIT技術者やエレクトロニクス産業の担い手を産んできた雑誌。再び自作が注目される中、この本はぜひとも皆さんに見てほしいです。私も今回、ライセンスフリーラジオの歴史を振り返る記事を書いておりますので、よければご覧ください」
また「ラジオの製作 創刊65周年記念特大号」を企画した、電波新聞社特別顧問(元・ラジオの製作 編集長)の大橋太郎氏は、刊行に際し次のようにコメントを発表している(抜粋)。
未来につなごう! エレクトロニクスの夢
電波新聞社に入社してから間もなく半世紀を迎えますが、 幸いなことに今日まで「ラジオの製作」が創刊時に目指した電子立国日本の将来を担う子どもたちのためになる雑誌編集に加えていただいています。
「ハムフェア2018」で、本当に久しぶりにステージイベントをさせてもらい、昔話をしたり、往時の写真を見せました。ITジャーナリストの三上 洋氏、歌手の青木小夜子さんもゲスト参加してくれました。この話がHCJBの尾崎一夫先生に伝わり番組出演をさせていただきました。それから周囲の機運が一変し、ハムフェア2019では大ベストセラーになった山田耕嗣先生の「BCLマニュアル」の令和版を先行発売し完売する運びになったのです。
「ラ製」の筆者は子どもたちにBASICプログラミングや、高度な電子工作を指南した丹治佐一先生や、アマチュア無線機器の最先端技術者の高田継男先生、SWL指導者の高野 章先生、週刊誌のトップ屋として名を馳せた皆川隆行先生、小中学生のころから編集部で存在感を示した梶原 巧先生をはじめ、多くの英才が読者のために知恵を絞って記事企画を考えていました。企画会議には、広告スポンサーでもある機器メーカーの皆さんも加わり、続々新製品を開発して発売してくれました。BCLラジオやCBトランシーバはその代表的なものでした。
現在は、電波新聞のコラムを書いたり、「電子工作マガジン」「マイコンBASICマガジン」の編集に従事させていただいています。コロナ禍で機会は激減していますが、全国で行われる、電子工作やプログラムイベントのお手伝いにも参加しています。そこで付き添いのご両親の中に元読者の方がいらして、互いに感激することもよくあります。昔の読者イベントで会った少年と再会したこともあります。
私はSNSやアマチュア無線もアクティブです。時空間を超えて皆様と会えるのを楽しみにしています。この本を、子どもたちと一緒に楽しく読んで、未来のクリエイター育成に生かしていただければ幸いです。「未来につなごう!エレクトロニクスの夢」。
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