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<437.80MHzを受信してみよう>国際宇宙ステーション(ISS)に次世代のアマチュア無線システム設置、144/430MHz帯のクロスバンドレピータが運用開始 (2020/9/12 14:00:04)
国際宇宙ステーション(ISS)の次世代無線システムである、ARISS(Amateur Radio on the International Space Station)のアマチュア無線機 第1号機がこのほど欧州実験棟「コロンバスモジュール」に設置された。9月2日からアップリンク145.99MHz(CTCSSトーン67Hz)、ダウンリンク437.80MHzというFMクロスバンドレピータの運用が始まっている。
ISSのコロンバスモジュールには、これまで2000年半ばに認証を取得したエリクソンの無線システムとパケット通信モジュールがアマチュア無線用として使われてきた。ARISSは5年がかりで特別に“宇宙改造”されたJVCケンウッドのTM-D710GA(音声中継機能、APRS機能を搭載)と同社のSSTVシステムのVC-H1、ARISSの開発による電源装置や接続ケーブルなどを準備。今年3月にSpaceX社のCRS-20補給ミッションでISSへ送り込まれていた。
このほど同無線システムの設置が完了。「ついに! 週末から昨日にかけては宇宙飛行士クリス・キャシディさん(KF5KDR)との調整を行い、この数日は大忙しでした」と、ARRLのARISS-US代表ロザリー・ホワイト氏(K1STO)は述べた。「ARISSの新しい無線システムは無事セットアップされ、機能しています。過去5年間、私たちはなんと長い道のりを歩んできたことでしょう!」。
新しい無線システムは、地球側からのアップリンク145.99MHz(CTCSS 67Hz)とISSからのダウンリンク437.80MHzというFMクロスバンドレピーターモードで運用が始まった。システムの最初の動作は9月2日の01:02(UTC)に観測された。ARISSは今後の特別運用については随時発表すると述べている。
ARISSでは今後、第2号機をISSのロシア実験棟に設置するための認証を受ける予定だ。このシステムでは音声リピーターやAPRSパケットなどの同時動作が可能になるという。(ARRLニュース9月2日 ※許可を受けて抄訳/(C)ARRL)
【hamlife.jp追記】
ISSの欧州実験棟に搭載されたTM-D710GAによるクロスバンドレピータ機能は、9月11日現在も動作中である。下記関連リンクを参考に、ISSが日本上空を飛来するタイミングを調べ、437.80MHzのFMモードのダウンリンクをワッチしてはいかがだろうか。
◇
<参考>東京におけるISSの良好な飛来時刻の例(時刻はJST、JAMSAT公表のデータによる)
★9月12日(土)
見え始め:20時46分41秒(225度)
見え終わり:20時57分35秒(49度)
ピーク時の仰角:81.0度
★9月14日(月)
見え始め:04時07分38秒(306度)
見え終わり:04時18分25秒(145度)
ピーク時の仰角:48.3度
★9月15日(火)
見え始め:03時20分13秒(312度)
見え終わり:03時31分07秒(132度)
ピーク時の仰角:86.4度
★9月16日(水)
見え始め:02時32分55秒(316度)
見え終わり:02時43分42秒(120度)
ピーク時の仰角:46.4度
見え始め:19時13分55秒(225度)
見え終わり:19時24分49秒(49度)
ピーク時の仰角:82.3度
こちらの記事(3月13日付け)も参考に↓
<特別仕様「TM-D710GA」が欧州実験棟に>JVCケンウッド「当社製アマチュア無線機の国際宇宙ステーションへの搭載が決定」と発表
●関連リンク:
・First Element of ARISS
Next-Generation Radio System Installed and Operating on ISS(ARRL NEWS)
・ARISS Webサイト
・ARISS(Facebookページ)
・日本各地の衛星通過時刻の予報(JAMSAT)
・国際宇宙ステーション「きぼう」を見よう(JAXA)
・Spot The Station(NASA)
・ISS Tracking MAP(ESA)